LMS(学習管理システム)の比較ポイントと企業向けLMS17選
最終更新日:
LMS(学習管理システム:Learning Management System)とは、eラーニングやオンライン研修などを行うための機能を有したシステムです。学習状況を可視化したり、学習履歴(データ)の蓄積や活用ができたりすることから、主に企業や教育機関で多く利用されています。
そんなLMSを自社に導入するにあたり、比較サイトなどを覗いて情報量の多さに困惑したことはありませんか?
実は、自社にとって最適なLMSを探すには、単純な一覧表や比較表では見極められないのです。
HR総研が実施した「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート[1]によると、中堅社員研修の運営上の課題として、「人事・教育担当のリソース不足」と「実施効果の測定ができていない」がともに最多で37%となりました。
このことから、企業のLMSに重要なのは「担当者のリソース軽減」と「効果測定の精度」と言えるでしょう。
LMSを検討する際、まずは「研修運用を担当者1〜2人で回したい」「各部門ごとに、人事や情シスを挟むことなく自律的に研修を行ってほしい」など、LMS導入の目的や実現したいことを明確にし、自社にとって必要な大枠の条件を決めましょう。それから条件にあった候補を並べて比較に入る方が、少ない労力でフィットした選択ができるのではないでしょうか。
そこで本稿では、LMSの比較において、事前に検討したい項目(条件の候補)をご紹介します。記事後半では、企業向けの主要なLMS17製品を同じ項目(費用や機能など)で比較しました。貴社に最適なLMS選定にお役立てください。
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目次
- 1. LMSの性能・機能についての比較ポイント4つ
- 2. LMSの運用についての比較ポイント3つ
- 3. LMSの価格についての比較ポイント
- 4. 企業向けLMS主要17製品を徹底比較!
- 4-1. CAREERSHIP(株式会社ライトワークス)
- 4-2. ナレッジデリ(株式会社デジタル・ナレッジ)
- 4-3. 学び~と(エスエイティーティー株式会社)
- 4-4. LearningWareシステム(株式会社プロシーズ)
- 4-5. Leaf(株式会社インソース)
- 4-6. コーナーストーン・ラーニング(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社)
- 4-7. iStudy LMS(株式会社ODKソリューションズ)
- 4-8. SumTotal(サムトータル・システムズ株式会社)
- 4-9. Multiverse(ネットラーニング)
- 4-10. Generalist/LM(東芝デジタルソリューションズ株式会社)
- 4-11. Platon(ロゴスウェア株式会社)
- 4-12. eden LMS(エデン株式会社)
- 4-13. Coursebase(コースベース株式会社)
- 4-14. LMS365(株式会社ソフィア)
- 4-15. GLOPLA LMS(株式会社グロービス)
- 4-16. AirCourse(KIYOラーニング株式会社)
- 4-17. playse.(株式会社manebi)
- 5. 目的別おすすめLMSまとめ
- 6.まとめ
1. LMSの性能・機能についての比較ポイント4つ
LMSを比較検討する際に、まっさきに気になるのは「性能・機能」についてではないでしょうか。世の中には様々なLMSがありますが、大切なことは、「自社が求める要件に即しているか」という視点を持つことです。誰にとっても最適である製品はなく、企業規模や用途、社内規定などによって求められる「性能・機能」は様々ですので、以下に記載するポイントを参考に検討してみてください。
1-1. 総合的な人材育成に適したLMSかどうか
企業が探しているのは「企業向けのLMS」です。そして、利用目的が人材育成ということなら、どんなジャンルの教育にも使える自由度の高さ、多彩な機能が求められます。ある目的のために作りこまれたシステムよりも、「箱」に近いものの方がよいわけです。
最近のLMSはeラーニング以外の機能で差別化を図る傾向にあり、以前に比べて実に多彩な使い方が提案されています。
例として、ライトワークスのLMS「CAREERSHIP」は、次のような機能を備えています。
- eラーニング機能 :eラーニングの配信を行える機能
- 研修管理機能 :集合研修の予約申請やスケジュール管理などを行える機能
- 動画配信機能 :動画教材をストリーミング配信する機能。リアルタイムで配信するWEB会議システムとの連携も可能
- コース管理機能 :eラーニングや集合研修など、複数の施策を組み合わせた研修を作り、実施する機能
- アンケート・レポート機能 :アンケートやレポートを作成、配信し、回答を集める機能
- スキル管理機能 :階層や職種等に応じて必要なスキルセットを定義し、個別の進捗状況を管理する機能
- 個人データベース機能 :個人の学習履歴や保有資格情報などを登録し、一覧化する機能
- SNS機能 :社内SNSとして、コミュニケーションを促したり、ソーシャルラーニングに活用したりできる機能
- eラーニング教材作成機能 :パワーポイントなどの社内資料を基にeラーニングを作成する機能
- コミュニケーション機能 :事務局から学習者にインフォメーションやメッセージを配信する機能
LMS=eラーニングというイメージのみでシステムを探すと、後で機能不足に悩むことになりかねません。eラーニング以外の機能の存在を把握し、改めて自社の人材育成上の課題や活用イメージに当てはめてみて、条件に追加していくとよいでしょう。
一方で、LMSには、英語教育や資格教育など、特定の教育用に設計されたものや、テストやマニュアルの作成・配信など、特定の業務の効率化を目的としたものもあります。人材育成に広く使いたいなら、このタイプのLMSは初期段階で除外してよいでしょう。
逆に、もしもLMSの導入目的がずばり「英語オンリー」なら、その分野に特化して開発されているシステムの方がメリットが大きいとも考えられます。この場合はすぐに比較に入れます。
ただし、いずれの場合でも、LMSの運用をつつがなく行うための性能は重要です。例えば以下のような要素が挙げられます。
- マルチデバイス対応しているか
- 多言語対応しているか
- セキュリティへの配慮は十分か
- 人事データベース連携が可能か
- シングルサインオンが可能か
このあたりもスクリーニング材料になるでしょう。
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1-2. 運用規模は想定と合っているか?
次なるスクリーニング条件は、運用規模です。運用規模は、LMSを利用可能なユーザ数(ID数)で決まります。比較サイトには推奨利用人数が書かれている場合と書かれていない場合がありますが、自社の想定利用人数と合わないものは除外してしまってよいでしょう。
1-3. eラーニングの標準規格に準拠しているか?
LMSの主要な機能であるeラーニングには標準規格があり、現在一般的な企業で使われているeラーニングの多くは「SCORM1.2」または「SCORM2004」に準拠しています。これに準拠していれば、異なるLMS間でも教材や学習履歴の移行が可能です。仮に今自社で運用しているLMSが「SCORM1.2」または「SCORM2004」に準拠している場合、同じ規格のLMSを選べば教材や学習履歴を維持できるということです。また、将来的にLMSを変更する必要が生じた場合への備えにもなりますので、必ずチェックするようにしましょう。
1-4. クラウドか?オンプレミスか?
次に注目すべきは提供形態です。最近はクラウドサービスが一般的で、何も障壁がなければこちらをお奨めします。
でも、もしもあなたの会社が外部インターネットに接続できない環境なら、話は別です。この場合は「オンプレミス」という形態での提供が可能なベンダーを選ぶ必要があります。オンプレミスというのは、社内で利用しているサーバーにLMSをインストールし、イントラネット経由で配信する仕組みです。自社のネット環境が分からない場合は、情報システム部門に確認しましょう。
下記コラムでは、LMSベンダーである当社がお客様からよくいただくご質問をリストアップしています。LMSを選ぶにあたってベンダーに確認すべきことが知りたい方は、こちらも参考にしてください。
関連記事:LMS(学習管理システム)の導入前 ベンダーにすべき19の質問【回答付き】
2. LMSの運用についての比較ポイント3つ
LMSは導入して終わりではなく、導入してからが本当のスタートです。そのため、いざ運用を始めてから色々な問題が出てしまっては、LMSを入れた甲斐がありません。導入の前に、運用するときを見越して検討を進めることをお勧めします。
2-1. eラーニング教材(コンテンツ)は調達可能か?
LMSだけあっても教育施策は展開できません。LMSベンダーの多くは教材コンテンツ(eラーニング)も提供しています。教材の調達方法にあてがない場合は、どんなラインナップがあるか、確認しておくとよいでしょう。もっとも「1-3. eラーニングの標準規格に準拠しているか?」で述べたとおり、標準規格に準拠していれば、あるベンダーが提供しているLMSに別のベンダーが提供している教材コンテンツを登録し、運用することも可能です。
関連 ▶ eラーニング教材(コンテンツ)は購入すべきか自作すべきか? 自社の教育体系に合わせた調達法
2-2. eラーニング教材の作成は可能か?
最近はコストとスピードを重視して、自社でeラーニング教材を作る会社が増えています。これを受け、LMSベンダーの各社が教材作成機能の付与、または、教材作成ツール(内製支援ツール)の提供を行っています。自社で教材を作成したい場合は、それらの有無をスクリーニング条件に加えるとよいでしょう。自社で教材を作成する体制が整えられれば、教育施策内容の自由度が格段にアップしますし、将来的に大きなコスト削減につながります。ぜひ検討をお奨めします。
関連 ▶ 自社で作るeラーニング オリジナル教材の作り方 [仕様書サンプル付]
2-3. 運用サポートの有無
「導入して終わり」ではなく、その後の運用についてもしっかりサポートしてくれるベンダーを選びたいものです。有償か無償かはさておき、導入後のメンテナンスやヘルプデスク、運用業務のアウトソースといったサービスを行っているベンダーを選ぶことをお奨めします。
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3. LMSの価格についての比較ポイント
最後に、最もわかりやすい比較ポイントが価格です。価格は一見比較が容易であるため、まずはこの条件で絞り込もうという方も多いかもしれません。しかし、安易に価格だけで比較してしまうのはお勧めできません。その理由を以下に記します。
3-1. 価格はどうか?
極端に低コストを希望するのでなければ、この時点ではあまり価格情報は参考にしない方が無難です。というのも、多くの場合LMSの費用は「初期費用」と「月額利用料」に分かれていて、特に利用状況に応じて毎月変動する「月額利用料」のコストは、もっと要件を絞り込んでみないと想定できないためです。そもそも比較サイトへの掲載の仕方や掲載有無もベンダーによって異なるので、同じ条件で比較することもできません。また、価格の部分は交渉次第というところもあります。最初から価格を条件にしてしまうと、自社に適したLMSが検討から漏れてしまいかねません。
それよりも、まずは「自社の人材育成に必要な条件」を備えたベンダーを絞り込み、情報提供や概算見積を依頼した方が近道です。
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4. 企業向けLMS主要17製品を徹底比較!
いよいよ企業向けの主要LMSを比較して参ります。本稿では、企業向けLMSの主要ベンダーを独自にWeb調査し、大まかな比較ができるよう、特徴と機能をまとめました。
なお、掲載数値および事実情報については、各社が公開しているサイト(社名の下に記載)に基づき、2024年4月現在の内容を掲載しています。
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4-1. CAREERSHIP(株式会社ライトワークス)
https://www.lightworks.co.jp/services/careership
(申し訳ありませんが、最初にご紹介させていただきます!)
CAREERSHIPは、株式会社ライトワークスが提供する上場企業売上TOP100社の47%が導入している統合型・多機能型のLMSです。新規導入の70%が他社製品からのリプレイスで、LMSを導入した企業がぶつかる壁を解決すべく「より柔軟に。より奥深く。より簡単に。」という3つの特徴をコアパフォーマンスとして開発に注力しています。日系企業の文化、制度、グローバル展開などの戦略、各業界や各部門の教育施策の目的や運用を徹底的に調査・分析したり、グローバルトレンドなども踏まえて、常に最適な人材開発プラットフォームであり続けることを目指しています。
特徴
eラーニング、集合研修、アンケート、レポート、それらを組み合わせたコースなど、「誰に・いつ・何を」配信し、「誰が・どう」管理するか、論理的に細かい利用シーンを想定して作り込んでいます。大規模かつ複雑な組織や管理体制でも最適な運用ができます。また、グループ会社や他部門の教育を一つのサイトで運用でき、柔軟な配信や権限管理が可能です。
「より奥深く。」
コンテンツの配信はもちろん、従業員一人ひとりのキャリアアップのモチベーションを生かした学習ができる「キャリアマップ」機能、強み・弱みを可視化してスキルアップのモチベーションを生かした学習ができる「スキル管理」機能などを搭載しています。育成のすべてのフェーズに寄り添い、従業員の能力を最大限に引き出す「攻めの教育」を実現します。
「より簡単に。」
人事情報や履歴情報を、人事システムやタレントマネジメントシステムと開発なしの低コストで自動連携できます。このため、システム運用の手間を省き、教育運用や企画にリソースを集中いただけます。また、SAML等でのシングルサインオン連携も可能です。全社教育や導入教育の管理業務を全自動化できる機能も備えており、教育の管理者を雑務から解放し、戦略人事を強力に支援します。
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
約1,500社 利用ID数500万ID突破(上場企業売上トップ100社の47%) |
主な機能 |
eラーニング、集合研修管理、アンケート/レポート、コース管理、スキル管理、キャリアカルテ、ルーム(SNS)機能 など |
オプション |
動画ストリーミング配信、SSO連携、人事データ連携、履歴データ連携 など |
導入サポート |
多機能型かつグローバルやグループ全体の人材開発基盤となるため、運用定着のための導入支援が非常に重要です。サポート専門の部隊が手厚くご支援します。 |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
|
グローバル対応 |
|
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇 |
費用 |
非公開。上掲URLに見積依頼フォームあり。 |
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-2. ナレッジデリ(株式会社デジタル・ナレッジ)
https://www.digital-knowledge.co.jp/product/deli/
eラーニングの作成と運用に特化したLMSです。「教材作成」「受講機能」「管理機能」の3⼤機能を標準搭載しており、企業教育のあらゆるニーズに応えます。社内の効率的なナレッジ共有を支援するため、ビデオ教材(動画コンテンツ)の作成機能を強化。別サービスでeラーニング収録用のレンタルスタジオも運営しています。
特徴
教材作成ツールとの一体型で、企業の内製を支援する機能が充実。スライド教材やアニメーション教材、動画教材などを作ることができます。動画をリアルタイム収録できる機能も搭載。
「受講機能」
マルチデバイス対応と直感的な操作が可能。学習中に分からないことがある場合は、質問機能を使って質問をすることができます。スケジュール機能もあり、学習の実績や予定を確認することができます。
「管理機能」
きめ細やかな権限設定機能で小規模運用から大規模運用までカバー。コースごとにメンターを付けることができ、履歴の閲覧や修正も行うことができます。各種データの効率的な活用を目指し、CSVによる登録/抽出および検索性の向上・グラフ化機能の強化を行っています。
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
企業・学校など 2,000以上 |
主な機能 |
教材作成、受講機能、管理機能など |
オプション |
KnowledgeDeliver、Video+オプション、AMS、英語・中国語対応 |
導入サポート |
サポートセンタあり。 |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSに搭載 |
グローバル対応 |
英語/中国語 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇 |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-3. 学び~と(エスエイティーティー株式会社)
https://www.manabeat.com/
学校法人 駿河台学園を主要株主とするベンダーが提供するeラーニング特化型のクラウド型学習システム。学習に特化したシンプルな機能で、企業や学校法人の授業に導入されている。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
― |
主な機能 |
eラーニングの受講機能、管理者機能、親子サイト機能 |
オプション |
動画配信オプション、ディスク容量の追加、IPによるアクセス制御、独自ドメイン利用、通知メール |
導入サポート |
管理者画面から問い合わせ可能、受講者・管理者向けチュートリアル動画を展開。無料セミナーあり |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSに搭載 |
グローバル対応 |
日本語/英語/中国語(簡体字/繁体字) |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇(SCORM1.2のみ) |
ウェビナー対応 |
〇 |
費用 |
15,000円/50ID、以降ボリュームディスカウント。 |
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
◎ |
4-4. LearningWareシステム(株式会社プロシーズ)
https://www.pro-seeds.com/lms/
eラーニングや集合研修、アンケートなど、研修全般を一元管理できるLMS。「教育を快適に、成長を劇的に」をサービスコンセプトとし、「学ばせやすい」「学びやすい」「学び合いやすい」の実現を目指した機能を搭載しています。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
2,800社以上、利用者100万人突破 |
主な機能 |
ユーザー管理、連絡管理、研修管理機能、PowerPoint教材作成機能、結果管理、講座管理、eラーニング動画配信、コミュニティ管理、販売・申込み管理、eラーニング受け放題 など |
オプション |
システムカスタマイズ、集中度機能(ConcentrateLMS)、顔認証機能、シングルサインオン、API連携、字幕機能 など |
導入サポート |
担当者向けに約2時間の初期導入研修 |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSに搭載 |
グローバル対応 |
日本語/英語/中国語(簡体中文 繁体中文)/ベトナム語/韓国語/タイ語/インドネシア語/マレー語など30以上の言語に対応 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇(ライブ配信機能〇) |
費用 |
|
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-5. Leaf(株式会社インソース)
https://www.insource.co.jp/it-tool/kenkanrisys_top.html
集合研修の運用・管理に強いLMS。eラーニング事業からスタートしているベンダーが多い中、講師派遣サービスから市場参入した比較的新しいLMSです。「安い」「簡単」「徹底的」をポイントに、LMSとしての機能はシンプルに備え、その分オプションメニューを充実。また、幅広い分野の講師陣を備えており、従来集合研修で行われてきたマナー系から管理職研修まで、豊富なラインナップを動画教材として提供しています。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
企業数非公開 利用人数320万人以上(※2024年3月現在) |
主な機能 |
eラーニング、社員管理、研修管理、課題・テスト、講座・受講者管理、事務連絡、受講管理、教育履歴管理、資格管理、システム連携 など |
オプション |
多言語対応、人事データ連携、データ連携用のAPI公開、他社システムAPI連携、企業ロゴ追加/カラー変更、Googleカレンダー連携、シングルサインオン、アカウント自動ロック、パスワード世代管理、ワンタイムパスワード認証 など |
導入サポート |
トレーニング研修サービスあり |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSにPPTやPDFファイルの登録・配信機能を搭載 |
グローバル対応 |
英語画面切り替え機能「Leaf English」(オプション) |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇 |
費用 |
|
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-6. コーナーストーン・ラーニング(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社)
https://www.cornerstoneondemand.jp/learning/overview
外資系のオンデマンド型教育プラットフォームです。日本法人もありますが、日本では基本的にサービスパートナーによる代理販売を行っており、サービスパ―トナーには日本アイ・ビー・エム株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコムなどが名を連ねています。機能・サービスともにグローバル基準なので日本企業向けにマッチしにくい部分はあるものの、先進性、特に受講者向けの高いユーザビリティ、データを活用したサービスが好評です。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
7,000社以上 |
主な機能 |
学習管理、資格管理、学習体験、学習コンテンツ、継続的なフィードバック、従業員意識調査、人材異動・配置の測定、報酬管理、データ可視化、組織と個人の目標の整合性 など |
オプション |
― |
導入サポート |
― |
eラーニング教材 |
- |
教材作成ツール |
- |
グローバル対応 |
〇 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
- |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
△ |
4-7. iStudy LMS(株式会社ODKソリューションズ)
https://product.istudy.ne.jp/istudy-lms/
eラーニングと集合研修の運営・管理に特化したLMSです。シンプルにeラーニングを始めたい企業向けに、PowerPointやExcelからeラーニングが作成できる「SLAP」というサービスも展開しています。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
― |
主な機能 |
eラーニング、オンデマンド研修、コンテンツ作成、ユーザ・組織登録の自動化、コンテンツのアクセス制御、オリジナルデータ集計データ出力、受講管理 |
オプション |
― |
導入サポート |
― |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
あり |
グローバル対応 |
― |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
× |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-8. SumTotal(サムトータル・システムズ株式会社)
https://www.sumtotalsystems.com/jp/solutions/talent-development/learn
外資系のIT企業が提供する統合型人材管理(HCM)ソリューション。共通のプラットフォーム上で「人材採用」「学習管理」「人材管理」「ワークフォース管理」の4つのスイートが動作します。従業員のライフサイクル全体にわたって包括的かつ柔軟な機能を提供し、タレントマネジメントを実現します。このうち「学習管理」スイートがLMSにあたります。日本では、日本電気株式会社、株式会社ワークスアプリケーションズ、株式会社IPイノベーションズがパートナーとして代理販売を行っています。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
3,500社(日本国外含む) |
主な機能 |
コース管理、トレーニングとコンプライアンス認定、報告と追跡、既存の学習コンプライアンスコンテンツ、分析とデータアクセシビリティ、勤怠管理、スケジュール管理、欠勤管理、学習管理、採用 など |
オプション |
― |
導入サポート |
― |
eラーニング教材 |
― |
教材作成ツール |
― |
グローバル対応 |
〇 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
― |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-9. Multiverse(ネットラーニング)
https://www.netlearning.co.jp/platform/index.html
老舗ベンダーが5年以上かけて開発した学習専用プラットフォームです。研修などの「教育」、eラーニングなど個人が行う「学習」、ソーシャルラーニングに代表される「協働学習」の3つで構成される「ダイナミックラーニング」という独自の教育手法を提唱。その運用管理をLMSで実現します。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
6,265社(導入社数累計)(*2024年3月現在) |
主な機能 |
eラーニング作成、研修管理、オンライン配信、オンデマンド配信、カリキュラム、学習管理、オープンバッジ |
オプション |
― |
導入サポート |
|
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
|
グローバル対応 |
日本語/英語/中国語 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
― |
ウェビナー対応 |
〇 |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-10. Generalist/LM(東芝デジタルソリューションズ株式会社)
https://www.toshiba-sol.co.jp/business/gene/products/gene_lm.htm
東芝グループ10万人のパフォーマンスを想定し、実践を通じて開発されたLMS。HR・PR(人事・給与)、TM(就業管理)、CM(キャリアマネジメント)など、トータルな人財管理ソリューションを提供しており、LMSはその一環。企業教育を「攻め」と「守り」双方の観点から支援します。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
7,900社、820万人 |
主な機能 |
eラーニング、WEBオーサリングツール、テスト・アンケート、動画(ストリーミング)、カリキュラム、自動メール配信(リマインド)、進捗管理、修了証発行、申請・承認、分析機能 など |
オプション |
WEB会議連携(O365、Zoom連携)、ライブ配信、エコステーション、HTML変換ツール |
導入サポート |
eラーニング運用メンバーによるコンサルティングサービスあり |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
オーサリングツールあり |
グローバル対応 |
― |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
× |
費用 |
非公開 |
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
〇 |
4-11. Platon(ロゴスウェア株式会社)
https://platon.logosware.com/
インテル出身の技術者が「インターネットによる知識の提供」を目指して立ち上げたIT企業が提供するLMS。ソフトウェア開発の技術を活かし、カスタマイズ性の高い柔軟なシステムを提供しています。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
― |
主な機能 |
eラーニング、受講者の管理、教材・講座の管理、学習進捗管理、運営を支援する機能、集合研修の管理、特別研修機能、教材コンテンツの準備、マルチデバイス対応 など |
オプション |
アドバンス教材、独自ドメイン設定、一斉テスト、IPアドレス制限、デザインカスタマイズ、機能カスタマイズ、教材コンテンツの販売,デザインカスタマイズ |
導入サポート |
出張講習会、運用代行サービスあり(いずれも有料) |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
|
グローバル対応 |
日本語/英語/中国語(繁体語/簡体語)/韓国語/タイ語/スペイン語/ポルトガル語(ブラジル)/ベトナム語/インドネシア語 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
× |
費用 |
|
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-12. eden LMS(エデン株式会社)
https://eden.ac/e-learning/
eラーニングに特化し、シンプルな機能と低コストにこだわったLMS。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
400社以上、50万人以上 |
主な機能 |
eラーニング、コンテンツ作成機能、研修履歴やスキルレベル等の管理、Zoom・Teams連携、日報やレポート提出、ユーザーID管理と権限管理、APIによるシステム間連携、eメール・Teams・Slack・LINEでの通知 |
オプション |
シングルサインオン、ログインページのカスタマイズ&受講者トップページの左上ロゴ変更、決済機能追加 |
導入サポート |
- |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSに搭載 |
グローバル対応 |
英語/中国語/ポルトガル語/フィリピノ語/ベトナム語/韓国語/タイ語 |
こんな企業におすすめ |
|
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇 Zoom連携にて可能(開催者のみプロプラン契約が必要) |
費用 |
|
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-13. Coursebase(コースベース株式会社)
https://coursebase.co/
2012年創業のベンチャー企業が開発した、社員研修に特化したLMS。アメリカ人の兄弟が日本で起こした会社として、一時メディアでも取り上げられました。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
500社以上 |
主な機能 |
eラーニング、コースビルダー、課題とアンケート、コンテンツアップロード、コースライブラリ、組織とプロフィール、レポート、ライブラリビュー、プラットフォーム APIとSSO、IPアドレス制限 など |
オプション |
- |
導入サポート |
あり(無料)、管理者向けトレーニング(無料) |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
LMSに搭載 |
グローバル対応 |
14か国語対応 |
SCORM対応 |
× |
ウェビナー対応 |
× |
こんな企業におすすめ |
|
費用 |
非公開 |
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-14. LMS365(株式会社ソフィア)
https://lms365.jp/
Microsoft 365上で稼働する唯一のLMS。PowerPointやWordなど使い慣れたOffice製品で学習教材を作成できます。
特徴
直感的なインターフェースにより受講も管理も簡単。すでにMicrosoft 365を導入している場合はシームレスにアクセスでき(シングルサインオン)、PowerPoint、Word 、Outlook、Teamsなどの各種ツールと連携します。サードパーティ製のWebサービスをインストールするなどの準備は必要なく、すぐに学習の開始が可能。継続的なメンテナンス費用、システム統合費用等もかかりません。
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
― |
主な機能 |
eラーニングコース、ウェビナー等作成&コースカタログ、ダッシュボード、 SCORM & AICCプレイヤー、ラーニングモジュール、クイズ、課題/評価管理、レポート管理、モバイル(iPhone、Android用の専用アプリ使用)、APIサポート |
オプション |
受講者限定コース作成、受講期間・承認フロー設定、QTI(Question and Test Interoperability)規格サポート、設問アーカイブ、講師と受講者の非公開ディスカッション、Power BIへの受講データ取り込み、オフラインモードなど |
導入サポート |
無料:メールによる操作方法サポートなど |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
あり |
グローバル対応 |
英語、日本語。その他の言語は対応した辞書ファイルを作成することで使用可能。 |
SCORM対応 |
〇 |
ウェビナー対応 |
〇 |
こんな企業におすすめ |
|
費用 |
|
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
◎ |
4-15. GLOPLA LMS(株式会社グロービス)
https://glopla.globis.co.jp/
6,000社超の研修実績をもとに設計された受講者・管理者双方が使いやすいLMS。育成のプロによる導入・運用サポートが企業の目標達成に貢献します。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
累計受講者数12万人以上 |
主な機能 |
必修研修作成、公募研修作成、動画アップロード機能(容量無制限)、アンケート作成・回答、テスト作成・回答、進捗管理機能、申込管理機能、課題提出機能、上司承認機能、マルチデバイス対応 など |
オプション |
内製研修と定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」のワンストップ受講など |
導入サポート |
キックオフミーティング、操作説明会、導入後のフォローアップ、導入定着まで計3回のサクセスMTG 、コース作成支援 (LMS上で学習しやすいコースの作り方等)など |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
あり |
グローバル対応 |
― |
SCORM対応 |
― |
ウェビナー対応 |
― |
こんな企業におすすめ |
|
費用 |
|
大手企業 |
◎ |
中小企業 |
〇 |
4-16. AirCourse(KIYOラーニング株式会社)
https://aircourse.com/
KIYOラーニング株式会社によるeラーニングシステムです。新入社員から管理職まで充実した階層別研修と、ITスキルやコンプライアンスといったテーマ別研修で、企業研修のニーズに応える汎用的な教材コンテンツが揃っています。ほとんどのコースに確認テストやワークシートが付属しており学びの定着を促します。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
ー |
主な機能 |
自社オリジナルコースの作成・配信、動画研修コンテンツが受け放題、学習パスで複数コースをまとめて管理、全社・各組織で情報共有、組織やグループ単位での学習管理、その他(セキュリティ、画面構成など) |
オプション |
動画制作・配信おまかせパック、オンライン資格講座 STUDYing(スタディング)法人利用 |
導入サポート |
運用者トレーニング(導入・運用担当者向け説明会)(有料) |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
ー |
グローバル対応 |
ー |
SCORM対応 |
ー |
ウェビナー対応 |
ー |
こんな企業におすすめ |
|
費用 |
|
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
4-17. playse.(株式会社manebi)
https://playse.jp/
株式会社manebiが運営するオンライン研修サービスです。5,000以上の教材コンテンツのほか、自社教材やオンライン集合研修を組み合わせて、コンプライアンス・ハラスメント防止・階層別など企業に必要な研修を実施できます。またトレーニングマップで学習ステップを可視化することで、受講者が迷わずに学習を進められる仕組みがあります。
特徴
(2024年4月調べ)
利用者累計数 |
2,500社 |
主な機能 |
ダウンロードもインストールも不要なWebシステム、全コンテンツ見放題、自社教材の簡単アップロード、学習フロー・ステップがわかりやすいトレーニングマップ、テスト・アンケート作成、学習状況を把握できるレポート、受講者へのメール配信、表示ロゴ・利用規約のラベル等のカスタマイズ |
オプション |
IPアドレス制限、ストレージ追加、支店・チームごとの管理、シングルサインオン、オンライン集合研修 |
導入サポート |
カリキュラム作成や操作方法等について、継続的なサポートあり |
eラーニング教材 |
|
教材作成ツール |
ー |
グローバル対応 |
ー |
SCORM対応 |
ー |
ウェビナー対応 |
ー |
こんな企業におすすめ |
|
費用 |
|
大手企業 |
〇 |
中小企業 |
〇 |
5. 目的別おすすめLMSまとめ
LMSの業界動向やトレンドについて一番詳しいのは、LMSベンダーです。新規導入にせよ、リプレイスにせよ、選定にあたってはなるべく早くベンダーに連絡を取り、情報を引き出していくことが大切です。
でも、「まずはどこに連絡しようかな?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。そこで、ここではLMSの主要な導入目的に沿って、それぞれの領域でおすすめのLMSをピックアップしてみました。
6.まとめ
いかがでしたか?
LMSの比較サイトを上手に使いこなすために必要な視点をご紹介してきました。
- LMSの性能・機能について
- 総合的な人材育成に適したLMSかどうか
- 運用規模は想定と合っているか?
- eラーニングの標準規格に準拠しているか?
- クラウドか?オンプレミスか?
- LMSの運用について
- eラーニング教材(コンテンツ)は調達可能か?
- eラーニング教材の作成は可能か?
- 運用サポートの有無
- LMSのコストについて
- 価格はどうか?
各社のLMSを比較する前に、上記の項目について自社の要件を書き出してみましょう。何十社とあるベンダーがかなりスクリーニングできるはずです。
企業向けLMSとしては、以下の17のシステムをご紹介しました。
CAREERSHIP(株式会社ライトワークス)
ナレッジデリ(株式会社デジタル・ナレッジ)
学び~と(エスエイティーティー株式会社)
LearningWareシステム(株式会社プロシーズ)
Leaf(株式会社インソース)
コーナーストーン(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社)
iStudy LMS(株式会社ODKソリューションズ)
SumTotal(サムトータル・システムズ株式会社)
Multiverse(ネットラーニング)
Generalist/LM(東芝デジタルソリューションズ株式会社)
Platon(ロゴスウェア株式会社)
eden LMS(エデン株式会社)
Coursebase(コースベース株式会社)
LMS365(株式会社ソフィア)
GLOPLA LMS(株式会社グロービス)
AirCourse(KIYOラーニング株式会社)
playse.(株式会社manebi)
また、ここからピックアップする形で、目的別のおすすめLMSをご紹介させていただきました。新規導入にせよ、リプレイスにせよ、選定にあたっては比較サイトだけに頼らず、ベンダーから積極的に情報を得ていくことが大切です。
比較すべきベンダーを一番よく知っているのはベンダーです。興味のあるベンダーを見聞きしたら積極的に問い合わせをしていくとよいでしょう。
LMSはあなたの会社の人材育成に大きな可能性をもたらします。この記事が、最適なLMSベンダー探しのお役に立ちましたら幸いです。
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[1] ProFuture株式会社/HR総研「【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート」,https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=321(閲覧日:2023年2月10日)