LMS(学習管理システム)の比較ポイント8つを詳しく解説【企業向け】

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LMS(学習管理システム:Learning Management System)とは、eラーニングやオンライン研修などを行うための機能を有したシステムです。学習状況を可視化したり、学習履歴(データ)の蓄積や活用ができたりすることから、主に企業や教育機関で多く利用されています。

そんなLMSを自社に導入するにあたり、比較サイトなどを覗いて情報量の多さに困惑したことはありませんか?
実は、自社にとって最適なLMSを探すには、単純な一覧表や比較表では見極められないのです。

HR総研が実施した「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート[1]によると、中堅社員研修の運営上の課題として、「人事・教育担当のリソース不足」と「実施効果の測定ができていない」がともに最多で37%となりました。

このことから、企業のLMSに重要なのは「担当者のリソース軽減」と「効果測定の精度」と言えるでしょう。

LMSを検討する際、まずは「研修運用を担当者12で回したい」「各部門ごとに、人事や情シスを挟むことなく自律的に研修を行ってほしい」など、LMS導入の目的や実現したいことを明確にし、自社にとって必要な大枠の条件を決めましょう。それから条件にあった候補を並べて比較に入る方が、少ない労力でフィットした選択ができるのではないでしょうか。

そこで本稿では、LMSの比較において、事前に検討したい項目(条件の候補)をご紹介します。

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LMSの概要や、eラーニングとLMSの違いについて知りたい方は下記のコラムを参考にしてください。

下記コラムでは、LMSベンダーである当社がお客様からよくいただくご質問をリストアップしています。LMSを選ぶにあたってベンダーに確認すべきことが知りたい方は、こちらを参考にしてください。

1. LMSの性能・機能についての比較ポイント4つ

LMSを比較検討する際に、まっさきに気になるのは「性能・機能」についてではないでしょうか。世の中には様々なLMSがありますが、大切なことは、「自社が求める要件に即しているか」という視点を持つことです。誰にとっても最適である製品はなく、企業規模や用途、社内規定などによって求められる「性能・機能」は様々ですので、以下に記載するポイントを参考に検討してみてください。

1-1. 総合的な人材育成に適したLMSかどうか

企業が探しているのは「企業向けのLMS」です。そして、利用目的が人材育成ということなら、どんなジャンルの教育にも使える自由度の高さ、多彩な機能が求められます。ある目的のために作りこまれたシステムよりも、「箱」に近いものの方がよいわけです。

最近のLMSはeラーニング以外の機能で差別化を図る傾向にあり、以前に比べて実に多彩な使い方が提案されています。
例として、ライトワークスのLMS「CAREERSHIP」は、次のような機能を備えています。

  • eラーニング機能  :eラーニングの配信を行える機能
  • 研修管理機能  :集合研修の予約申請やスケジュール管理などを行える機能
  • 動画配信機能  :動画教材をストリーミング配信する機能。リアルタイムで配信するWEB会議システムとの連携も可能
  • コース管理機能  :eラーニングや集合研修など、複数の施策を組み合わせた研修を作り、実施する機能
  • アンケート・レポート機能  :アンケートやレポートを作成、配信し、回答を集める機能
  • スキル管理機能  :階層や職種等に応じて必要なスキルセットを定義し、個別の進捗状況を管理する機能
  • 個人データベース機能  :個人の学習履歴や保有資格情報などを登録し、一覧化する機能
  • SNS機能  :社内SNSとして、コミュニケーションを促したり、ソーシャルラーニングに活用したりできる機能
  • eラーニング教材作成機能  :パワーポイントなどの社内資料を基にeラーニングを作成する機能
  • コミュニケーション機能  :事務局から学習者にインフォメーションやメッセージを配信する機能

LMS=eラーニングというイメージのみでシステムを探すと、後で機能不足に悩むことになりかねません。eラーニング以外の機能の存在を把握し、改めて自社の人材育成上の課題や活用イメージに当てはめてみて、条件に追加していくとよいでしょう。

一方で、LMSには、英語教育や資格教育など、特定の教育用に設計されたものや、テストやマニュアルの作成・配信など、特定の業務の効率化を目的としたものもあります。人材育成に広く使いたいなら、このタイプのLMSは初期段階で除外してよいでしょう。

逆に、もしもLMSの導入目的がずばり「英語オンリー」なら、その分野に特化して開発されているシステムの方がメリットが大きいとも考えられます。この場合はすぐに比較に入れます。

ただし、いずれの場合でも、LMSの運用をつつがなく行うための性能は重要です。例えば以下のような要素が挙げられます。

  • マルチデバイス対応しているか
  • 多言語対応しているか
  • セキュリティへの配慮は十分か
  • 人事データベース連携が可能か
  • シングルサインオンが可能か

このあたりもスクリーニング材料になるでしょう。

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1-2. 運用規模は想定と合っているか?

次なるスクリーニング条件は、運用規模です。運用規模は、LMSを利用可能なユーザ数(ID数)で決まります。比較サイトには推奨利用人数が書かれている場合と書かれていない場合がありますが、自社の想定利用人数と合わないものは除外してしまってよいでしょう。

1-3. eラーニングの標準規格に準拠しているか?

LMSの主要な機能であるeラーニングには標準規格があり、現在一般的な企業で使われているeラーニングの多くは「SCORM1.2」または「SCORM2004」に準拠しています。これに準拠していれば、異なるLMS間でも教材や学習履歴の移行が可能です。仮に今自社で運用しているLMSが「SCORM1.2」または「SCORM2004」に準拠している場合、同じ規格のLMSを選べば教材や学習履歴を維持できるということです。また、将来的にLMSを変更する必要が生じた場合への備えにもなりますので、必ずチェックするようにしましょう。

1-4. クラウドか?オンプレミスか?

次に注目すべきは提供形態です。最近はクラウドサービスが一般的で、何も障壁がなければこちらをお奨めします。

でも、もしもあなたの会社が外部インターネットに接続できない環境なら、話は別です。この場合は「オンプレミス」という形態での提供が可能なベンダーを選ぶ必要があります。オンプレミスというのは、社内で利用しているサーバーにLMSをインストールし、イントラネット経由で配信する仕組みです。自社のネット環境が分からない場合は、情報システム部門に確認しましょう。

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2. LMSの運用についての比較ポイント3つ

LMSは導入して終わりではなく、導入してからが本当のスタートです。そのため、いざ運用を始めてから色々な問題が出てしまっては、LMSを入れた甲斐がありません。導入の前に、運用するときを見越して検討を進めることをお勧めします。

2-1. eラーニング教材(コンテンツ)は調達可能か?

LMSだけあっても教育施策は展開できません。LMSベンダーの多くは教材コンテンツ(eラーニング)も提供しています。教材の調達方法にあてがない場合は、どんなラインナップがあるか、確認しておくとよいでしょう。もっとも「1-3. eラーニングの標準規格に準拠しているか?」で述べたとおり、標準規格に準拠していれば、あるベンダーが提供しているLMSに別のベンダーが提供している教材コンテンツを登録し、運用することも可能です。

詳しく見る ▶  ライトワークスのeラーニング教材

関連 ▶ eラーニング教材(コンテンツ)は購入すべきか自作すべきか? 自社の教育体系に合わせた調達法

2-2. eラーニング教材の作成は可能か?

最近はコストとスピードを重視して、自社でeラーニング教材を作る会社が増えています。これを受け、LMSベンダーの各社が教材作成機能の付与、または、教材作成ツール(内製支援ツール)の提供を行っています。自社で教材を作成したい場合は、それらの有無をスクリーニング条件に加えるとよいでしょう。自社で教材を作成する体制が整えられれば、教育施策内容の自由度が格段にアップしますし、将来的に大きなコスト削減につながります。ぜひ検討をお奨めします。

詳しく見る ▶  ライトワークスのeラーニング教材作成ツール

関連 ▶ 自社で作るeラーニング オリジナル教材の作り方 [仕様書サンプル付]

2-3. 運用サポートの有無

「導入して終わり」ではなく、その後の運用についてもしっかりサポートしてくれるベンダーを選びたいものです。有償か無償かはさておき、導入後のメンテナンスやヘルプデスク、運用業務のアウトソースといったサービスを行っているベンダーを選ぶことをお奨めします。

詳しく見る ▶  ライトワークスのサポート体制

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3. LMSの価格についての比較ポイント

最後に、最もわかりやすい比較ポイントが価格です。価格は一見比較が容易であるため、まずはこの条件で絞り込もうという方も多いかもしれません。しかし、安易に価格だけで比較してしまうのはお勧めできません。その理由を以下に記します。

3-1. 価格はどうか?

極端に低コストを希望するのでなければ、この時点ではあまり価格情報は参考にしない方が無難です。というのも、多くの場合LMSの費用は「初期費用」と「月額利用料」に分かれていて、特に利用状況に応じて毎月変動する「月額利用料」のコストは、もっと要件を絞り込んでみないと想定できないためです。そもそも比較サイトへの掲載の仕方や掲載有無もベンダーによって異なるので、同じ条件で比較することもできません。また、価格の部分は交渉次第というところもあります。最初から価格を条件にしてしまうと、自社に適したLMSが検討から漏れてしまいかねません。

それよりも、まずは「自社の人材育成に必要な条件」を備えたベンダーを絞り込み、情報提供や概算見積を依頼した方が近道です。

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企業向けLMSの費用や機能などを比較したコラムはこちら。情報収集にお役立てください(当社が運営する自社メディアに遷移します)。
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4. まとめ

いかがでしたか?
LMSの比較サイトを上手に使いこなすために必要な視点をご紹介してきました。

  • LMSの性能・機能について
    • 総合的な人材育成に適したLMSかどうか
    • 運用規模は想定と合っているか?
    • eラーニングの標準規格に準拠しているか?
    • クラウドか?オンプレミスか?
  • LMSの運用について
    • eラーニング教材(コンテンツ)は調達可能か?
    • eラーニング教材の作成は可能か?
    • 運用サポートの有無
  • LMSのコストについて
    • 価格はどうか?

各社のLMSを比較する前に、上記の項目について自社の要件を書き出してみましょう。何十社とあるベンダーがかなりスクリーニングできるはずです。

もっとも、本文でも述べたとおり、価格はこの段階では検討材料としないことをお奨めします。LMSは人材育成上の課題を解決するためのツールです。最初から価格にこだわって選択肢を狭めるよりも、課題解決思考でベンダーとコミュニケーションし、必要な交渉を行っていく方が合理的といえるでしょう。

その意味でも、比較サイトだけに頼らず、興味のあるベンダーを見聞きしたら積極的に問い合わせをしていくとよいでしょう。比較すべきベンダーを一番よく知っているのはベンダーですから、彼らから情報を引き出す方が確実です。

LMSはあなたの会社の人材育成に大きな可能性をもたらします。この記事が、最適なLMSベンダー探しのお役に立ちましたら幸いです。

 

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[1] ProFuture株式会社/HR総研「【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート」,https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=321(閲覧日:2023年2月10日)

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