LMS(学習管理システム)とは -eラーニングシステムを超えた学習プラットフォーム-

上記の通り、LMSは「学習管理システム」のことです。

企業の人材育成において、2000年代前半から徐々にeラーニングが活用されるようになってきましたが、2020年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るって以降、eラーニングへの注目は一気に高まりました。
特に日本では「集合研修」を重視し、eラーニングはあくまでその補完と考えている企業も多かったのですが、その状況が変わりつつあります。

そして、eラーニングへの注目の高まりに伴って、eラーニングを配信するシステムであるLMSへの関心が高まるようになりました。

しかし、eラーニングとLMSの関係性について、いまいちよくわからないという声は多く聞かれます。eラーニングはオンライン学習の総称ですが、LMSは学習管理システムであり、eラーニングを含む、組織におけるあらゆる「学習」を管理するためのシステムです。

具体的には、
・集合研修を管理したり、アンケートやレポートを改修したりする
・学習履歴や資格情報を登録して人材データベースのように使う
・従業員間でのディスカッション等をオンラインで行う
・従業員のスキルアップのプロセスを管理する
といったことを一つのシステムで実現でき、企業における「学習のプラットフォーム」になっているのです。

このコラムは、LMSについて知りたい方のために、次の2つのパートで構成しています。

●入門:LMSに関する基本的な情報をまとめています
 1. LMSの意味と役割
 ・2. LMSの機能
 ・3. LMSのメリット
 4. LMSの使い方

●発展:実際にLMSの導入を検討したい方向けに、少し深く掘り下げた内容です
 5. LMSのトレンド
 6. LMSの導入方法・選び方

ご自身の興味のある章だけを読んでいただいても理解できる構成にしておりますので、是非ご活用ください。


1.LMSの意味と役割

この章では、LMSに関する基本的な内容を解説します。

1-1.LMSとは何か?

LMSは「エルエムエス」と読みます。Learning Management Systemの略で、日本語では「学習管理システム」と呼ばれます。

LMSは、「学習」を「管理」するという名の通り、もともとはeラーニングコンテンツを学習者に配信したり、学習履歴をデータとして管理したりすることを目的として開発されたシステムです。

しかし近年では、単なる「eラーニング配信システム」ではなく、企業における学習を促進および管理するために必要な機能を総合的に備えたプラットフォームとしての開発が進んでいます。

例えば、
・集合研修を管理する機能やアンケート、レポートを回収する機能
・学習履歴や資格情報を登録して人材データベースのように使う機能
・従業員間でのディスカッション等をオンラインで行えるSNS機能
・従業員のスキルアップのプロセスを管理する機能
などを搭載し、様々な学習プログラムを多角的に支援することができます。(LMSの機能の詳細については「2. LMSの機能」をご参照ください。

LMSはもはや学習を効率化するだけではなく、「点」としての学習をつなげて「線」とし、より計画的なスキルアップやキャリア開発を行っていくために活用されているのです。

LMSの活用によって学習を加速させ、従業員の知識レベルやスキルが向上すると、業務効率の改善はもとより、モチベーションアップエンゲージメントの確立につなげていくことができます。働き方改革や新型コロナウイルス対策で一気に普及したテレワークなど、「新しい働き方」が求められている昨今、企業における学習も従来型の集合研修やOJT偏重の状況から脱却する必要があり、LMSはその変革の強い味方と言えます。

【LMS(学習管理システム)の領域拡張イメージ】

豆知識①:教育と生産性

内閣府による平成30年度の年次経済財政報告によると、企業が教育投資を1%増加させると、労働生産性が0.6%向上するとされています。
また、同年の厚生労働省による労働経済分析では、企業がOFF-JTや自己啓発に投資すると、翌年の売上高・労働生産性に統計的に有意な伸びが見られるとされています。つまり、教育投資と生産性は相関するのです。

参考)
内閣府『平成30年度 年次経済財政報告』p.176. https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/index_pdf.html
厚生労働省『平成30年版 労働経済の分析』p.128.https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/dl/18-1.pdf

1-2.LMSの種類

LMSは、どこに設置されたサーバーを利用するかによって、大きく二つに分けられます。

1.オンプレミス
自社の環境にサーバーを用意し、そこにLMSのアプリケーションを導入(インストール)する方式です。推奨される環境は、LMSによって異なります。その環境仕様に基づいて、LMS用のサーバーを構築し、さらにサーバーが適切に稼働しつづけるためのメンテナンスを実施していくことが前提となります。

2.クラウドサービス
eラーニングベンダーのサーバー上にあるLMSに自社専用のサイトを構築し、インターネットを経由してアクセスする方式です。

かねてより、企業の基幹システム、業務システムはクラウド化が進んでいます。LMSについても、2015年に初めてクラウドサービスの市場規模がオンプレミスを上回りました

その後、2018年には内閣府が「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」を発表。官公庁においてもシステムのクラウド化が本格化したことを受け、この流れは加速しており、2020年度のLMS市場規模においては、クラウドサービスがオンプレミスの5倍以上になると予測されています(※)。

クラウドサービスにすると何が良いのでしょうか。最大のメリットは、システムの管理をベンダーがやってくれることです。アクセス数やシステムの監視、トラブル対応、セキュリティ対策、アップデートなど、オンプレミスなら社内のリソースを割かなければならないところが、全てアウトソーシング前提のサービスなのです。

また、当然ながらサーバーなどインフラ面の調整が不要な点もメリットです。ユーザー企業側にはLMSを利用する端末さえあればOKです。

【クラウドサービスによるLMS利用】

(※)株式会社矢野経済研究所「eラーニング/映像教育ビジネスレポート2020」

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2.LMSの機能

近年のLMSには、企業における学習に活用できる様々な機能が付いています。例として、ライトワークスのLMS「CAREERSHIP®」の主な機能をご紹介します。

2-1.学習プログラムを実行する機能

eラーニング機能
  :eラーニングの配信を行える機能

研修管理機能
  :集合研修の予約申請やスケジュール管理などを行える機能

動画配信機能
  :動画教材をストリーミング配信する機能。リアルタイムで配信するWEB会議システムとの連携も可能

コース管理機能
  :eラーニングや集合研修など、複数の施策を組み合わせた研修を作り、実施する機能

アンケート・レポート機能
  :アンケートやレポートを作成、配信し、回答を集める機能

・スキル管理機能
  :階層や職種等に応じて必要なスキルセットを定義し、個別の進捗状況を管理する機能。自身のスキルの「現在地」と「目標」、および目標に到達するまでのプロセス(どんなスキルを身に付ければよいか)を視覚的に確認できる「キャリアマップ」も作成可能

・個人データベース機能(キャリアカルテ)
  :個人の学習履歴や保有資格情報などを登録し、一覧化する機能

・SNS機能(ルーム)
  :社内SNSとして、コミュニケーションを促したり、ソーシャルラーニングに活用したりできる機能

・eラーニング教材作成機能(eStudio)
  :パワーポイントなどの社内資料を基にeラーニングコンテンツを作成する機能

こういった機能を活用して様々な学習プロクラムを実施し、その結果や履歴をデータとして蓄積していけるのがLMSの特徴です。

2-2.運用を支援する管理機能

LMS(学習管理システム)には、運用をサポートする様々な管理機能が付いています。これらを使いこなすと、利用を促進したり、各種のプログラムを効率的に管理することができるようになります。

・ガジェット管理
 :ユーザーのトップ画面に各種メニューをどのように配置するか、レイアウトを自由に決めることができます。

・言語管理
 :日本語、中国語、英語など、LMS上で使用したい言語をユーザーごとに選択できます。

・メール配信管理
 :色々な目的でユーザーにメールを配信することができます。通常、メールはテンプレートなどを活用しながら事前に作成し、時間その他の条件を満たした時点で自動配信されるようにセットしておきます。主なメールは以下のとおりです。
 -アカウント通知メール
  :ユーザーにIDやパスワードを知らせるメールです。
 -パスワードリマインドメール
  :パスワードを忘れてしまったユーザーに送られるメールです。
 -開講通知メール
  :学習プログラムの開始を知らせるメールです。研修のガイダンスや注意事項、操作マニュアルなどを案内できます。
 -チアアップ/リマインドメール
  :学習を促すためのメールです。決められたタイミングや、eラーニングの進捗率に応じた段階的な配信も可能です。
 -承認依頼メール
  :LMS上で何らかの申請が行われた場合に、承認者に配信されるメールです。

・FAQ管理
 :よくあるお問い合わせについて、事前に回答を用意しておきます。内容としては、LMSの操作方法や研修の実施に関するものがメインとなります。ユーザーは画面内のFAQボタンから閲覧します。

・問い合わせ管理
 :FAQでは解決しなかった問題について、問い合わせを受け付けるためのフォームです。管理者にメールが届くので、それに回答します。

・メッセージボード(インフォメーション)管理
 :ユーザーのトップ画面に表示される掲示板です。管理側では、ユーザーがメッセージをきちんと見たかどうか、既読/未読のチェックができます。

・ポイント管理
 :eラーニングや集合研修を受講するためのポイントをユーザーに付与し、チケットのように使ってもらう機能です。カフェテリアプランを想定しています。工夫次第で、学習施策にゲーム的な要素を取り入れることも可能です。

・アクセス制限管理
 :eラーニングへのアクセスに制限をかける機能です。eラーニングは「いつでもどこでも」が売りですが、会社のセキュリティポリシーや教材の内容により、社外での閲覧を不可としたい教材もあるでしょう。こうした場合に、アクセス可能なIPアドレスを教材ごとに制限し、例えば社内のパソコンからしかアクセスできないようにするといった対策が可能です。

・人事データベース連携
 :自社の人事データベースとLMSを連携させることで、ユーザー情報を登録したり更新したりする手間が省けます。また、属性情報と学習履歴を突合した集計や分析が可能になります。必要性は運用規模によりますが、ユーザー数が2000を超えるような大規模な組織では連携の有無はとても重要な要素です。

・シングルサインオン連携
 :個人アカウントで利用されている別のシステム(例えば社内ポータル)の存在が前提となりますが、そのシステムを経由してLMSにも自動的にログインできるようにするものです。学習者はIDやパスワードの入力の手間が省けるので、学習に至るまでのハードルが下がり、学習促進効果が期待できます。

豆知識②:一つ上の選択、BPO

LMSの利用目的が多角化してくると、大きく二つの課題が出てきます。

1つ目は、学習プログラムの増加です。
例えば、業務部門が個別に教育担当者を立てて独自の施策を展開するようになると、学習は加速しますが、人材開発部門による全体の管理は難しくなってきます。各部門からの要望や提案を吸い上げたり、施策を実現するための運用設計を検討・案内したりするのも大変です。

2つ目は、システムの管理・運用業務の増加です。
利用する組織や人数が増えると、権限の設定やセキュリティ上の課題に対処する必要が出てきますし、登録アカウント数やコンテンツ等のデータ量は月次ライセンス料に直結します。効率的な運用管理を行うためには、全体をウォッチしている存在が必要なのです。

こうした課題は、導入時には見えていなくても、運用が進むにつれ必ず顕在化してきます。人材開発部門は、LMS導入当初の目的は果たせても、利用範囲が拡大するにつれ想定していなかった業務、本来なかった業務に追われることになりかねません。

これを解決するのが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。

LMSの運用に関する専門領域をベンダーのカスタマーサポートにアウトソーシングすることによって、以下のようなメリットが得られます。

・各種施策で必要な設定や学習者対応(利用ガイダンス、問い合わせ対応等)、レポーティング業務等を全て代行してもらえる
・担当者(人材開発部門、業務部門とも)のシステム理解やマニュアル整備等に関する負担が減少する
・担当者が異動になってもLMSの運用に関する引継ぎが不要、かつ知見のヌケモレが防げる
・システムの運用状況をウォッチしてもらえる
・人材開発部門や教育管理者は施策の設計や改善等、コア業務に専念することができる

その他にも、eラーニングコンテンツの内製作業を依頼したり、学習者向けに電話窓口を設置したいが社内リソースでは不安、といった場合に外部リソースとして安定的に活用したりすることができます。これも、戦略人事の強い味方となるでしょう。


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eラーニングや研修管理、アンケート配信、社内SNSなど、人材育成に必要なあらゆる機能を網羅し、 大企業の膨大なアクセスや複雑な組織形態、多様な教育施策に対応できる数少ないシステムです。

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3.LMSのメリット

LMSは単にeラーニングの配信システムとしてとらえられがちですが、LMSを使いこなすことによって得られるメリットはeラーニングを実施できること以外にも様々あります。以下に、そのメリットをまとめました。(「eラーニングのメリット」については下記の記事をご参照ください)

●人材育成のあらゆる施策が一つのシステムで実行・管理できる
2. LMSの機能」でもご紹介しましたが、昨今のLMSにはeラーニング機能以外にも集合研修管理機能、アンケート機能、スキル管理機能など、企業における学習にまつわる様々な機能が搭載されています。

LMSは人材育成のICT化の中核を担うシステムとして、あらゆる学習プログラムを推進し、さらに、いつ、だれが、どのような学習を行い、どのような結果だったかを可視化および保存します。従業員の成長を点ではなく線で管理し、これを介して組織の成長を促すことができるのは、LMSの大きな魅力です。

●学習プログラムを自動化できる
eラーニングの配信や集合研修の出欠管理など、学習プログラムに付随する煩雑な業務は多数あります。LMSは、それらの大部分を自動化できるシステムです。

例えば、LMSを使うと次のような自動化が可能です。
・新入社員が入社して1週間後に「ビジネスマナー」のeラーニングを配信する
・集合研修の開催3日前に「参加」ステータスになっている人にだけリマインドメールを送る
・集合研修の終了翌日にアンケートを配信し、1週間後に未提出者にのみフォローメールを送る

したがって、人材開発担当者は煩雑な作業をシステムに任せて、学習プログラムの検討など、コアな業務に集中することができます。

●大人数や、世界中の拠点に同等の学習プログラムを提供可能
LMSはインターネット回線さえあればどこでも利用できます。また、対象者は何百人でも、何万人でもかまいません。多言語対応、マルチデバイス対応も今では当たり前になっています。日本企業のグローバル進出が進む中、海外拠点での教育展開は大きな課題の一つでしょう。

LMSを使えば、全社教育は国内の本部から、業務教育は各拠点の教育管理者から、などの柔軟な施策でも、同じシステムを経由して簡単に提供することができます。

※中国については少々事情が異なります。中国のLMS事情については「豆知識④」をご参照ください。

●学習に関する様々なデータを収集できる
LMSのデータベースには、学習者が行った各種学習の結果が履歴情報として保管されます。
例えばeラーニングであれば学習の進捗率やテストで取得した点数、アンケートであれば回答内容、レポートであればその文章、などです。

また、学習履歴に加えて個人のスキルや経歴などを登録できるLMSの場合は、それらの情報をタレントマネジメントに活用できます。どんなスキルや知識、資格を持つ人材がどの組織にいるのかをリアルタイムで把握し、これを元に、配置の検討や組織横断的なプロジェクトチームの立ち上げなどを効率的に行うことが可能になります。

そして何よりも、こうした情報は、次の学習プログラムの検討に役立ちます。着実な人材育成はPDCAサイクルを脈々と回し続けていくことによって可能になります。今後どんな目標を立て、どんな学習機会を提供すればよいか。そのために必要な施策は何か。こうしたプランニングの材料となるデータを、LMSが提供してくれるのです。

豆知識③:組織管理機能を制す者は運用を制す

組織管理機能というのは、LMS上でユーザーの集団を管理する機能です。

企業がLMSを活用するにあたっては、現実の組織情報をそのままLMSに登録すると運用しやすいため、LMSの組織情報には、部・課・チームなど、実際の組織の階層構造を登録できるようになっています。さらに、事業部や支店、グループ会社なども登録し、全国・全世界の拠点をシステム上で再現して管理・運営している企業もみられます。

例えばeラーニングの場合、登録されている大小の組織を指定して配信対象としたり、様々な属性で個人を抽出し、個別に指定したりすることも可能です。この機能を使いこなすことで、「必要な施策を必要な対象に」しっかりと届けることができるのです。

ここで注意する必要があるのは、大規模な組織で一つのLMSを運用する場合、たとえ組織構造が複雑であったとしても、きちんとその構造をシステム上に再現でき、また、想定する配信設定などに柔軟に対応できるLMSを選定する必要があるということです。現実に、せっかく導入したシステムがこのようなLMSとしての基本的な要件を満たせず、短期間でリプレイスになってしまうケースがしばしば見受けられます。

【様々な単位の組織に施策を届けるイメージ】

なお、大規模な組織で一つのLMSを運用する場合、セキュリティの問題が気になるところかと思います。

例えば、あるグループ会社の教育管理者に他のグループ会社の個人情報が見えてしまうのではないか、支店の教育管理者が本部で準備中の施策内容を見てしまうのではないか、eラーニング教材に含まれる秘匿性の高い技術情報を他部門の人間が漏洩させるリスクはないか・・といったことなどが考えられます。

しかし、こういったリスクにもLMSは対応することができます。LMS内における組織や権限の設定次第で、上記のような課題には充分対処することができるのです。したがって、組織管理機能を使いこなすと、大小様々な施策を、対象を見定めて自由に展開することができるのです。

豆知識④:中国に展開する場合はご注意を

日本企業の海外進出先としてまず浮かぶのは中国だと思います。もちろん中国には中国のLMSがありますが、日本の本社と同じLMSを使えば、日本と同じ学習プログラムや人材育成のスキームを持ち込めるので合理的です。

商社や小売業、製造業などでは、日本を起点として、コンプライアンスや接客サービス関連のeラーニングコンテンツが積極的にグローバル配信されています。中国国内の拠点に出向している日本人社員はもちろん、現地採用のスタッフ層にまで、国内と同等の教育を届けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。

ただ、中国にはグレートファイヤーウォール(金盾)という監視網があり、日本からのコンテンツ配信が安定しないという問題があります。特に動画配信は、実用に耐えられるレベルでは運用できない状況です。

よって、中国国内の拠点で日本と同じLMSから教材の配信などを行うには、現地にサーバーを確保し、配信できる体制の構築が必要です。そのためには、現地に専用の法人を立てるか、中国国内に配信拠点を持つLMSベンダーを探すといった対応が必要になります。

>>ライトワークスの中国法人についてはコチラ

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4.LMSの使い方

LMSの機能などは何となくわかっていても、実際にどのように使うのかいま一つイメージがつかない、という方は多いのではないでしょうか。こちらはライトワークスのLMS「CAREERSHIP®」のユーザー用トップ画面のサンプルです。こちらを例にして、LMSの使い方をイメージしていただければと思います。

【CAREERSHIP®のトップ画面例(ユーザー)】

(1)Myデータ
LMSにはユーザーの所属、階層、その他たくさんの属性情報が登録されています(※)。そのうちどの情報を表示するかを設定すれば、「自分」の基本情報がこのように表示されます。また、登録した写真を利用してログイン時に顔認証を行うことも可能です(オプション)。

(※)人事データベースとシステム連携している場合、ユーザー情報は自動的に登録・更新されます。

(2)学習アイテム進捗
ここには、eラーニングや集合研修など、自分に割り当てられている学習アイテムの進捗状況が表示されます。実際には学習アイテムごとに推奨レベル(必須か任意かなど)が異なるので、評価の仕方は様々ですが、自分に今何個の学習アイテムが割り当てられていて、そのうち何個に着手していて、何個は手付かずである、という情報が視覚的に分かります。

(3)注目リスト
こちらには、学習アイテムが「必須」や「新着」、「お気に入り」といったステイタスごとに分類表示されます。優先順位が高いものや、新しい施策が随時確認できれば、学習の促進にもつながります。

(4)インフォメーション
こちらには、事務局や教育管理者からのメッセージが表示されます。例えばメンテナンスのお知らせ、アイテムのリリース通知などです。

(5),(6)メッセージボード
こちらは、目的に応じて見出しと内容を調整することで、様々な情報発信が可能になります。

例えば(5)の「キャリア成長支援コンテンツ集」では、ビジネスパーソンに役立つ様々な情報コンテンツを紹介しています。ビジネス関連の情報サイト、ためになるブログサイト、業界のニュースサイトなどが想定できます。導入を機に社長にブログを立ち上げてもらい、ここからアクセスできるようにするといった施策も、エンゲージメントの向上に役立つかもしれません。

(6)の「自己啓発支援プログラム」には、従業員が自己啓発に活用できるプログラムが表示されています。社内ポータルや外部サイトなど、自社が提供可能な、または推奨する各種サービスを紹介しています。eラーニングや集合研修よりもソフトな「情報発信」という形で従業員の自発的な成長を後押しできるので、おすすめのプランです。

(7) メインメニュー
こちらの画面サンプルにある「スキル管理」や「ルーム(CAREERSHIPのSNS機能)」など、研修やキャリア開発のための具体的な学習プログラムに当たる機能群です。

いかがでしたか?従来のLMSとは、ずいぶんイメージが違ったのではないでしょうか。LMSは、従業員の成長を支援する総合学習ポータルとして、進化を続けているのです。

豆知識⑤:見た目って大事!

上にサンプルを挙げたトップ画面はダッシュボードのような位置付けで、管理者はガジェット機能を使って自由にレイアウトを組み変えることができます。

Webの文化が発達し、ユーザー(従業員)の目も肥えてきています。ユーザビリティとデザインの両面でそれなりの品質のものを用意しないと、アクセス数の低下や学習意欲の減退を招いてしまう可能性があります。

したがって、LMSにおいても、直感的に操作しやすいデザイン性や、あらゆるデバイスでアクセスしても最適に表示されるレスポンシブデザインなど、純粋な機能以外の部分の重要性が高まってきています。



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5.LMSのトレンド

ここではLMSのトレンド情報の概要をご紹介します。

●eラーニング以外の機能が充実し、学習ポータルとして利用できる
かつてはLMS=eラーニングでしたが、今では集合研修やアンケートの管理機能、SNS機能、スキル管理や個人データベース(キャリアカルテ)機能など、企業における学習施策を総合的に支援する様々な機能が搭載されています。
>詳細は「2. LMSの機能」をご参照ください。

eラーニングやその他の機能を使いこなし、管理者側からの情報発信を積極的に行うことで、LMSを学習ポータルとして活用することができます。スポット的に行われる学習プログラムを実施するためだけでなく、情報を得るために日常的にLMSにアクセスし、自身の成長に役立ててもらうサイクルを作ることができれば、「学ぶ組織」の醸成につながります。
>詳細は「4. LMSの使い方」をご参照ください。

●多言語対応・マルチデバイス対応は当たり前
個人の多様な利用条件に対応するべく、LMSの多言語化や、スマートフォンやタブレットでもアクセスできるマルチデバイス化が進んでいます。日本企業の海外進出、外国人労働者の流入などを想定し、システム管理者が都度設定するのではなく、ユーザーが自由に選択できる形が当たり前になってきています。

●クラウドサービスが多数派に
LMSの新規導入やリプレイスにおいては、クラウドサービスの利用を選ぶ企業がほとんどです。管理・コスト面でのメリットも大きいですし、社外から好きなときにシステムにアクセスできるので、学習ポータルとしての利用促進につながります。

●ユーザーインターフェースが重要に
近年、スマートフォンの普及とともに優れたデザイン性や、直感的な操作性のアプリケーションに日常的に触れる人が増え、業務で使用するシステムにおいても、洗練されたユーザーインターフェースを求める声が大きくなっています。それによって、学習に対するモチベーションの向上や、学習のハードルを下げることにも繋がり得るため、決して無視できない要素になっているのです。

●システム連携で運用を効率化
LMSと人事データベースを連携してユーザー情報を自動更新したり、社内ポータルと連携してシングルサインオンを可能にしたりすることで、運用の効率化を図る企業が増えています。背景には管理者の負担軽減もありますが、情報をより多く収集・集約するという狙いもあります。人材育成の分野にも、データ活用という視点が入ってきているのです。

●ビジネス・インテリジェンス(BI)の活用
自社の目的に応じたBIツールを作り、LMSに蓄積されるデータや、他のシステムとの統合データを解析して、経営判断に役立てます。例えば、若手の成長度合いや学習プログラムの進行状況をグラフや表にし、サマリーとして役員向けのポータル画面に表示する、といった施策が考えられます。

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6.LMSの導入方法・選び方

LMSの選定方法は、一般的なシステムの場合と同じです。具体的には、以下のようなステップで進めます。

6-1.情報収集

LMSに関する情報収集は、社内と社外、それぞれを対象に行います。

社内の情報収集は、要望のとりまとめがメインです。選定ポイントを明確にするために、「現在の運用上の課題」や「求める機能要件」などについて情報をまとめます。

一方、社外の情報収集は、LMSベンダーに関することがメインとなります。主としては、「製品情報(機能・ユーザビリティ )」「事例情報(導入効果・実績)」「サポート情報(運用代行、ヘルプデスク)」「概算費用(価格)」等の情報を収集すると、比較がしやすくなります。

なお、必要な情報を確実に得るために、「情報提供依頼書(Request For Information, RFI)」を作成してベンダーに情報提供を依頼する例が多く見られます。

6-2.企画立案/予算申請

社内から収集した情報を整理して、LMS導入の企画書を作成します。一般的なシステム導入で活用される「提案依頼書(Request For Proposal, RFP)」で情報を整理するのも良いでしょう。

その際、機能要件リストを作成することがおすすめです。自社に必要な機能をリスト化することで、ベンダーとのコミュニケーションがしやすくなりますし、検討モレを防ぐことができます。

LMS(eラーニング)機能要件リストをご提供

RFP(提案依頼書)作成時にも役立つ機能要件リスト
これまで1,400社以上のLMS(eラーニング)導入に関わってきたライトワークスが、選定時に確認すべき代表的なポイントをリスト化しました。ぜひご活用ください。


6-3.ベンダーの選定

ベンダー選定では、ベンダー比較表をもとに、技術点と価格点を総合して判断する流れが一般的です。
ベンダー比較表に特定のフォーマットがあるわけではありませんが、例えば評価要件を縦軸に、候補ベンダーを横軸に並べます。評価点を決め、資料や打ち合わせの結果を持って入力していき、合計点を比較すれば、その時点で最も評価の高い候補ベンダーが分かります。

6-4.契約締結

契約書については、各ベンダーが雛形を用意していると思いますので、提供を依頼しましょう。
当社の例では、次のような契約を締結します。
「クラウドサービスに関する業務委託基本契約書」「ライセンスを定義する個別契約書」「システム開発基本契約書(カスタマイズの場合)」

6-5.環境構築

環境構築は、ベンダーに要件を伝え、自社専用のサイトを開設してもらうステップです。
当社の例で言うと、オプション利用やカスタマイズをせず、パッケージのサービスを利用するのみなら、5日程度で環境の構築が可能です。

6-6.運用準備

LMSの環境が整ったら、運用設計を行い、サイトにデータを登録し、実際の運用を開始するための準備を進めていきます。
運用設計とは、LMSに登録する内容やその管理方法などを決め、それを実現するための設定を行う作業で、具体的には管理者に付与する権限の設定や、パスワードポリシーの設定などを行います。
当社では、運用設計に通常2週間~1ヶ月程度を見込んでいます。

6-7.運用開始

ユーザに利用案内を行い、運用を開始します。

要件のまとめ方や事例、導入ステップについて、LMSベンダーほど詳しい登場人物はいません。何社かに同じ質問を送り、一番丁寧に、想像力を利かせて回答してくれたベンダーを相談役に選び(契約するかどうかは置いておいて)、相見積もりを進めていくのも良いでしょう。

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