「第1回 CAREERSHIP User Meet Up」イベントレポート

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2022年8月5日(金)、ライトワークスが提供する統合型LMS(学習管理システム)「CAREERSHIP」のユーザー企業を対象とした初めての交流イベント、「第1回 CAREERSHIP User Meet Up」開催しました。

本イベントは、人材開発の最前線で日々奮闘される皆様が抱く不安や悩みなどを共有したり、これからの人材開発に求められることを議論したりする、「人材開発のミライ」につながるコミュニケーションの場として、また、かねてより一部のお客様にご要望いただいていた「CAREERSHIP」の活用事例を互いにシェアする場として企画されました。

自由に想いや意見を出し合い、人材開発を担うご担当者様同士のつながりを創出するため、Meet Upという形式を取り、数多くのご応募をいただいた中から今回は以下の皆様にご参加いただきました。

 

▼参加企業・メンバー(五十音順)

  • アサヒビール株式会社 経営創造本部人事総務部 担当課長 村瀬 進 様
  • 株式会社クラレ 総務・人事本部研修所研修第2グループ 谷 友宏 様
  • 株式会社サザビーリーグ 戦略人事部組織開発課 課長 志水 聡子 様
  • 水ing株式会社採用・研修部 北澤 由香 様
  • 大日本印刷株式会社 人財開発部専門人材開発グループ リーダー 渡邊 和昭 様
  • 能美防災株式会社人材開発室 栁瀬 悠子 様
  • 株式会社富士薬品 執行役員 人事部長 森島 將人 様

 

また、ライトワークスからはビジネスソリューション本部の櫻井康一が参加しました。櫻井は「CAREERSHIP」のユーザー企業でもある株式会社JTBにて人材開発全般の企画を担当していましたが、多くのエンタープライズ企業にLMSを提供するライトワークスで人材開発に携わることで、日本の人材開発を前進させ、それがJTBにも資するだろうと一念発起。2022年からライトワークスの一員となりました。今回のMeet Upではファシリテーターとして、また、残念ながら急遽ご欠席となったJTBのご担当者の代わりに同社の取り組みをシェアするという役割も担いました。

Session 1テーマ:「人的資本経営」

 

ライトワークス執行役員・ビジネスソリューション本部長 齊藤 心吾からの開会のご挨拶、参加者の皆様の自己紹介の後、早速1つ目のセッションがスタートしました。テーマは「人的資本経営」。人材開発・人材戦略の分野のみならず、今後の企業経営の在り方全般に関わる注目のバズワードです。

そんな「人的資本経営」に関して、Meet Up参加の各企業では、今現在、どのような捉え方・向き合い方をしているのでしょうか?一部を抜粋してご紹介します。

 

  • 経営陣を巻き込みながら健康経営と女性活躍を推進。「えるぼし」と「健康経営優良法人」認定を取得できた。ようやく「人的資本経営」でいうところの「経営戦略と人材戦略の連動」や、キャリア自律支援に取り組むためのスタートラインに立てた。
  • ホールディングスの立場で「経営戦略と人事戦略の連動」を考えると、自分たちの役割はやはり新規事業を生み出せる人材を育てるというところだと思うが、自社の得意領域の中は既にレッドオーシャンな状態。そんな中、新規事業を生み出すとなると、ITとか医療とか他業種との掛け合わせの中で新しいものを創り出していくというような発想になるのではと考えている。
    そうした時に、現在、自社内にノウハウやリソースが無いものに対して、バックキャストして次世代を担う人材育成を実現していかなければいけないというのはものすごく難しいと感じている。
  • 「人的資本経営」については役員層では議論されているのかもしれないが、メンバー層にはまだ降りてきていない。ただ、変革期に来ているなということは感じている。
    例えば、年功序列的な処遇制度を役割等級的なものにシフトさせたり、福利制度も、「男性が世帯主でそこに家賃補助や家族手当をつける」という従来の規定を一切やめて、フラットにしていこうとしたり。そのような制度の見直しは最近非常に大きく進んできていると思う。

 

皆様のお話を聞いていると、業種や企業形態、それぞれのお立場やミッションによって、現在時点における「人的資本経営」の捉え方がさまざまであることが分かりました。
そして、さまざまでありながら、上述のコメントにもあるように、会社が「変革期」にあるというところは共通しているようでした。会社に起きている変化として、他にも以下のような事例が挙げられました。

 

  • 「新しい人事戦略・新しい人事の在り方」をコンサルも入れて役員とディスカッションしているところ。
  • 社員に自発的に学んでほしいという会社の意向があり、社員の自己啓発的なところも会社としてバックアップしていこうという動きがある。
  • 今年の4月に新しいビジョンを打ち出して、人事戦略を大きな柱として掲げるようになった。
  • 昨年、人事制度を大きく変え、マネージャー層に関してジョブ型雇用[1]を導入した。

 

一方で、やはり会社の業績如何で真っ先に予算が削られやすいのが人材開発や教育研修費であるという意見も聞かれました。「人的資本経営」でいうところの「経営戦略と人事戦略の連動」という方向に向けて、まだまだ理想と実態とのギャップがあるという現状もうかがえます。

そんな状況で、経営陣に対して「これは違う」と主張しても何も変わらない。人材開発を担う部門として、いかに社内にインパクトを与えていけるかということで、JTB様で昨年から始まったイベント、「学びのSummer Festival」が紹介されました。

 

ライトワークス 櫻井によるJTB「学びのSummer Festival」紹介

昨年は5日間、今年は10日間にわたって開催される社員参加型イベント。費用を掛けず、全て人財開発チームの手弁当で行っている。6つのテーマに沿った、普段の研修とは異なるさまざまな限定プログラムを配信。ラジオ感覚で、耳だけでも良いので参加・視聴してみてくださいと呼びかけ、気軽に参加できるお祭りのような感じで、学びや気づきのきっかけのひとつになればと企画したもの。
昨年はすべて人財開発チームが企画したプログラムだったが、今年は、社員に対してプログラム講師・テーマの公募を行い、25人ほどが応募。昨年以上にバラエティに富んだプログラムが予定されている。

 

このイベント事例については、参加者の皆様から「おもしろそう」「うちの会社でもやってみたい」などの声が聞かれました。また、その他の会社からも、学びの風土づくりやキャリア自律支援のためにやっている施策の情報共有をしていただくなど、活発な意見交換につながりました。

時間の関係上、このセッションのもう一つのトピックとして予定していた「人的資本の情報開示」についての意見交換はできませんでしたが、各社とも本格的な取り組みはこれからということで、引き続き皆様と交流しながら、ライトワークスとしてもどんな事ができるのか探っていきたいと考えています。

[1] 参考記事「ジョブ型雇用への道は一本ではない 課題や導入検討のポイントとは?」https://research.lightworks.co.jp/job-employment

Session 2テーマ:「CAREERSHIP」の活用

参加者の皆様の事前アンケートでは、他社でどのように「CAREERSHIP」を活用しているのか、どのような工夫しているのかを聞きたいという声を多数いただいていました。そこで、このセッションでは「CAREERSHIP」を使ってキャリア自律自律支援を体現されている代表として、アサヒビールの村瀬様とサザビーリーグの志水様より、自社での活用についてそれぞれプレゼンいただきました。

 

アサヒビール 村瀬様による活用事例紹介

 

村瀬様から、まず簡単に「CAREERSHIP」導入の背景や課題、設計時の要件、導入の効果などをお話いただきました。(上図参照。詳しくは事例ページへ)さらに、設計から運用開始までに最も苦労したところでもあり、こだわった部分でもあるという「スキルマップ」(スキル管理機能)について、実際の画面サンプルも見ながらご紹介いただきました。

「スキルマップ」は、(1)全社員共通の必要スキルに加え、(2)アサヒビールの中にあるさまざまな職種と3つのステージ(土台形成期・強み形成強化期・強み深耕期)とを掛け合わせ、各職種x各ステージでそれぞれどういったスキルが求められているかを可視化。その可視化したスキルに対して、スキル修得につながる学習コンテンツ(eラーニング・書籍・公的資格など)を紐づけて定義したものです。この「スキルマップ」を見れば、社員一人ひとりが、今の自分の職種x自分のステージで求められるスキルを理解して、今の自分を高めるための学びを知ることができ、また、今とは異なる職種へのジョブチェンジも含め、将来のありたい自分に近づくための学びの指針を得ることができます。

Meet Upではさらに、定義した「スキルマップ」をLMS上でどのように見せ、どのような機能を付加すれば、社員のキャリア自律を支援するようなものになるのか、徹底的にこだわって設計していったお話や、スキルマップの運用を開始するにあたって社内で上がった懸念点、また、それを払しょくするためにどのような工夫をしたり情報発信をしたりしたかというところまで、惜しみなくシェアしていただきました。

 

サザビーリーグ 志水様による活用事例紹介

 

40以上の衣食住ブランドを傘下に持つ、ホールディングスの人材開発部門に所属する志水様。部門のそもそものミッションは次世代の事業経営者を育成することでした。ところが、各事業会社共通の問題として店舗スタッフの慢性的な人員不足が顕在化。店舗スタッフのリテンション向上とキャリア支援をグループ全体の経営課題と捉え、ホールディングスとして取り組むようになったことが、「CAREERSHIP」の導入につながりました。(上図参照・詳しくは事例ページへ

志水様からは特に、「CAREERSHIP」運用開始以降の取り組みや活用について、たくさんの事例をご紹介いただきました。研修管理コース管理ルームなどの機能をフル活用したブレンディッド・ラーニングや、サザビーリーグが理想とするキャリアの在り方をどのようにしてグループ全社・全スタッフに伝えているかといったお話。また、各事業会社それぞれの「CAREERSHIP」の具体的な使い方や、それをホールディングスと事業会社の人材開発担当者で集まってシェアする会を催し、お互いに学び合うことで、さらに活用を広げているというお話は、ライトワークスにとっても発見の多いものでした。

 


<「CAREERSHIP」活用事例を共有し合うサザビーリーググループ横断の座談会の模様>

今回、設計時の機能活用にフォーカスしてお話しくださった村瀬様と、運用開始後の活用についてお話しいただいた志水様。どちらのお話にも、その他のMeet Up参加者の皆様が熱心に聞き入り、たくさんのメモを取られていた様子が印象的でした。

質疑応答タイムを経て、本日のまとめを行い、Meet Upは盛況のうちに終了いたしました。

第2部 懇親会

その後、第2部として着席スタイル中心の懇親会を開催しました。参加者を絞ったクローズドな会ならではのトークも飛び出しつつ、Meet Upでは時間が足りずに話しきれなかった「CAREERSHIP」の活用拡大に向けた取り組みなどに話が及びました。

より具体的に各社の状況をシェアできたのは、他部門から「『CAREERSHIP』のアンケート機能を使いたい」とか「『CAREERSHIP』で配信するオリジナル教材を作りたい」などと相談されたら、どのように対応しているのか、というお話。ここでもお互いの話から、「その方法、うちの会社でも試してみよう」といった声も聞かれました。

エンタープライズ向けNo.1の統合型LMS
「CAREERSHIP」

CAREERSHIP

上場企業売上高ランキング上位100社のうち
47%*の導入実績!

eラーニングや研修管理、アンケート配信、社内SNSなど、人材育成に必要なあらゆる機能を網羅し、大企業の膨大なアクセスや複雑な組織形態、多様な教育施策に対応できる数少ないシステムです。

*2021年4月現在、グループ会社を含む、当社調べ

まとめ

最後に、ご参加いただいた皆様への事後アンケートで寄せられたご意見を一部だけご紹介します。

 

  • コロナで、オンラインが主流になる中、なかなか他社人事の方と交流する機会がなくなっている中で、人事の方々とつながれる機会は大変ありがたかったです。
  • (次回は)「CAREERSHIPで実現したいこと」について、もう少し各企業様の状況をお伺いしたいです。
  • トップ画面のキャプチャ紹介は優れた企画だと思いました。各社の個性や、やろうとしていること、考えがよく分かり、勉強になりました。
  • Meet Upに参加するまで、カスタマーサポートに相談してよい内容がこんなに多岐に渡るとは思っていませんでした。もっと相談して、自社のCAREERSHIPを使い込むことが、ライトワークスにもメリットになると感じました。
  • 今回紹介いただいた2社の事例を参考に、今後の活用拡大の提案を社内でしてみたいと思います。
  • CAREERSHIPを軸とした人材開発の事例共有をもっとできるといいなと感じています。進めていく上での難所や自社内の展開ファイルなどリアルで生々しい情報交換を希望します。

 

「次回のMeet Upにも参加したいと思いますか?」という質問に対しては、なんと全員から「参加したい」との回答をいただくことができました!

テーマ設定や時間配分など、改善すべきことはまだまだたくさんありますが、当初の目的である「人材開発を担うご担当者様同士のつながりを創出する」という意味では、有意義な第一歩を踏み出せたと評価しています。今後もライトワークスは、「CAREERSHIP」のユーザー企業様と共に、人材開発のミライをつくる活動を企画・実行していきたいと考えております。


*本イベントは、参加人数の制限や参加者及びスタッフの事前抗原検査、換気や消毒の実施などといった新型コロナウイルス感染症対策を行った上で開催しました。

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