導入成功事例 〔株式会社テンポイノベーション〕新入社員の早期戦力化・定着率向上と研修担当者の負担軽減を実現~オンボーディングを効率化したオリジナル動画教材制作事例

〔株式会社テンポイノベーション〕新入社員の早期戦力化・定着率向上と研修担当者の負担軽減を実現~オンボーディングを効率化したオリジナル動画教材制作事例
課題
・研修方法を見直し新入社員の早期戦力化・定着率を向上させる
・研修担当者の負担を軽減し、研修の質を高いレベルで均一化する
成果
・社内に分散していたナレッジを整理、300本の動画教材化に成功
・新入社員の定着率向上と研修担当者の大幅な負担軽減を達成

店舗物件の転貸借に特化した不動産事業を展開する株式会社テンポイノベーションは、新入社員の早期戦力化・定着率向上と研修担当者の負担軽減を目指し、ライトワークスにアニメーションを活用した動画教材の制作を依頼しました。

社員研修にはさまざまなスタイルがありますが、アニメーション動画を用いたeラーニング研修は内容を視覚的に理解しやすく、座学研修とは異なり通勤中や出先など時間や場所を気にせず視聴できるなど、多くのメリットがあります。

同社が新入社員研修に抱えていた課題、動画教材導入後の変化、今後の人材育成にかける思いについて、同社取締役で営業本部長を務める近藤裕二様、執行役員で事業推進本部長を務める間宮健太郎様にお話をうかがいました。

 

プロフィール(部署名・肩書は2024年3月取材時のもの)
■近藤 裕二様 取締役 営業本部長
■間宮 健太郎様 執行役員 事業推進本部長

 

研修方法を見直し新入社員の定着率向上

――今回、ライトワークスに新入社員研修の動画教材制作を依頼された背景について教えてください。

近藤様:転貸借業務に関する正確な知識、会社の方針や情報などは、建物で言えば基礎の部分にあたります。当社の営業部は現在50名体制ですが、今後100名体制に人員拡大を目指しています。ライトワークスさんに教材制作を依頼する前から、営業職の新入社員に対する研修には力を入れてきました。

とはいえ、当社の営業が担当する業務は多岐に渡っています。転貸借の契約を1から10まで、多少のトラブル対応も含めてひとりで対応できる、いわゆる一人前のレベルに到達するまでに2〜3年はかかっており、定着率も不安定な状態でした。

 

――新入社員が辞めてしまう理由としては、どんなものが多いのでしょうか?

間宮様:成果が出せず、心が折れてしまうケースがほとんどです。やはり営業職なので、数字が出せないと本人もつらいと思います。

基礎をしっかり積み上げることができれば自ずと数字もついてくるので、定着率も上がっていきます。そこで、一人前になるまでの期間を短くするために、研修方法の見直しが必要だと考え、外部の力を借りて、体系的な新入社員研修教材の制作を行うことにしました。

 

――それまでの新入社員研修にはどのような課題があったのでしょうか?

近藤様:各チームのリーダーである研修担当者が、資料を準備して配布し、座学で実施しており、研修担当者の負荷が大きいことが課題でした。また、研修担当者によって説明の表現や言葉選びが変わってしまう場合もあり、伝わるニュアンスに違いが出ていたと思います。

表現や言葉選びについてはコロナ禍を機に改めて見直し、統一したのですが、それでも若干の個人差はありました。口頭だけで説明してきた部分が結構多く、今回の動画制作においても、資料を示しながら「ここで、口頭でこんなことを説明するんです」とライトワークスさんに説明する場面が多かったです。

間宮様:研修は同期入社したチームごとに行うのですが、動画教材の導入前は各チームに対して約100時間を費やしていました。当社は毎月2名ほど新入社員が入ってくるため、研修担当者の負担は相当なものでした。

新入社員研修が終了すると各チームに配属をされますが、その後も座学研修、現場でのOJTによる研修は続きます。研修担当者は、次の新入社員を担当しながら、自分のチームに配属された社員のOJT研修を行い、さらにはチームメンバーのサポートをこなし、自分の業務でも成果を出さなくてはいけません。

結果的に、研修と自身の業務の両方がおろそかになるケースや、新入社員のケアやフォローが不十分になってしまう事態に繋がっていました。

新入社員の成長速度を速める動画教材の活用

――御社では制作した動画を使ってどのように研修を行っているのでしょうか?

近藤様:業務時間内に視聴時間を設けていますが、復習や確認などで業務時間外に見たい場合もあると思うので、そこは個人に任せています。いきなり「全部見ておいてね」と動画を共有するのではなく、視聴プログラムを組んで「このステップで学んでください」と提示しています。

基本的なプログラムとして、1テーマごと、3~4本の動画を見て学び、視聴後は毎回1on1を行い、研修担当者が理解度をチェックしてフィードバックするという流れを、全30テーマほどで繰り返します。「このテーマのポイントを3つ挙げてみて」と質問して、合っていれば次のテーマへ、認識のズレがあればもう一度動画を見るように伝えます。早ければ2〜3分で指導が終わるため、研修担当者の負担もかなり軽減しました。

テンポイノベーション様

<取締役 営業本部長 近藤 裕二様>

――動画教材を導入後、研修担当者の負担はどれくらい軽減されましたか?

近藤様:以前の研修体制では1回の講座で1時間、累計約100時間かかっていたところが、動画教材の導入後は、研修担当者の時間的な負担を大きく軽減することができました。

間宮様:1時間も集中して研修を受けるのは、教える側も聞く側も大変ですし、時間の短縮は両者にとっていいことしかないですね。また、動画教材の導入で、研修の質を高いレベルで均一化できたのもよかったです。

研修担当者も人間なので、その日のコンディションで熱量が変わってしまう場合もあるんですよ。体調だったり、忙しさだったり、そういうものに左右されず常に同じクオリティの研修を提供できるようになりました。

知識や情報を教えることと、それを使って仕事ができるようにしてあげることは、別だと思います。教える部分にかかっていた時間を、新入社員のサポートやケアに回せるようになりました。

近藤様:間宮が言うように、効率的な研修が可能になったことで、新入社員のケアに使う時間が増えたのは、導入後の大きなメリットです。時間的な余裕ができて、以前は「たぶん理解できてそうだな」と見切り発車で進めてしまっていたところも、理解のレベルや解釈の方向性を丁寧に確認できるようになりました。

研修プログラムは半年弱くらいで動画を見終わる想定ですが、早ければ2〜3ヶ月目くらいから数字を上げる社員も出てきます。そうした社員は、真面目にコツコツと動画を見ていますね。

実際に案件を進めている中でも、慣れていないうちは手順や情報を忘れてしまうこともありますが、その場合も「あとでこの動画を見てね」と、指示も簡潔かつ明確にできます。研修担当者の負荷が下がり、彼らが自分の業務に時間を使えるようになることも事業にとってプラスになります。

 

――動画を導入したことで新入社員の定着率にどの程度の変化がありましたか?

近藤様:この1年で退職した新入社員は、ほとんどいません。これは、採用方法を変えたこともありますが、新入社員が数字を上げるスピードがかなり早くなり、自信を持って業務にあたれるようになったことも影響していると考えています。

また、以前は、新入社員から「わからないことがあっても、何回も聞くのは申し訳ないと思った」「こんなこともわからないと思われるのが怖くて聞けなかった」という声があったのですが、動画教材を導入したことにより、自分のタイミングで何度でも復習できるので、学びやすくなったのだと感じています。

 

――研修担当者の反応はいかがでしたか?

近藤様:導入が決まった段階から全員が喜んでいました。社内に点在するノウハウや知見が体系的に整理され、動画で提供されるようになることで、これまで自分たちが時間を使って準備して実施していた座学の研修がすべてなくなることは、プラスしかない状態です。

また、動画にアニメーションを活用することでイメージの行き違いや説明コストが激減したと感じています。案件について説明した際、具体的に状況をイメージできる度合いは、人によってかなり差がありますよね。

うまくイメージできる人とできない人では、理解度にも差が出てしまうのですが、教材は動画内のアニメーションで、動きも含めて明示できるので、認識のズレが減ったと報告を受けています。そこを想定してアニメーション動画を採用したわけではなかったのですが、プラスの副産物です。

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ライトワークスを選んだ理由は「スピード感」と「咀嚼力(そしゃくりょく)

――ここからは動画制作当時の状況などをお聞かせください。数ある教材制作サービス提供会社の中から、ライトワークスを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

テンポイノベーション様

<執行役員 事業推進本部長 間宮 健太郎様>

間宮様:代表の原と私で依頼先の選定を行い、何社かに動画サンプルを同時に依頼したのですが、ライトワークスさんのサンプル提供が一番早かったんです。

採用と研修はセットなので、なるべく時間をかけずにある程度のレベルのものがほしい状態でした。理想的なスケジュールにどれだけ合わせてくれるかを重視していたため、スピード感を持って対応していただけたことを高く評価しました。また、何度もラリーをしてつくるのではなく、ある程度の情報から枠組みをつくって先導してほしいと考えていました。

それが可能かを判断するために、当社のマニュアルだけを渡して「一部を切り取って動画にしてください」とオファーしたのですが、内容がきちんと整理されており期待以上の出来でした。このスピード感と咀嚼力そしゃくりょくが大きな決め手でした。

また、動画教材というと自動車教習所で見るような、いかにも「教材!」という感じをイメージしていたので、アニメーションを取り入れたサンプルを観たときは、いい意味で驚きました。サンプルをマネージャー陣に共有したところ、みんな絶賛して「ぜひ導入したい」と声を揃えました。

 

――不動産用語など専門的な言葉が多かったかと思いますが、動画制作はスムーズに進められたのでしょうか?

近藤様:動画制作に関わった当社の担当者からは、ライトワークスさんが丁寧な質問で深く掘り下げて聞いてくださったので、解釈の齟齬はなかったと聞いています。過去に他社に動画制作を依頼した際には、専門用語の解釈が上手くいかなかったケースが結構ありました。

動画は新入社員に向けたものなので専門用語だらけでは伝わらないですし、平易にし過ぎて意味がズレてしまっても意味がありません。ライトワークスさんは丁寧なヒアリングで正確に内容を咀嚼して、誰にでもわかるような表現に落とし込んだ原稿を書いてくださるので、ほぼ修正がない状態で進められました。

 

――期待されていた制作スピードや、制作期間中のケアについてはいかがでしたか?

間宮様10カ月で約300本も動画を制作でき、早かったという感覚です。

スケジュールがタイトだった分、当社の担当者たちも大変だったと思いますが、「ここを乗り越えれば楽になる」を合言葉に頑張ってくれていました。

近藤様:ケア面についても、ライトワークスさんには、教材制作に不慣れな当社の担当者たちを手厚くサポートいただきました。また、私や間宮と2週間に1回の定例ミーティングを設定していただき、進捗具合や内容確認、懸念点などは逐一報告を受けていたので、安心して任せることができました。

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動画教材の活用で人材育成の基礎を築く

――動画教材による新入社員研修を通じて、今後どのような人材を育成していきたいと考えていらっしゃいますか?

近藤様:「真面目にコツコツ」ができる人を育成していきたいです。採用においても一番重要視しているポイントで、面倒がることなく、一つひとつコツコツ着実に力を身につけられる方こそが成果を出せる人材だと考えているためです。

当社の社員には「店舗物件のプロ」であることが求められており、社員全員をそのレベルに引き上げることは私たちの責任だと考えています。しかし、当社の仕事は知識を詰め込むだけで対応できるものではありません。やはり現場で見て聞いて、動いて経験して、振り返って何を吸収するのかが大切です。

一方で、応用ができるようになるためには基礎知識を身につける必要があります。今後も動画教材を活用した基礎知識の定着と、現場でのOJTによる応用力強化の両輪の研修体制で「店舗物件のプロ」を育成していきたいと考えています。

間宮様:事業のモデルや何をプロダクトとするのかも大事ですが、人が関わる仕事において、結局最後に物を言うのは「人」です。「何を言うか」より「誰が言うか」で変わるように、誰が仕事をするかで、事業がどう成長するかも変わります。

事業を伸ばすうえでの基礎となる人材育成は会社として注力すべきところです。今回の動画教材で人材育成の基礎を築けたことは、長い目で見てもいい選択だったと考えています。

(終)

各業界における人材育成の課題と解決方法をまとめた事例集

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