導入成功事例 〔株式会社JERA〕問い合わせ対応の負荷が8割減!コンサルティングとBPOで「自立的キャリア開発」を加速

〔株式会社JERA〕問い合わせ対応の負荷が8割減!コンサルティングとBPOで「自立的キャリア開発」を加速
課題
・研修の申込窓口やアンケートが分散しデータ活用が困難。豊富なコンテンツも周知不足で、社員の学びに十分に利活用されていなかった。
・研修評価の指標が不統一で、効果検証が「感覚値」頼りに。データに基づくPDCAが回せず、各研修の横断的な比較・評価が難しかった。
・担当者が手探りで運用。問い合わせ対応の負荷が重く、本来注力すべき企画などの戦略業務に時間を割けなかった。
成果
・トップ画面を刷新し「自らキャリアを考える」導線を設計。他部署との連携も生まれ、全社的な「学びのプラットフォーム」へと進化した。
・共通の研修アンケートを策定し研修効果を可視化。データに基づくPDCAサイクルを回せるようになった。
・BPO活用で問い合わせ対応の負担を約7〜8割削減。作業時間も数日から1日程度に短縮され、企画などの戦略業務への集中を実現した。

多くの企業で導入されているLMS(学習管理システム)ですが、導入後の運用面で課題を抱える企業は少なくありません。

「豊富なコンテンツを用意しても社員に活用されない」

「問い合わせ対応など、運用負荷ばかりが増えていく」

「研修の効果が可視化できず、次の施策に繋がらない」

エネルギー業界をリードする株式会社JERAは、それらの運用課題を解決し、LMS「CAREERSHIP」のポテンシャルを最大限に引き出すため、ライトワークスのコンサルティングとBPO(運用代行)サービスを導入。

その結果、現場の運用負荷を大幅に削減し、LMSを社員の自立的な学びを促進する「学びのプラットフォーム」へと進化させています。

今回は、同社の組織人財開発部キャリア開発ユニットの皆様に、プロジェクトの背景から具体的な施策、そして得られた効果についてお話を伺います。

【お話を伺った方】(部署名・肩書は2025年10月取材時のもの)

株式会社JERA HR統括部 組織人財開発部 キャリア開発ユニット

企画チーム 課長 辻本マリコ様 主任 伊藤紀子様

運用チーム 課長 大木芳子様 主任 松本幸造様

 

LMS活用における「周知」「案内」「管理」の壁

――本日はよろしくお願いいたします。 早速ですが、弊社にコンサルティングをご依頼いただく以前、皆様が人材育成においてどのような課題をお持ちだったか、改めてお聞かせいただけますでしょうか。

キャリア開発ユニット 企画チーム 伊藤様

<キャリア開発ユニット 企画チーム 伊藤様> 

伊藤様: よろしくお願いします。ライトワークスさんにご相談する前の課題は、大きく3つありました。

1つ目は「周知の課題」です。私たちキャリア開発ユニットでは、全社向けに豊富な研修コンテンツを提供している自負はあったのですが、それが社員に効果的に伝わっておらず、社員の学びに十分に利活用されていないと感じていました。

 

――「せっかく良いものを用意しても、知られていない、使われていない」という状況だったのですね。

伊藤様: そうなのです。2つ目は「受講案内の課題」です。研修の申し込みにCAREERSHIPを使うものもあれば、社内の別ツールを使うものもあり、研修の入り口がバラバラでした。

せっかくLMSというプラットフォームがあるのですから、案内方法を統一化できないかと模索していました。

 

――研修に関するツールが複数あると、社員の方から「どこから申し込めばいいのか分からない」といった声も上がりそうですね。

伊藤様: そういった声も実際にありました。そして3つ目が「受講管理の課題」です。申し込み窓口が分散しているのと同様に、研修後のアンケートもツールが分かれていて、情報が色々な場所に散らばっていました。

受講履歴やアンケート結果は、データ分析の元になる重要な情報です。それを一元管理し、活用する方法を探していました。

また、当社は2021年からCAREERSHIPを導入していますが、システム担当者が異動してチーム内に「CAREERSHIPに詳しい人がいない」という状況になっていたこともあり、今回ライトワークスさんにコンサルティングと運用代行をご相談することにしたのです。

「学びのプラットフォーム」構想:部署の垣根を越え、社内に生まれた新たな動き

――3つの課題解決に向けて、まずはCAREERSHIPのトップ画面をリニューアルするプロジェクトから着手されました。この改修にあたって、当初どのような期待をお持ちでしたか?

伊藤様: コンセプトとして掲げたのは、「学びのプラットフォーム」です。CAREERSHIPが、単に研修を申し込むだけの場所ではなく、社員が自らの学びを探すために積極的に訪れるようなプラットフォームになることを目指しました。

 

――具体的にはどのようなトップ画面を目指されたのでしょうか。

伊藤様: もともとは非常にシンプルな画面でしたので、まずは社員が見て「楽しそう」「ワクワクする」と感じられるような、明るい雰囲気のデザインを意識しました。「学びって楽しいよね」というポジティブなイメージを伝えたかったのです。

また、我々は育成方針として「自立的キャリア開発」を掲げています。社員一人ひとりが自らキャリアを考え、そのために何を学ぶべきかを見つける、という流れをサポートしたい。そこで、トップ画面の一番上には「キャリアを考える」ためのコンテンツを配置し、その下に具体的な「学びの情報」、そして「会社を知る」ための情報を置く、という構成にしました。

自社マスコットも登場するJERAのCAREERSHIPトップ画面

<自社マスコットも登場するJERAのCAREERSHIPトップ画面>

 

――トップ画面は可愛いアイコンが印象的で、楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。実際にリリースされてから、社員の皆様の反応はいかがでしたか?

伊藤様: 全社員向けの大きなサーベイはまだですが、4月のリニューアル後の6月に実施をした全社員向けの「育成に関するアンケート」では、社内育成施策の情報充足度のスコアが、昨年比で7%向上しました。公開2カ月時点なので微細な変化ですが、次年度は更なるスコア向上を目指してアップデートをしていきたいです。

また、意外だったのは他部署からの反応です。例えば、部門の育成担当者から「我々もこういう学びを提供しているから、トップ画面に載せてほしい」という依頼がきたり、社員への情報周知に苦労している部門から、「私たちのコンテンツと接続させて欲しい」などの相談がきました。提供している側としては皆さん周知浸透には苦労していることもわかりましたし、良いきっかけとなりました。

辻本様: 研修コンテンツを提供する側の人たちが、「CAREERSHIPを使えば、こんなことができるんだ」と可能性を感じてくれたのは、大きな一歩だったと思います。学びに関することだけでなく、会社全体を巻き込むプラットフォームとして認知され始めた手応えがあります。

感覚頼りの研修評価から脱却。研修のPDCAサイクルを高度化

――運用面の改善と同時に、コンサルティングの一環として「研修アンケートの改善」にも取り組まれていますね。こちらはどのような課題感からスタートしたのでしょうか。

伊藤様: これまでは、研修のアンケートを「外部の委託先研修会社にお任せ」しているという課題がありました。各社が独自フォーマットでアンケートを取るため、当然ながら評価項目もバラバラです。

報告を受けて「今回は良かったね」「いまひとつだったね」と判断はするものの、複数の研修を横並びで比較・評価することが難しかったのです。

 

――研修の価値を客観的に判断するための、共通の物差しがなかった、ということですね。

辻本様: その通りです。そこで、どの研修にも共通して使える横断的なアンケート項目を設計するプロジェクトを、ライトワークスさんと一緒に進めています。これが形になれば、研修のPDCAサイクルがかなり高度化されるのではないかと期待しています。

 

――共通の指標で測ることで、どのようなことが見えてきましたか?

伊藤様: 現在、一部の研修でトライアルを実施している段階ですが、すでに面白い発見があります。

例えば、ある新入社員研修では、受講者全員が推奨度で最高評価を付けていました。これまでも「あの研修は評判がいい」という"感覚値"はありましたが、それが他の研修と比較しても、新入社員にとって良い研修だったことが可視化されたのは大きな収穫でした。

キャリア開発ユニット 運用チーム 大木様

<キャリア開発ユニット 運用チーム 大木様> 

大木様: こうしたデータは、社員の声を次の施策に活かすための重要な指標になります。今までは感覚値でしか判断できなかった研修の良し悪しを、データに基づいて判断し、自信を持ってブラッシュアップしていける。そんな基盤が整いつつあると感じています。

問い合わせ対応のプレッシャーが8割減。「なんでも相談窓口」がもたらした劇的な効果

――「研修アンケートの改善」と並行して、BPO(運用代行)サービスの一環として、CAREERSHIP全ユーザー向けの「なんでも相談窓口」を設置させていただきました。これにより、皆様の業務にどのような変化がありましたか?

松本様: 設置して日が浅いですが、それでも変化は顕著に現れました。そもそも、私たちのチームでシステムの担当になる者は、必ずしもCAREERSHIPに精通しているわけではありません。本来の担当業務と兼務するかたちで、慣れないシステムとその都度向かい合って手探りで運用をしているのが実情でした。

 

――専門ではない業務を担当されるのは、ご負担も大きかったのではないでしょうか。

松本様: そうなのです。特に大変だったのが、他部署からの問い合わせ対応です。ありがたいことにCAREERSHIPを使ってくれる部署が増えると、その分、問い合わせも増加します。

担当者として間違った回答はできませんから、システムの分厚いマニュアルとシステムの画面を交互ににらめっこしながら回答を作成するということはしばしばあり、慣れない作業のためどうしても時間がかかってしまうことが悩みの種でした。

 

――それは大変ですね!「なんでも相談窓口」ができて、その状況は変わりましたか?

キャリア開発ユニット 運用チーム 松本様

<キャリア開発ユニット 運用チーム 松本様> 

松本様: 個人的な体感になりますが、問い合わせ対応に関する心理的なプレッシャーは7〜8割減ったと感じています。

問い合わせ対応の「相手を待たせている。早く正しい回答をしなくては」というプレッシャーや「他の業務を止めている」という気掛かりといった精神的な負荷が軽減されましたし、何より慣れていない業務において「いつでも相談できる、頼れる存在がいる」という安心感は非常に大きいです。

特に助かっているのが、対応のスピードです。他部署から「できれば来週末からこの研修を展開したいですが可能ですか」といった急な相談が来ることもあるのですが、以前は管理者アカウントの作成から研修の設定まで、私たちがマニュアルを読み解きながら対応していたので2~3日かかることもザラでした。

今はライトワークスさんに相談すれば、研修を実施できるところまで伴走してサポートしてくれるので、社員のニーズに速やかに応えることもできており、本当にありがたいです。

 

――2~3日かかっていたものが、1日程度に短縮できた、といったイメージでしょうか。

松本様: まさにその通りです。他の業務をしながら、頭の片隅でずっと問い合わせのことが引っかかっている…という状態から解放されました。さらに、「なんでも相談窓口」に問い合わせの一次対応を引き受けてもらうことで、我々が対応すべき問い合わせの数が減った点も大変助かっています。

「なんでも相談窓口」以外にも、各担当者が行なっていた研修の登録作業などもBPOで委託できるようになったことで、チームのメンバーそれぞれが、本来注力すべき施策の検討や研修の設計といった戦略的な業務に、より多くの時間を割けるようになったと感じています。

パートナー選びの決め手は「提案力」と「伴走力」

――ここまで具体的な取り組みについて伺ってきましたが、そもそも今回、数ある企業の中からライトワークスをパートナーとしてお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか。

伊藤様: 実は、選定当時の担当者は既に異動しているのですが、引き継いだ我々が聞いている話や、実際にプロジェクトを進める中で感じていることをお話ししますね。

まず、研修のPDCA、いわゆる「バリューチェーン」をしっかり構築していきましょう、というご提案をいただけたことが大きかったと聞いています。単にシステムの使い方を教えるだけでなく、私たちの「データに基づいた人財育成がしたい」という本質的な課題に対して、具体的な解決策を提示してくださった。その知見に魅力を感じたと聞いています。

 

――ありがとうございます。

伊藤様: それに加えて、個人的に感じているのは、「伴走していただく姿勢」の素晴らしさです。実はコンサルティングをお願いする前から、スキル管理導入時にお世話になっていたのですが、その時から一貫して、「非常に親身に対応してくださるな」と感じていました。

機械的ではなく、何というか…人情味があって、それでいてスピード感もある。カジュアルな相談にもすぐ乗ってくださる姿勢は、他のベンダーさんとは一線を画す部分だと感じており、絶大な信頼を寄せています。

辻本様: 本当にそうですね。こちらが「こういうことってできますか?」と、少しふわっとした相談を投げかけても、まず「できますよ!」と力強くおっしゃってくれる。その一言で「あ、できるんだ!」とこちらも前向きな気持ちになれますし、「ライトワークスさんなら何とかしてくれる」という安心感があります。

キャリア開発ユニット 企画チーム 辻本様

<キャリア開発ユニット 企画チーム 辻本様> 

伊藤様: お会いする方、皆さんが本当にそういう姿勢ですよね。これはもう、会社全体のカルチャーなのだろうなと。私たちも見習いたいなと思っています。

 

――ありがとうございます、社内の皆にも伝えておきます(笑)

誰もが自ら学ぶ組織へ。LMS活用の次なる挑戦と、同じ課題を抱える企業へのエール

――最後に、今後の展望と、かつての御社と同じようにLMSの活用に悩んでいる企業の人事・人材開発担当者の方へメッセージをお願いします。

伊藤様: 今後の展望としては、やはり「学びのさらなる活性化」に取り組んでいきたいです。「自立的キャリア開発」という方針を掲げている以上、社員一人ひとりが「今年はこれを学ぼう」とポジティブな目標を持って、何かしらのアクションを起こせるような風土を醸成していきたい。そのための仕掛けづくりを、今後のコンサルティングでサポートいただけたらなと思っております。

同じような課題を抱える企業の方へのメッセージには、「社外の知見を活用してみては」とお伝えしたいです。私たちもそうですが、社内におけるLMSの認知と浸透はとても難しい部分がありますし、地道に根気強くやらなければならないと思います。ただ、やはり社内だけですと施策を考えるにも限界があります。

そういった時に、ライトワークスさんのような外部のプロに相談したり、MeetUp(ユーザーコミュニティイベント)に参加して他社の事例を聞いたりすることで、新たな知見を得られる機会はたくさんあります。まずは担当の方に、気軽に声をかけてみるのが一番の近道ではないでしょうか。

松本様: 私からは、運用負荷に悩んでいる方へ。特に私たちのように兼務でシステムを担当していると、潜在的な課題に気づけないことも多いと思います。

外部の方の客観的な視点で見てもらい、対話しながら課題を整理していくことは、非常に有効だと感じています。自分たちが本来やりたいと思っている業務に集中するためにも、一度相談してみることをお勧めします。

 

――皆様、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

【取材・文】株式会社ライトワークス

 

各業界における人材育成の課題と解決方法をまとめた事例集

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