【課題別】eラーニング導入事例11選|成功の秘訣と失敗させない5つの法則

「従業員の研修コストがかさんで頭が痛い」

「全国の拠点で教育の質にばらつきが出てしまう」

人材育成やキャリア形成の良い打ち手を探している」

人材育成の担当者の方は、このような課題をお持ちではありませんか?

多くの企業が直面するこれらの悩みを解決する手段として、eラーニングが注目されています。

しかし、「導入したいけれど、本当に効果があるのか分からない」「会社の予算を使うのだから、失敗するわけにいかない」と不安に感じる方も多いでしょう。

この記事では、実際にeラーニングを導入して成功を収めた企業の事例を課題別に紹介します。他社がどのような課題を抱え、どうやってeラーニングで解決し、どれほどの効果を上げたのかを分かりやすく整理しました。さらに、成功事例に共通する「失敗しないための法則」も詳しく解説します。

自社の課題と照らし合わせながら導入の全体像を掴み、具体的な次のアクションへ進む道筋を見つけましょう。

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LEARNING SHIP

「eラーニングを導入して数年が経つが、どうも効果的に活用できている気がしない」 […]…

"学ばせる"から"学びたくなる"へ! 学習効果を高めるeラーニング設計とは?~JAL・大林組・Meiji Seika ファルマなどの事例もご紹介~

AIで要約

  • eラーニングは、研修の効率化やコスト削減、教育の標準化、学習データの活用といったメリットから導入が進んでいます。
  • 成功事例では、明確な目的設定のもと、ブレンディッドラーニングや動画教材の内製化など、自社の課題に合わせた工夫が見られます。
  • 導入を成功させるには、目的の明確化と共有、スモールスタート、継続的な運用体制の構築、魅力的なコンテンツの用意が不可欠です。
目次

企業がeラーニングを導入する背景とメリット

近年、eラーニングを導入する企業が急激に増えています。その背景とeラーニングのメリットを整理しました。

eラーニングの導入が加速する3つの背景

企業がeラーニングを導入する背景には、3つの社会的なトレンドが影響しています。

働き方の多様化

リモートワーク/テレワークやハイブリッドワークが定着し、従来の集合研修では全従業員をカバーしきれなくなりました。時間と場所を選ばないeラーニングが、新しい働き方にマッチした学習方法として求められています。

DXによる効率化

デジタルトランスフォーメーション(DX)の波は人材育成の分野にも押し寄せています。動画による教育内容の統一や、eラーニングによる事前学習と実際に手を動かす対面研修を組み合わせた「ブレンディッドラーニング」など、デジタル化によって質の高い効率的な研修が実現できるようになっています。

リスキリング・アップスキリングの重要性

技術革新のスピードが加速する中、従業員のスキルアップデートが企業の競争力を左右しています。継続的で効率的な学習環境の構築が、企業存続の鍵と言っても過言ではありません。

eラーニング導入の3大メリット

それでは、具体的にeラーニングを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

コスト削減と効率化

集合研修と比較すると、eラーニングは圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。

  • 会場費、講師料、交通費などの直接コストを大幅削減
  • 受講者の移動時間や業務離脱時間を最小化
  • 一度作成したコンテンツを繰り返し利用可能

例えば、全国に500名の従業員を抱える企業が、年4回の集合研修をeラーニングに置き換えた場合、受講者の交通宿泊費だけでも年間数百万円のコスト削減効果が期待できます。

教育の標準化

eラーニングなら、講師のスキルや経験に左右されることなく一定品質の教育を実現し、全国の拠点や部署で統一された学習内容を提供することが可能です。店舗や支店ごとの対応レベルのばらつきを最小限に抑えられるでしょう。

また、新入社員から管理職まで、階層別の体系的な教育プログラムを構築できるため、企業全体の教育レベルの底上げと標準化が実現します。

学習データの活用

eラーニングがもたらすデジタルならではの強みが、学習データの可視化です。従来の集合研修では把握しきれなかった、誰が・何を・どこまで学習したかをリアルタイムで把握できるようになります。この詳細な学習データにより、理解度や進捗状況に基づいた個別フォローが可能になります。

また、将来的にTMS(タレントマネジメントシステム)を導入したい場合でも、連携するデータとして「誰が・何を・どこまで学習したか」の履歴は重要です。このデータを分析することで、従来の経験や勘に頼った人材育成から脱却し、より効果的で成果の見える人材育成を実現できるでしょう。

【課題別】自社のヒントが見つかる!eラーニング導入成功事例11選

ここでは、eラーニングとLMS(学習管理システム)を導入した企業の事例を、導入時の課題別に整理して紹介します。

【研修の効率化・コスト削減】株式会社ルネサンス(サービス)

お客様対応で中断しがちだった店舗現場のOJTを、eラーニングと組み合わせることで効率化し、教育担当者の負担を軽減した事例です。

導入前の課題

フィットネスクラブの店舗では常にお客様対応が最優先されるため、OJT担当者が新人教育の時間を十分に確保することが困難でした。研修が中断されると新人は手持ち無沙汰になり、モチベーション低下の一因に。また、教育が各店舗に委ねられていたため、サービスレベルの均質化も課題でした。

導入の目的

eラーニングを活用して新人教育を体系化・効率化し、OJT担当者が新人指導にかける時間を削減すること。創出された時間を他の業務に振り分けることで、店舗運営全体の生産性を向上させることを目指しました。

導入のプロセスと決め手

本社主導でプロジェクトを立ち上げ、各店舗の膨大な資料の中から本当に必要な知識・スキルを選び抜き、教育内容をスリム化。その上で、文章だけでは伝わりにくい補助の仕方などを動画教材として1.5カ月の短期間で開発しました。

成功のための施策・工夫

基礎知識の習得はeラーニング、実践的なスキルの習得はOJTと、研修の役割を明確に分担。お客様対応でOJTが中断した際も、新人はLMSで自主学習を進められるようにし、待機時間を有効活用できる仕組みを構築しました。

導入後の効果

  • 定量的効果:OJT担当者が新人指導にかけていた時間を半減させる目標に対し、「確実に時間や労力が削減できている」と効果を実感しています。
  • 定性的効果:指導側は「eラーニングで進めておいて」というシンプルな指示で済むようになり、管理工数が削減されました。新人も空き時間を有効活用でき、教育の効率化と体系化が実現しました。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

店舗を運営する企業に共通する課題「新人教育を効果的・効率的に実施し、早期戦力化を実現していくこと」について、どのようにス…

【研修の効率化・コスト削減】住友ファーマ株式会社(製薬)

部門ごとに異なっていたeラーニングシステムを統一した結果、運用担当者の工数が大幅に削減され、本来注力すべき教育施策に集中できるようになった事例です。

導入前の課題

開発、生産、営業などの部門ごとに異なるeラーニングシステムを導入していたため、全社で3社のシステムが併用されていました。これにより、人事異動のたびにユーザー登録作業が発生するなど、全社で10名ほどの担当者がシステム管理業務に追われ、本来の教育企画業務に注力できない非効率な状態でした。

導入の目的

部門ごとに乱立していたeラーニングシステムを全社で一つのLMSに統合し、研修運営の非効率を解消すること。特に、人事情報と連携して組織変更や人事異動に伴う管理業務を完全自動化し、担当者の工数を削減することが最大の目的でした。

導入のプロセスと決め手

IT部門が主導し、「セキュリティ」「操作性」「運用」の3点を重視してLMSを選定。決め手は、Active Directoryと連携して人事異動時のユーザー情報更新を自動化できる点や、厳格なセキュリティ要件を満たしていた点でした。

成功のための施策・工夫

LMS導入を機に、それまで接点のなかった各部門の教育担当者を集めた講習会や座談会を定期的に開催。部門を横断したコミュニティが形成され、運用ノウハウの共有や教育の質向上につながる相乗効果が生まれました。

導入後の効果

  • 定量的効果:人事異動対応が完全自動化され、システム管理に携わっていた担当者10名分の工数がゼロになりました。また、子会社5社もLMSを統合し、グループ全体のコスト削減にも貢献しました。
  • 定性的効果:担当者の声「システム管理業務から完全に解放され、本来注力すべき良質な教育コンテンツの企画・開発に集中できるようになった」
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

社内の人財教育において、細かい業務に時間と労力を取られている担当者の方、実は多いのではないでしょうか?併用していた3社の…

【研修の効率化・コスト削減】東京ガス株式会社(インフラサービス)

自社開発のオンプレミスのeラーニングシステムから、クラウド型のシステムにリプレイスした結果、研修管理の大幅な効率化・教材調達のコスト削減が実現した事例です。

導入前の課題

20年間利用した独自開発の研修システムが老朽化・ブラックボックス化し、コスト面でも限界でした。さらに、eラーニング用に別のシステムを併用したことで、研修履歴が分散し、データ移行や受講案内など運営側の管理工数が倍増。教材の外注やテストのマークシート方式も、コストと手間の両面で大きな負担となっていました。

導入の目的

老朽化したシステム群を一つのLMSに統合し、約8万IDに及ぶ多様な受講者の研修管理を効率化すること。また、eラーニング教材の内製化とテストのデジタル化によって、外部委託コストと運営工数を大幅に削減し、変化に迅速に対応できる研修体制を構築することが目的でした。

導入のプロセスと決め手

約8万IDを安定運用できる実績と現実的なコスト感を重視。多くのベンダーがカスタマイズを前提とする中、LMSの標準機能をベースにした具体的な運用を提案し、トライアル環境で操作性を確認できたことが決め手となり、「標準機能に業務を合わせる」方針で導入を決定しました。

成功のための施策・工夫

eラーニング教材を外部委託から完全な内製に切り替え、インストラクター自身が教材を作成する体制を構築。また、集合研修を「eラーニング(座学)」と「実習」に分離し、eラーニングは通年で何度でも受講可能にすることで、受講機会の平準化と学習効果の向上を図りました。

導入後の効果

  • 定量的効果:eラーニング教材の内製化で外注コストを削減。マークシートの準備・配布・採点といったテスト関連業務がなくなり、管理工数が大幅に削減されました。
  • 定性的効果:担当者の声「外部委託の納期と費用に悩むことがなくなり、急な変更にも迅速に対応できるようになった。インストラクターが本来の教育業務に集中できるようになった効果は大きい」
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

東京ガスのLMS導入事例。自社・協力会社が混在する8万IDの管理とeラーニングの課題を『CAMPUS』で解決!研修DX、…

【全社での知識・スキルの標準化】株式会社イトーヨーカ堂(小売)

雇用形態や勤務地に関わらず、全従業員が平等な教育機会を得られるように、eラーニングを活用して知識・スキルを標準化した事例です。

導入前の課題

研修が関東での対面形式に限られていたため、遠隔地の従業員や勤務時間に制約のあるパートナー従業員(パートタイマー)との間に教育格差が生じていました。また、コロナ禍で対面研修が中止となり、特に食品加工などの専門技術の継承が困難になるというリスクが顕在化。全社で知識・スキルを標準化し、底上げする仕組みがありませんでした。

導入の目的

雇用形態や勤務地に関わらず、全従業員に分け隔てなく平等な教育機会を提供すること。LMSを導入し、肉や魚のさばき方といった専門技術から接客の基本まで、あらゆる知識・スキルを動画などで標準化し、いつでも誰でも学べる環境を構築することで、全社的なレベルアップを目指しました。

導入のプロセスと決め手

コロナ禍で技術継承の重要性が高まり、LMS導入が本格化。決め手は、個別のメールアドレスを持たないパートナー従業員も登録できる「社員番号でのID登録」が可能だった点です。全従業員を網羅する標準的な教育基盤の構築に不可欠でした。

成功のための施策・工夫

肉や魚の切り方といった技術教育の動画は、学習者が真似しやすいように「本人目線」で撮影するなど、分かりやすさを徹底。作成した675本のコンテンツは部門の垣根なく全従業員に公開し、他部門の業務理解や知識の横展開を促進しました。

導入後の効果

  • 定量的効果:全従業員を対象としたeラーニングで、受講率96%超を達成。
  • 定性的効果:雇用形態や勤務地による教育格差が解消され、全社で標準化されたスキルを学べる環境が実現。上位役職者の会話にもLMSの愛称「マイスキルNAVI」が登場するようになり、全社的な学習基盤としての認知度が向上しました。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

人々の暮らしに、食料や日用品などの買い物は切っても切り離せません。コロナ禍によって、1カ所で買い物を済ますこと…

【全社での知識・スキルの標準化】株式会社ポーラ(製造・販売)

全国展開するビューティーディレクター(BD)への教育を、eラーニングと対面研修を組み合わせた「ブレンディッドラーニング」で標準化し、教育効果と効率を向上させた事例です。

導入前の課題

全国3万人以上のBDへの教育は対面や紙ベース中心。そのため、場所や時間によって受講機会にばらつきがあり、均一な教育を提供することが困難でした。また、学習履歴やスキル検定の結果がデータとして蓄積されておらず、全社的な育成状況を可視化し、教育レベルを標準化する仕組みがありませんでした。

導入の目的

全国にいる3万人以上のBDに対し、場所や時間に縛られずに標準化された高品質な教育を提供すること。学習状況やスキル検定の結果を一元管理・可視化することで、全社的な教育水準の向上を図り、海外拠点も含めたグローバルでの教育品質を標準化することを目指しました。

導入のプロセスと決め手

3万人規模のアカウントを安定運用できる実績と、学習状況の可視化や管理機能が充実している点を評価。複雑な人事・売上情報とのデータ連携が可能なことや、システムの将来性も決め手となり、全社的な教育標準化の基盤としてLMS導入を決定しました。

成功のための施策・工夫

知識習得はLMS、実技は対面と役割を分ける「ブレンディッドラーニング」を導入。これにより、全国のBDが標準的な知識を事前に学んだ上で実技に臨めるようになり、教育の質と効率が向上しました。また、多様な年代のBDが直感的に使えるようLMSのトップページを改善し、情報へのアクセスしやすさを標準化しました。

導入後の効果

  • 定量的効果:LMSリニューアル後、BD一人あたりの学習コンテンツ修了数が1.8倍に増加。海外9拠点でも活用が広がり、グローバルでの学習機会が拡大しました。
  • 定性的効果:全国のBDが均質な教育を受けられるようになり、学習履歴やスキル検定の結果も一元管理が可能に。担当者の声「コロナ禍でLMSが唯一全国に発信できるツールとなり、ブレンディッドラーニングの活用で、よりお客さまとの時間を優先できるようになった」
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

「お客さま一人ひとりの美を引き出し、自分の人生を自ら演出する」ことを実現するために、ポーラ店舗やサロンでお客さ…

【全社での知識・スキルの標準化】トヨタ紡織株式会社(製造業)

これまで困難だった海外拠点への技術専門教育の展開に成功し、国内外の全従業員に標準的な教育を提供できた事例です。

導入前の課題

従来のeラーニングは多言語や動画、スマートフォンに対応しておらず、国内外の全従業員に標準的な教育を提供する環境がありませんでした。特に海外拠点に対しては、講師を派遣するなど限定的な対応しかできず、設計・開発に必要な基礎知識などを網羅的かつ安定的に展開することが困難でした。

導入の目的

多言語対応が可能なLMSを導入し、国内外の拠点を問わず、全従業員が必要な知識・スキルを標準的に習得できる教育基盤を構築すること。これにより、場所や時間に縛られずに学習機会を提供し、組織全体のレベルアップを図ることを目指しました。

導入のプロセスと決め手

旧システムのサポート終了を機に、人事部主導のワーキンググループで新システムを検討。決め手は、自社の運用形態への適合性でした。教育を主催する部署が複数あり、管理者が100人規模になることを見据え、大規模な管理者体制での運用に適したLMSを選定しました。

成功のための施策・工夫

LMSの利用目的を「受講実績を管理する必要がある公式教育」と明確に定義し、全社的な運用ルールを策定。また、ルールや活用事例を共有するポータルサイトを設け、国内外の拠点がスムーズに利用できる環境を整備しました。知識習得はeラーニング、実技は対面と、教育効果を最大化するハイブリッドな手法を選択しました。

導入後の効果

  • 定量的効果:LMSの累計受講者数が国内外で約43万人に到達。研修の申込からテストまでを一元化したことで、年間約300時間の管理工数を削減しました。
  • 定性的効果:多言語対応により、これまで困難だった海外拠点への標準的な技術専門教育の展開に成功。担当者の声「必要な人に必要な教育を、必要なときに届けられるようになった。コロナ禍でも教育を停滞させずに済んだ」
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

自動車のインテリア・エクステリア、ユニット部品、航空機のシートなどを製造するトヨタ紡織株式会社(以降、トヨタ紡…

【コンプライアンス教育の徹底】双日株式会社(総合商社)

グローバルなコンプライアンス教育の徹底をeラーニングで実現した事例です。

導入前の課題

グローバル化やコンプライアンス意識の高まりを背景に、法務部が対応すべき領域が拡大。従来の集合研修では実施回数や人数に限りがあり、全世界の従業員にコンプライアンス教育を徹底することが困難でした。また、以前利用していた海外製のeラーニングシステムは運用が煩雑で、迅速な対応ができないことも課題でした。

導入の目的

リーガルテックの一環としてLMSを導入し、コンプライアンス教育の「頻度」と「質」を向上させること。場所や時間の制約なく、全世界の従業員に対して繰り返し学習する機会を提供し、コンプライアンスの徹底を図ることを目的としました。

導入のプロセスと決め手

以前利用していた海外ベンダーのシステムでは、コンテンツの更新や受講者管理のたびに煩雑なやり取りが発生していました。その課題を解決するため、自社で直接コンテンツを管理・配信できるLMSを導入。PowerPointなどで作成した資料を簡単に教材化でき、迅速な情報展開につながる点も評価しました。

成功のための施策・工夫

市販の画一的なコンテンツに頼らず、自社の社内ルール(腐敗行為防止ルールなど)や業務に直結する法令(下請法など)を、自前でeラーニング教材として作成。これにより、自社の実態に即した、より実践的で理解度の高いコンプライアンス教育を実現しました。

導入後の効果

  • 定性的効果:集合研修の物理的な制約がなくなり、全世界の従業員に十分な教育機会を提供できる体制が構築できました。担当者の声「eラーニングによって、コンプライアンス教育の頻度と質を高められた。自社で教材を作成・配信できることは、コストや手間の面だけでなく、教育効果の面でも大きな違いを生み出しています」
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

テクノロジーの力で企業の法務力を強化する「リーガルテック」に注目が集まっています。 リーガルテックの導入を積極的に推進す…

【コンプライアンス教育の徹底】株式会社タカラトミー(メーカー)

多言語対応のLMSを導入し、eラーニングやグローバルな情報配信でコンプライアンス意識の浸透に成功した事例です。

導入前の課題

過去の不祥事を教訓に、コンプライアンス方針や行動規範をグループ全体で徹底する必要がありました。しかし、グループ会社は国内外に点在するため、多様な文化や法令に対応しつつ、全従業員に一貫したメッセージを浸透させるための共通のプラットフォームが存在しないことが課題でした。

導入の目的

国内外の全グループ従業員と直接つながる情報共有の「インフラ」を構築すること。多言語対応のLMSを導入し、行動指針研修や各種コンプライアンス情報をeラーニングや動画で発信することで、コンプライアンス意識をグループ全体に浸透・徹底させることを目指しました。

導入のプロセスと決め手

「全グループにタカラトミーとしての方針をきちんと伝える」という明確な目的のもと、国内外の全従業員とつながる唯一の共通システムとしてLMSを導入。eラーニングだけでなく、あらゆるコンプライアンス活動の基盤として活用することを前提としていました。

成功のための施策・工夫

eラーニング配信に加え、メールマガジン、動画共有、アンケート調査など、LMSの機能を多角的に活用。また、各部門に「コンプライアンスリーダー」を設置し、LMSで提供されるデータを基に各部門が自主的に改善活動を進める体制を構築。やらされ感のない、従業員一人ひとりが「自分事」として捉えるコンプライアンス活動を推進しました。

導入後の効果

  • 定量的効果11カ国・8言語でのグローバルな情報配信やeラーニング研修を、わずか3名の運用担当者で実現しています。
  • 定性的効果:LMSが国内外のグループ会社をつなぐ唯一の「コンプライアンス・インフラ」として機能。タカラトミーとしての方針を、海外拠点を含めた全従業員に迅速かつ効率的に伝達できるようになり、コンプライアンスの徹底に貢献しています。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

タカラトミーグループでは、LMS(学習管理システム)を活用してグループ全社員との繋がりを構築し、個々の社員がコンプライア…

【人材育成・キャリア形成】株式会社サザビーリーグ(小売・飲食)

全国展開する店舗スタッフのリテンション向上と、スタッフの自律的キャリア形成を支援するために、eラーニングとコミュニケーション機能を兼ね備えたLMSを導入した事例です。

導入前の課題

全国に展開する店舗スタッフのリテンション向上が経営課題でした。しかし、本部と店舗スタッフを直接つなぐコミュニケーション手段がなく、会社の想いやキャリア形成に関する考え方が伝わりにくい状況でした。また、スタッフが自らのキャリアを主体的に考えるための支援の仕組みも不足していました。

導入の目的

当初はリテンション向上を目的としていましたが、コロナ禍を経て、スタッフ一人ひとりが自らの「ありたい姿」に向かって主体的に成長する「自律的キャリア形成」の支援へと目的が進化。LMSを、教育だけでなく、キャリア相談や資格取得支援などあらゆる情報を提供する総合プラットフォームとして構築することを目指しました。

導入のプロセスと決め手

eラーニングなどの「教育機能」と、スタッフと直接つながる「コミュニケーション機能」の双方がバランス良く充実していた点を評価。小売業での導入実績が多く、運用イメージを描きやすかったことも決め手となり、LMSの導入を決定しました。

成功のための施策・工夫

これまで本部に限定されがちだった経営情報なども含め、LMSを通じて全スタッフに情報をオープン化。また、資格取得支援では現在の業務に直結しないものも承認するなど、スタッフ個人の「ありたい姿」を尊重する制度で、自律的な学びを後押ししました。

導入後の効果

  • 定量的効果:LMSを通じたオンラインでのキャリア相談件数が、コロナ前の2.8倍に増加し、相談エリアも全国に拡大しました。
  • 定性的効果:本部と店舗スタッフとの直接的なコミュニケーションが活性化。LMSがキャリア形成支援の総合プラットフォームとして認知され、自律的に学ぶ文化が醸成されつつあります。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

コロナ禍は、生活者の価値観や消費行動を大きく変えたと言われています。緊急事態宣言によって休業を余儀なくされた小…

【人材育成・キャリア形成】アサヒグループジャパン株式会社(メーカー)

十分に活用されていなかった既存のeラーニングシステムを刷新し、社員のキャリア形成を支援するプラットフォームへと転換させた事例です。

導入前の課題

旧eラーニングシステムは、月間500PVと利用率が極端に低く、昇格に必要な研修以外はほとんど使われていませんでした。教材内容も従業員の自己研鑽を促すには不十分で、社員一人ひとりの主体的な学びやキャリア形成を支援するプラットフォームとして機能していないことが課題でした。

導入の目的

形骸化していたeラーニングシステムを刷新し、単なる「学びの場」から、従業員が自分らしいキャリアを形成するために主体的に学ぶ「キャリアを作っていく場」へと転換させること。従業員一人ひとりの現在の職務や、将来目指すキャリアパスに応じた学習機会を提供し、その成長を後押しすることが目的でした。

導入のプロセスと決め手

新システムには、画一的な教材を提供する「ビュッフェ型」ではなく、職種とステージに応じて最適なスキルや教材を届ける「デリバリー型」のコンセプトを要件としました。このコンセプトが、個々のキャリア形成支援に最も合致すると考え、それを実現できるLMSを選定しました。

成功のための施策・工夫

職務とステージを体系化した「ジョブディビジョンスキル表」とLMSを連携させ、「将来目指したい職種に必要なスキル」を可視化。また、社内の多様な仕事を紹介するコンテンツ「シゴト人」を提供し、従業員が具体的なキャリアパスを描けるように支援しました。

導入後の効果

  • 定量的効果:システム刷新後、月間平均PVが12倍(500PV→6,000PV)に増加。全社員が月1回以上ログインする、認知度の高いシステムになりました。
  • 定性的効果:従業員がキャリアについて考えるきっかけとなり、主体的な学びが活性化。「『シゴト人』を読んでキャリアデザインシートの参考にした」という声も上がるなど、従業員のキャリア形成に直接的に貢献するプラットフォームへと進化しました。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

2018年にeラーニングシステムを一新すると、月平均PVは12倍に拡大。なぜ、そのような利用率の拡大が実現できたのでしょ…

【特定部門における「スモールスタート」での導入】株式会社テンポイノベーション(不動産)

オリジナルeラーニング教材を制作して、営業部門における新入社員研修の効率化と定着率向上を実現した事例です。

導入前の課題

営業部門において、新入社員が一人前になるまで2〜3年を要し、定着率が低いことが課題でした。研修は各チームのリーダーがOJTと並行して行っており、1チームあたり約100時間を費やすなど担当者の負担が非常に大きく、また担当者によって教え方にばらつきがあり、研修の質が均一ではありませんでした。

導入の目的

まず営業部の新入社員研修にスコープを絞り、研修方法を改善すること。社内に点在していた口頭伝承中心のノウハウを体系的な動画教材にすることで、研修の質を標準化し、担当者の負担を軽減。これにより、新入社員の早期戦力化と定着率向上を図ることが目的でした。

導入のプロセスと決め手

全社的なシステム導入ではなく、まず特定部門の課題解決のため、動画教材の制作を外部に委託する形でスモールスタート。複数社を比較検討した結果、依頼内容を的確に理解しアウトプットする「咀嚼力」と、スピーディーな対応が高く評価され、依頼先を決定しました。

成功のための施策・工夫

動画教材を視聴するだけでなく、視聴後に必ず担当者との1on1を実施し、理解度を確認するプロセスを導入。動画で基礎知識をインプットし、対話で理解を深めるというハイブリッドな研修方法で学習効果を高めました。また、アニメーションを活用することで、専門的な内容も視覚的に分かりやすくしました。

導入後の効果

  • 定量的効果:研修担当者の時間的負担が大幅に軽減。導入後1年間で、新入社員の退職者はほとんどいなくなり、定着率が大きく向上しました。
  • 定性的効果:研修の質が均一化され、新入社員はいつでも同じクオリティで学べるように。担当者は、知識伝達の負担が減った分、新入社員のケアやフォローに時間を充てられるようになりました。
株式会社ライトワークス | 人材開発ソリューションパートナー

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企業事例から導き出す!eラーニング導入を失敗させない5つの法則

多くの企業の事例を分析すると、eラーニング導入を成功に導く共通のパターンが見えてきます。これらの「法則」を理解し、自社の導入に活かすことで、失敗のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

法則1:「何のためか」目的を明確にし、全社で共有する

目的が曖昧なままeラーニングを導入すると、「システムを導入すること」が目的化してしまい、本来解決したかった課題が置き去りになってしまいます。

具体的な取り組み方

  • 解決したい課題を具体的に言語化する(例:「営業スキルの標準化により売上を20%向上させる」)
  • 目的を全社で共有し、関係部署の理解と協力を得る
  • 目的達成の指標(KPI)を設定し、定期的に効果測定を行う

成功のポイント

「研修のデジタル化」ではなく、「事業課題の解決手段としてのeラーニング」という視点を持つことが重要です。

法則2:経営層を巻き込み、トップダウンで推進する

eラーニングの導入は、単なるシステム導入ではなく、企業の学習文化を変革する取り組みです。組織全体を巻き込むには、経営層のコミットメントが不可欠です。

具体的な取り組み方

  • 経営層に導入の意義と期待効果を明確に伝える
  • 予算確保だけでなく、推進への積極的な関与を求める
  • 経営層から全社への導入意義の発信を依頼する

成功のポイント

「人事部だけの取り組み」ではなく、「経営戦略の一環」として位置づけることで、組織全体の協力を得やすくなります。

法則3:いきなり完璧を目指さず「スモールスタート」で始める

大規模な導入を一気に行うと、問題が発生した際の影響範囲が広く、修正も困難になります。小さく始めて段階的に拡大することで、リスクを最小化できます。

具体的な取り組み方

  • 特定の部署や職種から試験的にスタートする
  • 限定したコンテンツから始めて、効果を確認しながら拡大する
  • パイロット運用での課題を洗い出し、本格運用前に改善する

成功のポイント

完璧なシステムを最初から求めるのではなく、「まず始めて、改善しながら育てる」という姿勢が重要です。

法則4:「導入して終わり」にしない運用体制と促進の仕組みを作る

eラーニングシステムを導入しただけでは、従業員が自発的に学習するとは限りません。継続的な学習を促進する仕組みづくりが成功の鍵となります。

具体的な取り組み方

  • 学習進捗の定期的な確認とフォローアップ体制を構築する
  • 管理職による部下の学習状況把握と声かけを仕組み化する
  • 学習完了者への表彰制度や、学習成果を人事評価に反映する制度を設ける
  • 定期的な効果測定と改善サイクルを回す

成功のポイント

「システムを提供する」だけでなく、「学習する文化を作る」ことに注力する姿勢が重要です。

法則5:学習者目線で「学びたい」と思えるコンテンツを用意する

どんなに優れたシステムを導入しても、コンテンツが魅力的でなければ学習者の関心を引くことはできません。学習者が「学びたい」と思える内容と形式を提供することが重要です。

具体的な取り組み方

  • 業務に直結する実践的な内容を中心とする
  • 動画、アニメーション、インタラクティブな要素を取り入れて飽きさせない
  • 短時間で完結する「マイクロラーニング」形式を活用する
  • 学習者の声を定期的に収集し、コンテンツの改善に反映する

成功のポイント

「会社が学ばせたい内容」ではなく、「従業員が学びたい内容」を起点にコンテンツを企画することが重要です。

自社に最適なeラーニングシステムの選び方

eラーニング導入の成功法則を理解したところで、次は具体的なシステム選定に進みましょう。数多くのeラーニングシステムが存在する中で、具体的にどのような観点で「自社に最適かどうか」をチェックすれば良いのでしょうか。

eラーニングシステム選定の5つのポイント

自社に最適なeラーニングシステムを選ぶためのポイントをご紹介します。

1:機能面での確認事項

  • 学習進捗の詳細な管理機能があるか
  • テストやアンケート機能で理解度を測定できるか
  • レポート機能で学習データを分析できるか
  • モバイル対応で、いつでもどこでも学習できるか

2:操作性の重要性

  • 学習者が直感的に操作できるユーザーインターフェースか
  • 管理者が簡単にコンテンツを登録・管理できるか
  • 無料トライアルで実際の操作感を確認できるか

操作性については、実際に触ってみることが重要です。多くのベンダーが無料トライアルを提供しているので、必ず活用しましょう。

3:コンテンツの充実度

  • 自社の業界や職種に適したコンテンツが用意されているか
  • 自社で作成した教材をアップロードできるか
  • コンテンツの更新頻度や品質は適切か
  • 多言語対応が必要な場合、対応しているか

4:サポート体制

  • 導入時の設定や初期設定をサポートしてもらえるか
  • 運用開始後も継続的なサポートを受けられるか
  • トラブル発生時の対応スピードは適切か
  • 担当者向けの研修やマニュアルが充実しているか

5:料金体系の透明性

  • 料金体系が分かりやすく、隠れたコストがないか
  • 自社の規模(従業員数)に適した料金設定か
  • 将来的な規模拡大に対応できる柔軟な料金体系か
  • 初期費用と月額費用のバランスは適切か

自社に最適なeラーニングシステムを診断

自社に最適なeラーニングシステムを、3つの観点から診断してみましょう。

1:eラーニングの主な目的は何ですか?

eラーニングを実施する目的によって、優先する項目が異なります。

eラーニングの主な目的と優先項目
図1: eラーニングの主な目的と優先項目

2:eラーニングにかけられる予算規模は?

eラーニングの導入・運用にかけられる予算によって、eラーニングシステムの機能も変化します。

eラーニングにかけられる予算規模とeラーニングシステムの機能
図2:eラーニングにかけられる予算規模とeラーニングシステムの機能

3:eラーニング導入後の運用体制は?

eラーニング導入後の運用体制を考慮して、ベンダー側に求める要件を整理しましょう。

eラーニング導入後の運用体制とベンダー側に求める要件
図3:eラーニング導入後の運用体制とベンダー側に求める要件

この診断を参考に、自社の状況に最も適したシステムタイプを検討してみてください。

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まとめ

本記事では、eラーニング導入を成功に導くための重要なポイントを、実際の成功事例を交えながら解説してきました。

eラーニング導入の背景とメリット

  • 働き方の多様化やDXを背景に導入が加速しています
  • メリットは「コスト削減」「教育の標準化」「学習データの活用」です

eラーニング導入の成功事例

  • 「研修効率化」や「スキル標準化」など、企業のさまざまな課題を解決しています
  • 成功の鍵は、LMSや動画などを活用した自社に合わせた工夫です

失敗しないための5つの法則

成功には「明確な目的」「経営層の関与」「スモールスタート」「運用体制」「魅力的なコンテンツ」が不可欠です。

最適なシステムの選び方

  • 「機能、操作性、コンテンツ、サポート、料金」を総合的に比較します
  • 自社の目的と体制に合ったシステムを選ぶことが成功の第一歩です


eラーニングは、正しく導入・運用すれば、企業の成長を加速させる強力なツールになります。しかし、単にシステムを導入するだけでは効果は期待できません。

本記事でご紹介した成功法則を参考に、自社の課題と目的を明確にした上で、計画的に取り組むことが成功への近道です。まずは自社の課題を整理し、情報収集から始めてみましょう。

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