研修テーマはどう決める?人気テーマ一覧と失敗しない選定方法4ステップ

「来年度の研修テーマ、どうしよう…」

「経営層からはDXやAIなど流行のテーマを指示されるが、現場からは『もっと実務的な内容にしてほしい』と言われている…」

人材育成・研修担当者の皆様は、毎年このような「板挟み」の悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

研修テーマの選定が難しい理由の1つは、経営層が求める「戦略的な視点」と、現場が求める「実践的なニーズ」の2つを同時に満たす必要があることです。

どちらか一方に偏ると、経営層から「戦略性がない」と指摘されたり、従業員が「やらされ感」を抱いたりして、十分な効果を得られないまま研修が終わってしまいます。

この記事では、研修担当者の皆様が自信を持ってテーマを決定できるよう、人気の研修テーマ一覧や、失敗しない研修テーマの決め方 4ステップ、研修を戦略的人材開発につなげる方法を解説します。ぜひ研修のテーマ選定にお役立てください。

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研修テーマはどう決める?人気テーマ一覧と失敗しない選定方法4ステップ

AIで要約

  • 研修テーマの選定において最も重要な軸は、経営戦略と人材戦略を連動させ、研修を「経営課題を解決するための手段」として位置づけることです。
  • 経営層が描く理想の人材像と現場が直面しているスキルの現状を比較し、その乖離を埋めるテーマを抽出することで、戦略性と実効性を両立した教育計画を策定できます。
  • 研修を単発の施策で終わらせず、学習管理システム上でスキルマップと各講座を紐付ける仕組みを構築することが、従業員の自律的な学習と着実な能力開発を促す鍵となります。

【目的別・階層別】人気の研修テーマ一覧

企業がどのような研修に取り組んでいるのか、人気のテーマを見てみましょう。自社の課題と照らし合わせながらご覧ください。

人気の研修テーマ

【目的別】近年の重要・人気テーマ

まずは、近年、社会環境や働き方の変化に伴い、特に重要視されているテーマを紹介します。

カテゴリ具体的な研修テーマ例導入の目的・背景
DX・リスキリングDX基礎、データ活用、リスキリング企業の競争力維持、ビジネスモデル変革の推進
AI基礎生成AI基礎、プロンプトエンジニアリング全従業員のリテラシー向上、業務効率化
リスク管理情報セキュリティ、コンプライアンス、ハラスメント企業ブランドの保護、ネット炎上対策、法令順守
エンゲージメントメンタルヘルス、マインドフルネス、キャリア自律定着率向上、生産性向上、キャリアオーナーシップの醸成
ビジネススキルコミュニケーション、ロジカルシンキング、デザイン思考ハイブリッドワークへの適応、イノベーション創出

DX・リスキリング

DXやリスキリングは、企業の競争力維持に直結するテーマです。単なるITツール研修ではなく、デジタル技術を活用してビジネスモデル自体の変革を推進できる「DX人材」の育成が求められています。

そのための具体的な手法が「リスキリング」です。リスキリング(Reskilling)とは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と経済産業省は定義しています1

似た言葉に「リカレント教育」がありますが、こちらはより広範な「学び直し」を意味し、個人のキャリア全体を見据えた生涯学習の概念です。このような従業員の学び直しを企業戦略としてどう支援するかが問われています。

AI基礎

生成AIの急速な普及により、全従業員のリテラシー向上が急務となりました。AIを「使う側」としての基礎知識や、業務で安全かつ効果的に活用するためのルールが主要テーマとなります。

AIの基本概念、業務における活用の可能性、そして情報漏えいや著作権などのリスクを正しく理解することが不可欠です。

受講対象者が全社に及ぶため、場所や時間を選ばずに効率的に学べるeラーニングの活用がおすすめです。

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リスク管理:情報セキュリティ・コンプライアンス・ハラスメント

情報セキュリティ・コンプライアンス・ハラスメントに関する研修は、企業の信頼を守るリスクマネジメントの観点から、依然として最重要テーマです。

サイバー攻撃の多様化・高度化による情報セキュリティリスクの増大への対応や、従業員のSNS利用によるネット炎上対策は、企業ブランドを守る上で欠かせません。

さらに、法令で企業側に防止対策が義務づけられている、さまざまなハラスメントへの対応も求められます2

しかし、このような重厚な研修テーマは、大多数の受講者にとっては堅苦しく、退屈に感じられるものです。受講者が研修内容を「自分ごと」として捉え、理解を深めてもらうには、図解を活用する、事例の伝え方を工夫するなど、研修の実効性を高めるアプローチが重要です。

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エンゲージメント:メンタルヘルス・キャリアアップ

メンタルヘルス・キャリアアップは、従業員のエンゲージメントや定着率向上に直結する研修テーマです。ストレス対処法としてのメンタルヘルスケアや、従業員が主体的にキャリアを考えるキャリア自律の意識の醸成が注目されています。

特に、ストレス対処法や集中力向上を目的とした「マインドフルネス研修」は、従業員のメンタルヘルスケアと業務効率改善の両面で効果が期待できます。

また、従業員が主体的にキャリアを設計し、自律的に行動することを促すキャリアオーナーシップの支援は、個人の成長と組織の活性化に不可欠な取り組みとして重要度を増しています。

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ビジネススキル:コミュニケーション・思考力

オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークの普及により、対面・非対面を問わないコミュニケーション能力や論理的思考力が改めて見直されています。

研修内容としては、業務を円滑に遂行したり、上司や同僚等との信頼関係を構築したりする方法など、自社における適切なコミュニケーションの習得が大きな柱となります。

加えて、オンライン会議などでは特に重要となる、表情や声のトーンといったノンバーバルコミュニケーション(非言語)のスキルも人気のテーマです。

また、円滑なチーム運営のため、怒りの感情と上手く付き合うアンガーマネジメントや、顧客の潜在ニーズを引き出し、革新的な解決策を生み出すための思考プロセスとしてデザイン思考を導入する企業も増えています。

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【階層別】定番研修テーマ

企業の継続的な成長のためには、従業員の成長段階に合わせた定番の階層別研修が不可欠です。ここでは、各階層のよくある課題と育成ゴールを踏まえ、効果的な研修テーマを紹介します。

対象階層主な課題育成ゴール推奨テーマ例
新入社員社会人基礎スキルの不足早期戦力化、マインドセット転換・ビジネスマナー
・タイムマネジメント
・社会人基礎力
若手社員 (3〜5年目)指示待ちからの脱却、業務遂行力の強化自律・主体性の発揮、次世代リーダーの基礎づくり・ロジカルシンキング
・ポータブルスキル
・フォロワーシップ
中堅社員技術継承の停滞、チームへの関与不足チームの牽引(けんいん)、プレイングマネージャーとしての活躍・OJTトレーナー研修
・チームビルディング
・ファシリテーション
管理職部下支援の不足、プレイング業務への偏り組織成果の最大化、次世代人材の育成・リーダーシップ
・人事評価/1on1
・コーチング
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本稿では、階層別研修とは何かというところから、各研修の目的や効果、見直す際のポイントまで、具体的なテーマの例を挙げながら…

新入社員:ビジネスマナー、社会人マインドセット

  • 主な課題:社会人基礎スキルの不足
  • 育成ゴール:社会人基礎力の習得と早期の戦力化

新入社員研修は、学生から社会人へのマインドセット転換を促し、早期戦力化を目指すための重要なステップです。

具体的な研修内容としては、先輩や上司、取引先など周囲との信頼関係の土台となるビジネスマナーや、経済産業省が提唱する、仕事をするために必要な社会人基礎力3の習得が挙げられます。

同時に、業務の生産性に直結するタイムマネジメントや、報連相の基礎となるコミュニケーションスキルを体系的に学ぶことで、スムーズな組織への適応と社会人基礎スキルの習得を促進します。

また、新入社員の指導は、現場の若手社員が担う場合も少なくありません。通常業務と並行して新人教育を行わなければならない彼らの負荷を軽減するには、eラーニングの活用も有効です。

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若手社員:ビジネススキル、ロジカルシンキング、コミュニケーション

  • 主な課題:社会人基礎スキルからのステップアップ、業務遂行力(報連相、タスク管理)の強化
  • 育成ゴール:中核人材の候補としての思考力と実行力の基礎習得

おおよそ入社3〜5年目の若手社員は、業務の基礎を習得し、次のステップアップが求められる時期です。基礎スキルからのステップアップを促すため、若手社員研修では、指示待ちではなく主体性を発揮して業務を改善・遂行する力を養います。

中核人材としての思考力・実行力の基礎構築に向け、物事を整理し、筋道を立てて伝えるロジカルシンキングや、チームの生産性を高めるコミュニケーションスキルは必須です。

さらに、どのような現場でも通用するポータブルスキルの習得や、リベラルアーツを学び、幅広い教養を身に付け視野を広げることも、グローバル人材や次世代リーダー候補としての基盤を強固にします。

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若手社員は、会社に慣れて実務も一通りこなせるようになる一方で、仕事観が曖昧な層でもあります。彼らが働く意味を見出し大きく…

中堅社員:OJT、チームビルディング、リーダーシップ、ファシリテーション

  • 主な課題:技術継承の課題解決、現場のチーム力向上
  • 育成ゴール:プレイングマネージャーとしてチームを牽引できる人材となる

中堅社員は、エースプレーヤーであると同時に、チームや後輩を牽引する次世代リーダー候補としての役割も期待されます。

しかし実際の現場では、自身の業務に集中し過ぎてチームメンバーへのフォローが不足する、ベテランの暗黙知をうまく若手に引き継げないといった問題を抱えているケースが見られます。

中堅社員研修は、こうした課題を解決し、チームを導ける人材を育成することが主な目的です。

技術継承を体系化するOJTの計画スキル、後輩の主体性を引き出す傾聴、チームを導き成果を最大化するリーダーシップや交渉力などが、現場の中核として機能するために不可欠なテーマです。

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OJT計画書とは、新入社員がOJTで学ぶ研修内容や研修計画をまとめた計画書です。この記事では、OJT計画書が必要な理由や…

管理職:リーダーシップ、人事評価、コーチング

  • 主な課題:画一的または場当たり的指導による部下への支援不足
  • 育成ゴール:適切に次世代育成ができる管理職となる

管理職研修でおすすめのテーマは、管理者の能力に関係する理論を基としたフレームワーク「カッツモデル」において必要とされる、以下の3つに関連するスキルです。

  • ヒューマンスキル:多様な価値観を受け入れ部下と信頼関係を築く
    ⇒ 部下との対話・1on1・心理的安全性づくり
  • コンセプチュアルスキル:状況を的確に判断し意思決定を行う
    ⇒ 問題解決・判断力・戦略思考
  • テクニカルスキル:高度な業務遂行の土台となる
    ⇒ 業務知識・プロジェクトマネジメント

これらのスキルは、管理職としてリーダーシップを発揮するための基盤であり、部下の育成・指導、人事評価など、管理職の業務にあたってはいずれも欠かせません。

短期的な業績管理だけではなく、長期的な視点で部下の成長を支えるためには、キャリアに寄り添い潜在能力を引き出すコーチングも重要なテーマです。部下との対話力を強化し、主体性を促すマネジメントスタイルを身に付けることで、次世代のリーダー育成につながります。

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「部下が思うように育たない」「チームの成果が上がらない」 多くの管理職が、このよ […]…

受講者の能動性を引き出す実効的学習スタイル

現場から「また座学か…」とため息が漏れる研修は、内容が良くても効果が半減してしまいます。研修のマンネリ化を防ぐには、「ゲーム性」「参加者の主体性」「他者との関わり」の3要素を織り込むことが有効です。

例えば、コンセンサス(合意形成)を学ぶ「NASAゲーム」や、チームビルディングを目的とした「ペーパータワー」といったゲーム性のあるグループワークは、参加者の主体性を引き出し、他者との関わりの中で実践的にスキルを学ぶことができます。

また、近年では「VR研修」も注目されています。特にクレーム対応や安全教育、ヒヤリハット体験など、テキストでは伝わりにくい内容も、VRはリアルで実践的な体験を提供できます。安全な環境で何度でも反復練習できるため、学習内容の定着に高い効果が期待されています。

このように、座学(インプット)だけでなく、ゲームやロールプレイング(アウトプット)を取り入れ、学習内容の定着を図りましょう。

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VR研修とは、VR(仮想現実)技術を用いた体験型の研修です。これまで場所や設備を借りなければいけなかった内容も、VR技術…

研修テーマ選びで失敗しないための最大のポイント

第1章では人気テーマを多数紹介しましたが、これらをそのまま導入するだけでは、せっかくの研修が失敗に終わってしまうかもしれません。例えば、以下のような状況に陥る可能性があります。

失敗例1:現場のニーズに合っていない

経営層に指示され、流行の「DX研修」をeラーニングで全社導入。しかし、現場の実務とかけ離れた内容だったため、従業員にやらされ感が蔓延(まんえん)。受講率は低迷し、スキルも定着しなかった。

失敗例2:経営戦略に合っていない

現場の要望に応え、実践的な「Excel研修」や「ビジネスマナー研修」を拡充。現場の満足度は上がったが、経営層からは「目先のスキルばかりだ。会社の成長戦略にどう貢献するのか?」と戦略性の低さを指摘された。

これらの失敗の根本原因は、研修テーマ選定の「軸」があいまいな点にあります。

研修テーマ選びで失敗しないための最大のポイントは、「経営戦略と人材戦略の連動」という軸を持つことです。

これは、経済産業省が公表した「人材版伊藤レポート2.0」4で示されている、持続的な企業価値向上を図る人的資本経営の考え方そのものです。このレポートにおいても、経営戦略の実現を担う人材を育成することの重要性が強調されています。

研修は「経営戦略を実現するための手段」です。この軸さえブレなければ、経営層の期待と現場のニーズを両立させるテーマがおのずと見えてきます。

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研修テーマの決め方 4ステップ

では、具体的にどうやって「経営戦略と連動した研修テーマ」を決めればよいのでしょうか。

ここでは、中堅製造業「A社」の研修担当者の思考プロセスを例に、研修テーマの決め方を4つのステップで解説します。

Step 1. 経営戦略を基にした「あるべき人材像」の定義

まず、自社の経営戦略や中期経営計画を確認し、「会社が目指す姿」を実現するために必要な人材要件(To-Be)=研修ゴールを特定します。

【中堅製造業A社の例】

A社の研修担当者は、中期経営計画に「スマートファクトリー化による生産性30%向上」という全社戦略が掲げられていることを把握。

スマートファクトリー化を実現するためには「システムから上がってくる生産データを正しく読み解き、リソース配分の意思決定ができる現場の管理職が必要だ」という人材要件(=研修ゴール)を特定した。

Step 2. 現場の課題から「現状のスキル」の把握

次に、現場の課題(As-Is)を把握します。現場のマネージャーや従業員へヒアリングやアンケートを実施し、業務非効率やスキル不足といったペインポイント(弱み・マイナスポイント)を特定します。

【中堅製造業A社の例】

A社の担当者が製造部門のマネージャーにヒアリングを実施。すると、「新しい生産管理システムを導入したが、使いこなせる管理職がいない」「結局、長年の勘と経験に頼った非効率な生産管理が続いている」という課題(As-Is)が特定された。

Step 3. 理想と現実のギャップを埋めるテーマの決定

Step 1(To-Be)とStep 2(As-Is)で明確になったギャップこそが、研修で解決すべき課題です。このギャップを埋めるために、第1章で挙げたようなテーマ一覧を「自社用にカスタマイズ」し、優先順位を付けます。

【中堅製造業A社の例】

担当者は、経営層が求める「データに基づき意思決定できる管理職(To-Be)」と、現場の「管理職のITリテラシー不足(As-Is)」との間に明確なギャップがあると判断。このギャップを埋めるため、「管理職向けDX基礎研修」と「データ活用による生産管理実践研修」という優先すべき2つの研修テーマを導き出した。

Step 4. 研修の実施とコスト対策

研修テーマが決定したら、次は「実行」のフェーズです。しかし、ここで大きなハードルとなるのがコストです。特にDXやAIといった戦略的な研修は、コストが高額になりがちです。

予算を抑えるために活用したいのが、厚生労働省の人材開発支援助成金です。DXやAI研修は、「人への投資促進コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」といった助成金の対象となる可能性があります。

eラーニングの導入費用や経費も助成対象となるため、コストを抑えながら効果的な研修の実施が可能です(2026年1月8日現在)。

ただし、ビジネスマナーなど一般的な教養を身に付けるための研修や、法令で義務づけられている研修などは対象外となるケースが多いため、必ず最新情報を以下の厚生労働省ウェブサイトや、管轄の労働局でご確認ください。

【中堅製造業A社の例】

決定した2つのテーマ(「DX基礎研修」と「生産管理実践研修」)の見積もりを取ったところ、想定以上にコストがかかることが判明。経営層から「戦略性は理解するが、コストがかかりすぎる」と差し戻されそうになったが、人材開発支援助成金の制度を発見。コスト削減策として経営層に再提案することで、無事に承認を得ることができた。

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研修費用の相場や勘定科目について解説します。従業員や企業の成長に欠かせない社員研修について、研修の種類別の平均費用や、費…

LMSを活用して研修を戦略的人材開発につなげる

研修テーマを決定し、コストの課題もクリアしました。しかし、研修担当者の仕事はここで終わりではありません。最大の課題は、研修を「点」で終わらせず、個人のキャリアやスキルと「線」で結びつけ、いかに経営戦略の実現につなげるかです。

そのためには、LMS(学習管理システム)のようなプラットフォームの活用が極めて効果的です。

ここでは、LMSを活用して、研修を戦略的人材開発につなげる方法について提案します。

方法1:LMSによる研修の実施と管理

まず、研修の実施と管理を効率化します。例えば、基礎知識はeラーニングで、専門知識は少人数のグループワークで習得、といった使い分けをする場合、集合研修を含む研修管理機能があるLMSを導入すれば、受講管理や進捗(しんちょく)把握を一元化できます。

さらに受講者へ研修案内や課題提出のリマインドなど、細かな事務作業をオートメーション化し、担当者の負担を軽減します。

集合研修やeラーニングの管理を効率化! ⇒ ライトワークスのLMS「CAREERSHIP」の研修管理機能を詳しく見る

方法2:研修と「スキルマップ」の連動

最も重要なのが、研修と、従業員のスキルを一覧化したスキルマップを連動させることです。

具体的には、研修テーマとスキルマップのひも付けを行います。従業員は「なぜこの研修を受けるのか」「この学習が自分のキャリアにどうつながるのか」を直感的に理解するため、研修の「やらされ感」もなくなり、自律的な学習を強力に促進できます。LMSにスキルマップの機能があれば、ひも付けの作業もスムーズです。

しかし、「スキルマップを作成する方法が分からない」「作っても活用するのは難しいのでは?」とお悩みのご担当者様もいらっしゃると思います。このような場合は、スキルマップ構築支援のサービスを提供しているベンダーに相談してみるのもよいでしょう。

ライトワークスでも、スキルマップの構築から活用・定着までの伴走支援サービスを提供しています。

「やらされ感」を自律学習へ! ⇒ ライトワークスの「スキルマップ構築支援サービス」を詳しく見る

方法3:効果的な教材の提供

eラーニングや集合研修など形式を問わず、研修内容の定着には、質の高い教材が不可欠です。教材は、以下のように、市販とオリジナルのものに大きく分けられます。

市販のeラーニング教材

LMSで配信するeラーニング教材は、単品やパッケージでレンタルまたは購入が可能です。コンプライアンスやビジネス基礎スキルのほか、近年人気の「AI基礎研修」や「DX基礎研修」など、トレンドテーマを網羅した教材ライブラリを用意すれば、すぐに研修を開始できます。

企業が求める高クオリティ教材が充実! ⇒ ライトワークスのeラーニング受け放題サービス「まなびプレミアム」を詳しく見る

動画やスライドなどのオリジナル教材

自社独自のノウハウや経営理念浸透など、市販教材でカバーできない特殊なテーマは、内製することで、自社の資産として蓄積・展開できます。

教材作成機能が備わっているLMSであれば、PDFや動画等の研修資料から簡単・スピーディに教材を内製可能です。

高度な内容を教材にしたい、費用をかけてもクオリティにこだわりたいといった場合には、ベンダーに外注することも検討してみるとよいでしょう。

PowerPointや動画で簡単に教材作成! ⇒ ライトワークスのLMS「CAREERSHIP」の教材作成機能(eStudio)を詳しく見る

専門ユニットが教材企画からトータルサポート! ⇒ ライトワークスの「eラーニング教材制作サービス」を詳しく見る

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まとめ

研修テーマの決め方について、人気のテーマから戦略的な決定プロセスまで解説しました。研修テーマには、トレンドや階層別の定番があります。

トレンド・定番人気のテーマ

  • DX・リスキリング
  • AI基礎
  • リスク管理:情報セキュリティ・コンプライアンス・ハラスメント
  • エンゲージメント:メンタルヘルス・キャリアアップ
  • ビジネススキル:コミュニケーション・思考力

階層別の定番研修テーマ

新入社員:ビジネスマナー、社会人マインドセット

若手社員:ビジネススキル、ロジカルシンキング、コミュニケーション

中堅社員:OJT、チームビルディング、リーダーシップ、ファシリテーション

管理職:リーダーシップ、人事評価、コーチング

また、「NASAゲーム」や「ペーパータワー」のようなゲーム性のあるグループワークや、「VR研修」などの実効性がある研修スタイルは、研修のマンネリ化防止、受講者のやる気アップに有効です。

研修テーマ選びで失敗しないための最大のポイントは、「経営戦略と人材戦略の連動」という軸を持つことです。

経営戦略と連動した研修テーマは、以下の4ステップで決定・実施します。

Step 1. 経営戦略を基にした「あるべき人材像」の定義

Step 2. 現場の課題から「現状のスキル」の把握

Step 3. 理想と現実のギャップを埋めるテーマの決定

Step 4. 研修の実施とコスト対策

研修を「点」で終わらせず、個人のキャリアやスキルと「線」で結びつけ、経営戦略の実現につなげるには、LMS(学習管理システム)のようなプラットフォームの活用が効果的です。

LMSを活用して、研修を戦略的人材開発につなげる3つの方法を紹介しました。

方法1:LMSによる研修の実施と管理

方法2:研修と「スキルマップ」の連動

方法3:効果的な教材の提供

変化の激しい現代において、研修テーマの選定は、企業の存続と成長を左右する重要な経営判断の1つといえます。

経営戦略と現場のニーズを合致させた研修は、従業員のエンゲージメントを高め、組織全体のパフォーマンス向上へとつながります。LMSや助成金も活用しながら、持続的な価値を生み出す「人への投資」を実現していきましょう。

  1. リクルートワークス研究所 石原直子 人事研究センター長/主幹研究員「リスキリングとは -DX時代の人材戦略と世界の潮流-」,『経済産業省』2021年2月26日,p6,(閲覧日:2026年2月6日) ↩︎
  2. 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)」(閲覧日:2025年11月17日) ↩︎
  3. 経済産業省「社会人基礎力」(閲覧日:2025年11月17日) ↩︎
  4. 経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート2.0~」(閲覧日:2025年11月18日) ↩︎

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