人材育成とは?基本の考え方と手法一覧、成功事例を紹介
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「これからの人材育成、何をどう進めるのが理想なのだろうか」
個々の従業員が最大限のパフォーマンスで、企業の業績に貢献していく体制を作るために、企業教育には効率・効果のアップが求められています。人材育成においても、これまで以上に「やるべき施策」を見極め、学習効果の高い方法を採用、推進していく必要があるでしょう。
そこで本稿では、企業がこれからの人材育成を進めるために何をどう考えるべきか(戦略)、具体的にどのような手法があるか(戦術)、といったところを具体的かつ網羅的にご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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目次
人材育成とは何か
ライトワークスでは、「人材育成=教育+キャリア開発支援」と捉えています。
ビジネスパーソンの場合、学びの多くは個人のキャリアアップのための手段として存在しています。ゆえに、企業における人材育成とは、従業員に必要な学習機会を提供し、業務上のスキルアップを促し、キャリア開発を支援していく一連のプロセスを指します。
人材育成の目的
企業が人材育成に第一義的に求めるもの、それはビジョンの達成と業績のアップです。
福利厚生の一環として、目的の曖昧な研修が「なんとなく」行われる時代は終わりました。今や人事部は、自社の経営目標を実現してくれる「理想の人材」を定義し、人材育成を介して経営をサポートする重要な役割を担っています。
内閣府は2018年度の年次経済財政報告において、企業が教育投資を1%増加させると労働生産性が0.6%向上するという見解を示しました[1]。厚生労働省も、同年の労働経済分析において、企業がOFF-JTや自己啓発に投資すると翌年の売上高・労働生産性に統計的に有意な伸びが見られるとの分析をしています[2]。
つまり、教育に熱心な企業の従業員ほど、パフォーマンスとモチベーションが高い傾向にあるということになります。教育への投資と生産性には相関があり、その先に業績があります。
改めて、企業は競争に勝つために、戦略的な人材育成に本気で取り組むべきといえるでしょう。
人材育成がもたらす副次効果
人材育成は業績だけでなく、採用やエンゲージメントにも大きな影響をもたらします。
人材不足が進む今、各社が優秀な人材を確保するためにしのぎを削って採用に取り組んでいます。新入社員でも年収1千万を望める日本電気株式会社(NEC Corporation)の新報酬制度[3]は、その切実さを物語っているといえるでしょう。成果主義が当たり前となっている外資系企業では、ゴールドマン・サックス証券株式会社やグーグル合同会社など、20代で年収1千万円を超える例は珍しくありません。
とはいえ、全ての企業が同じことをできるわけではありません。また、転職が当たり前になり、通年採用を行う企業も増えてきているので、優秀な人材はより良い条件を提示する企業に流れていきます[4]。「最初から優秀な人材」をお金で確保した場合のリスクはそこにあるといえるでしょう。すなわち、エンゲージメントの問題です。
こうした問題を解決に導くのが、企業の「人の育て方」です。育成は人を変えます。そして、育成の支援をする側、される側の間に絆を生みます。
採用した人材を「利益を生む資本」と捉え、必要な投資を行い、業績上の効果を得、同時にエンゲージメントを高める。これが、人材育成の理想的な姿といえるでしょう。
人材育成の手法一覧
人材育成の代表的な手法を一覧にまとめました。それぞれの手法についても詳しく解説します。
分類 | 手法 |
Off-JT 業務の外で行われる、教育を目的としたトレーニング |
・集合研修 |
OJT 業務の中で行われるトレーニング |
・1on1ミーティング |
発展型 OJTやOff-JTの枠組みを超え、IT技術などを駆使したより効果的な手法 |
・ブレンディッドラーニング |
Off-JT
Off-JT(Off the Job Training)は、業務の外で行われる、教育を目的としたトレーニングのことです。日本企業には旧来「徒弟制度」という考え方があり、企業においてもOJT(On the Job Training)が中心でした。しかし今では、Off-JTを中心に教育プランを考えることが主流になっています。
Off-JTにはいろいろな種類がありますが、代表的なものとして以下が挙げられます。
集合研修 |
日時や場所を指定し、受講者を1カ所に集めて行われる研修です。広く一斉に学ぶ必要のあるテーマに有効な手法です。最近はオンライン研修も当たり前になりつつあり、集合研修の在り方は多様化しています。 |
eラーニング |
インターネットを利用してパソコンやモバイル端末で学習する手法です。時間や場所の制約がないため、世界中に均一な教材を届けることができます。DXの技術を取り入れ自律的な学習を促す「LXP」の考え方や、昇格テストなどの社内で行われるテストをオンライン化する動きなどが見られます。 |
海外研修、海外留学制度 | 主にグローバル人材育成を目的に実施される研修です。語学力の向上のみならず、国際感覚や、日本では得られない知見を得ることができます。 |
企業内大学 |
大学の講座のように従業員が自由に受講科目を選択できる研修制度です。従業員の能力の底上げや、優秀な人材の確保を目的としています。 |
公開講座、外部セミナー | 社外の公開講座やセミナーに従業員を出席させる研修手法です。さまざまな分野の専門家が講師を務めるため、その分野の基礎知識やトレンド情報などを得ることができます。 |
通信教育 | テキストを使用した個人の学習方法です。課題やテストを提出し、添削されて戻ったものを確認する、というサイクルを繰り返しながら学びを深めます。 |
社会人大学、大学院 | 業務に必要なスキルを身に付けるため、自らの意思、あるいは企業からの派遣で、従業員が大学や大学院で学びます。近年は、手軽に学べるオンライン講座のMOOCも注目されています。 |
越境学習、留職 |
越境学習は、従業員が所属する組織の枠を越え、他の組織などで実際に業務をしながら学びを得ることです。留職は従業員が新興国のNPO団体へ派遣され、本業で得た知識やスキルなどを活用しながら社会課題の解決に取り組む学習方法です。どちらも、普段と違う組織と交流し、実際に働くという特徴があります。 |
OJT
OJTは業務の中で行われるトレーニングのことです。新人が先輩から指導を受ける風景は、すぐにイメージできるでしょう。OJTの方法は企業や職種によってさまざまなので、それ自体に種類はありません。
OJTはどうしても現場任せになりやすいので、時に人間関係に支障を来したり、トレーニングの質にムラが生じたりします。現場任せのOJTはリスクが高いのです。そのため、OJTを支援する取り組みが効果的です。OJTを支援するプログラムとしては、以下が活用されています。
1on1ミーティング |
上司と部下が定期的に行う1対1の対面による対話です。「企業の持続的成長のために、部下のやる気を引き出して成長を促す」ことを目的としています。 |
メンター制度 | 新入社員や若手社員に対し、直接の上司に当たる人とは別の人が相談役となる制度です。仕事上の悩みや不安の解消、企業理念の浸透など、メンタル面のフォローやマインドの共有がしやすい点が特徴です。 |
OJTトレーナーの育成 |
トレーニングの内容を統一し、質を高めるために、選ばれたOJTトレーナーに教育を施します。OJTトレーナーのミッションを明確にし、指導方法を伝えることで、トレーナーとしての自覚を醸成し、自信を持って指導に当たれるよう、支援します。 |
発展型
近年では、OJTやOff-JTの枠組みを超え、IT技術を駆使するなどしてより効果的な手法が開発されています。代表的な手法として、以下をご紹介します。
ブレンディッドラーニング |
eラーニングと集合研修など、複数の手法を組み合わせた学習形態です。例えば、eラーニングのデメリットである「受講者同士の交流が減る」、「その場で質疑応答ができない」という点を、集合研修を組み込むことによってカバ-できます。 |
反転授業 |
学習内容を「インプットする方法」と「アウトプットする方法」を、従来と逆転させた教育手法です。知識を習得するだけでなく、使って学ぶことに重点が置かれているため、実務で活躍できる人材を育成したい企業にとって効果的です。 |
アクションラーニング | 現実に起きている課題を事例として、その解決に取り組むグループワークの一種です。解決に向けた実際の行動とその振り返りを通じて、個人ならびにグループの学習する力を養成します。 |
ソーシャルラーニング |
ソーシャルメディアを利用する学習形態です。「教える側」、「学習する側」という役割が固定されておらず、参加者が相互に教え・学ぶことができる点が特徴です。 |
ゲーミフィケーション | ゲームの仕組みや手法を社会のいろいろな場面に活用する取り組みです。企業研修においては、ゲームのような娯楽の要素を盛り込むことで、受講者が遊びながら効率的に学べるという効果があります。 |
マイクロラーニング | 例えば「1回5分で完結するeラーニング」のように、モバイル機器などを用いて短時間で少ない学習量を手軽に学習する方法です。すき間時間で学習・復習できるため、従業員の「学ぶ習慣」を醸成します。 |
アダプティブラーニング | eラーニングの一種で、個人の習熟度に合わせたオーダーメイドの学習コンテンツを提供する仕組みです。従来の均一的な教育とは異なり、個人に最適化された内容を効率的に学ぶことができます。 |
ワークプレイスラーニング |
職場の「実務経験」と座学での「学習」を連携させることで、より学びの効果を高め、人材の能力向上を促す学習方法です。例えば、「実務」重視のOJTに「学習」要素の強いメンター制度を加えるなどが挙げられます。 |
アクティブラーニング |
講師が一方的に講義するのではなく、受講者が主体性を持って知識を習得できるように設計する学習方法です。グループ討議、共同作業・研究、体験学習といったプログラムが活用されています。 |
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人材育成を成功させるポイント
人材育成を成功させるポイントとして、「人材育成プランの設計」と「従業員自身による適切な目標設定」が挙げられます。
人材育成プランを設計する
人材育成の良しあしは設計で決まるといって過言ではありません。どんなに有名な講師に講義をしてもらっても、その内容がきちんと設計された全体像の一部にはまるものでなければ、効果もありがたみも半減してしまいます。
人材育成改革は「待ったなし」です。賢く無駄のない人材育成プランを作りましょう。そのためには、次の7つのプロセスを実践する必要があります。
【人材育成のプロセス】
- 経営目標に沿って将来的に必要な人材モデルを定義する
- トップの人材モデルの要件をブレイクダウンし、階層別・業種別の人材モデルを定義する
- 階層別・業種別人材モデルの要件を人材育成マップに落とし込む
- 人材モデルと実際の人材のギャップを洗い出し、目標を設定する
- 目標を達成するための研修プログラムを用意する
- 研修プログラムとキャリア面談を連携させる
- PDCAサイクルを整備する
人材育成プランの詳しい作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧下さい。
従業員自らが適切な目標を設定する
人材育成における目標は、企業側が決めるのではなく、従業員が自ら考え設定することが重要です。
従業員一人一人が経営目標を理解し、個人の目標に落とし込むことで、企業側は経営方針に沿った人材育成を実現しやすくなります。従業員側は、自身の成長が企業の成長につながることを実感するとともに、目標達成を経験することでモチベーションやエンゲージメントの向上に繋がります。
目標設定においては、まず、企業の経営目標や所属部署の目標を従業員に周知し、その達成に貢献できるような目標を従業員自ら設定させることが大切です。
以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧下さい。
人材育成でよくある課題と解決方法
人材育成では、事前にクリアしておきたい課題として組織や体制の問題があります。こうした課題を解決するためには、まずは旗振り役となる人材開発部門が健全に活動できるよう、環境条件を確認しておくことをおすすめします。
人材育成上の大目標に向かって立ち回ることになる人材開発部門は、経営層と業務部門の板ばさみになりがちです。施策をしっかりと推進していくためには、社内における人材開発部門のプライオリティを上げ、担当者が一定の権限を持って行動したり、発言したりできるよう、環境を整えておく必要があるでしょう。必要な部門への根回し、経営層を通じての通達、場合によっては組織変更も必要になるかもしれません。
このことは人材育成という本題から逸れているように思えるかもしれませんが、具体的な施策が動き出してから体制の不備や思わぬハードル(例えば他部門との協業の難しさ)に気付く、というのはありがちな展開です。
最近は、経営と人材育成を直結させ、戦略人事を効率的に推進していくためにCHRO(Chief Human Resource Officer; 最高人事責任者)やCLO(Chief Learning Officer; 最高学習責任者)といったポストを用意する企業も増えています。自社に対してこうした提言を行っていくことも、改革の推進に役立つでしょう。
人材育成の代表的な研修プログラム
研修プログラムは、育成プランのメイン施策です。決まった形があるわけではなく、自社の特徴を生かしたり、強化したい分野に力を入れたりと、さまざまな工夫が可能です。主な研修プログラムについてご紹介します。
階層別研修
組織の階層ごとに実施される研修です。「役職」や「役割」を遂行するのに必要な能力を育成します。主に以下のような分類で実施されます。
管理職研修 |
業績向上、部下の育成、組織力の強化など、管理職に求められるスキルを習得します。マネジメント、リーダーシップ、戦略的思考などが挙げられます。 |
リーダー研修 |
業績向上を成し遂げ、周囲のメンバーを牽引するリーダーとして必要なスキルを習得します。コミュニケーション、リーダーシップ、チームビルディングなどが挙げられます。 |
中堅社員研修 |
部下のモチベーションを上げ、業務遂行能力を伸ばすために必要なスキルを体系的に習得します。コーチング、目標管理、マネジメントなどが挙げられます。 |
若手社員研修 |
業務を1人で遂行し、主体的に仕事に取り組む姿勢を求められる若手社員に必要なスキルを習得します。クリティカルシンキング、問題解決、OJT指導などが挙げられます。 |
新入社員研修 |
新社会人として組織で業務を遂行する上で、必要な考え方や心構え、ビジネスを円滑に進めるための基礎知識を習得します。ビジネスマナー、ビジネス文書、タイムマネジメントなどが挙げられます。 |
パート/アルバイトスタッフ研修 |
店舗や現場での接客・運営に必要となる知識を習得します。OJTが一般的ですが、オフィスでの座学やeラーニングを併用するケースもあります。 |
業種別研修
業種によって必要となる知識・スキルを習得します。金融業であれば財務分析研修、飲食業であれば接遇研修などが挙げられます。
全社員研修
組織における共通の価値観や業界の基礎知識などを習得します。企業ビジョンや業界の基礎知識、企業風土に関わるテーマ(ダイバーシティ、コンプライアンスなど)などが挙げられます。
グローバル人材育成
海外ビジネスを進める上で必要となる知識・スキルを習得します。ビジネスレター、国際会計基準などが挙げられます。海外研修により、現地で学ぶ場合もあります。
トレーナーズトレーニング
指導・育成担当者として、「教える」ために必要な知識や心構え、指導法を習得します。プレゼンテーションやコーチング、ファシリテーションなどが挙げられます。
人材育成に役立つツール
人材育成プランの設計自体は今のところ人の手でしかできませんが[5]、一連のプロセスをサポートするツールにはさまざまなものがあります。
まずITです。特に学習管理システム(LMS)は、教育施策の実施とデータの収集・管理、そのために必要なコミュニケーションに係る業務負荷を確実に軽減します。AIも徐々に実用化されていくでしょう。
テンプレートや書籍は教育管理者自身のパフォーマンスやスキルの向上に役立ちます。そしてコンサルタントや講師などの「人」が占める部分は、IT化が進む影響で減りはするものの、よりコアで重要な位置を占めるようになっていくと思われます。
業務の効率化に役立つツール
学習管理システム(LMS)
Learning Management Systemの略で、「学習管理システム」とも呼ばれます。当初はeラーニングの教材管理に向けて開発されましたが、今やeラーニングだけでなく、研修管理、タレントマネジメントなど、人材育成に関わるシステムを一元管理できるものもあります。
\LMSについて概要を2分で解説!/
さらに詳しい内容をご覧になりたい方へ ⇒ LMSの解説記事を読む
タレントマネジメントシステム
従業員のタレント(才能)・業務経験・スキルなどをデータとして一元管理するシステムです。人材の適性配置や育成・教育などに活用します。
LMSと連携した使われ方も注目されています。
人工知能(AI)
コンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知的な働きを人工的に実現したものです。学習ログの確認・分析など、人材育成の場でも活用されています。
ノウハウのインプットに役立つツール
各種テンプレート
育成計画書や目標管理シートなどの各種テンプレートを活用することで、人材開発部門の業務効率化を図ります。
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書籍
人材育成や教育、働くことをテーマにした書籍を読むことで、自身の知見を深めます。研修企業選びに迷った際は、各研修企業から出版されている書籍を読めば選定の参考になるでしょう。
コンサルタント/講師
戦略的な人材育成を実現するには、時としてプロの力を使うことがあります。うまく活用して新しい知見や質の高い情報を得ることで、人材育成の効率化・最適化につながります。
人材育成の成功事例
自社の人材育成を考える際に、他社の事例を活用することはとても大切です。
自社と似た課題に対し、他社がどのような考え方でどのようなアプローチをしているのかを知り、参考にすることができるからです。また、事例に目を通す中で、自社では顕在化していない課題に気付いたり、新たな価値基準や目指すべき方向性を見いだしたりすることもあります。
事例は示唆に富んでいます。ここでは、人材育成改革に積極的に取り組む企業の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
トヨタ自動車株式会社
2016年にカンパニー制への移行を宣言し、経営と組織の在り方を大きく変えようとしているトヨタ自動車株式会社では、社内に点在する教育リソースを集約し、「教育の環境づくり」を進めています。
そのために、それまでオンプレ型だったLMSをクラウド型に変更しました。システム部門の手を借りず、人材開発部のみでシステム導入を成し遂げ、各カンパニーの意向をヒアリングしながら長期的な視点で全社的な教育環境の構築を行っています。
アサヒグループジャパン株式会社
eラーニング利用率の低さに頭を悩ませていたアサヒグループジャパン株式会社では、キャリアポータルサイトをリニューアルし、アクセス数を従来の12倍(6千PV)に拡大しました。工夫した点には、以下が挙げられます。
- 従業員のキャリアを支援するコンテンツの強化
- 使い勝手の良いシステム
- 従業員の「学びたい」気持ちの高まりを意識した情報発信
- eラーニングの利便性とリアルの学びの良さを掛け合わせた教育
株式会社JTB
「自律創造型社員」の育成に注力することを宣言している株式会社JTBでは、2019年に「人財」育成の考え方を「社員を育てる」から「社員が自ら育つ。それを会社が支援する」にシフトしました。教育プラットフォーム「JTBユニバーシティ」を活用して、研修改革プロジェクトを進めています。
必要なときに必要な学びの提供、見える化・データ化の実現のために、統合型のクラウドLMSを導入し、グループの人財教育・キャリア形成支援のためのハブとして活用しています。
株式会社タカラトミー
世界各地にグループ企業がある株式会社タカラトミーでは、全従業員がコンプライアンスを意識できる取り組みをしています。
年に一度、「コンプライアンスを考える日」というイベントを実施する他、従業員が業務で必要とする法令知識を効率的に習得するためにeラーニングも活用しています。
住友ファーマ株式会社
住友ファーマ株式会社では、部署ごとに異なっていたLMSを統合することで、管理の手間を大きく削減しました。従業員にとっても利便性が向上し、各自が空き時間を活用して教材にアクセスできるようになりました。
物語(上海)企業管理有限公司
上海でのスタッフ教育に課題を抱えていた株式会社物語コーポレーションでは、eラーニングによってスタッフの学習意欲を高めることに成功しました。
ポイントは動画での「見える化」です。文字ではなく動画で接客や調理法などを配信し、長くても3分以内に収めることで、手軽に学べる環境を整えました。
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まとめ
人材育成とは何かというところから、人材育成の考え方や手法、研修プログラム例、ツール、事例などをご紹介しました。
企業における人材育成とは、従業員に必要な学習機会を提供し、業務上のスキルアップを促し、キャリアデザインを支援していく一連のプロセスを指します。
内閣府や厚生労働省の報告により、教育投資は企業の生産性を向上させることが証明されました。企業は競争に勝つために、積極的かつ戦略的に人材育成を進めていく必要があります。
施策の検討に入る前に、旗振り役たる人材開発部門の動きが阻害されぬよう、組織的なハードルを取り除き、社内におけるプライオリティを上げておくことが大切です。
従業員一人一人の潜在能力を最大限に引き出し、伸ばすことができれば、組織全体の生産性が底上げされ、ビジネスの成長が見込めます。
人材開発部門は、人材を通じてビジョンの達成と業績のアップに貢献する、経営の強力なサポーターです。スピード感を持って、最適な育成プランを作り、推進していきましょう。
[1] 内閣府「平成30年度 年次経済財政報告」,2018年8月,P176
[2] 厚生労働省「平成30年版 労働経済の分析」,P128
[3] 日本経済新聞「NEC新野社長「新卒年収1000万円、世界では必然」」,2019年7月10日
[4] 外資系企業の多くが年収を公開していないのは、まさにこの理由からです。
[5] 将来的にはAIが強力な支援者になるはずです。