LMS(学習管理システム)を使うメリットとは? 学習の時系列に添って解説

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「LMS(学習管理システム)という名前を最近聞くけれど、あるとどのように役立つのだろう?」

新型コロナウイルスの影響による社会環境の変化で、様々な分野でDX化が推進されています。人材開発分野も例外ではありません。近年、LMSに関する興味、関心も大きく高まっています。

しかし、実際にLMSを導入したらどのようなメリットがあるのかなかなかイメージが沸かないという方も多いのではないでしょうか?

LMSは「eラーニングを行うために必要なシステム」と理解されている方もいらっしゃるかと思いますが、LMSのメリットは単に「eラーニングを受講させられる」ということだけではありません。LMSの真のメリットをしっかりと認識できれば、組織における人材開発のあり方が大きく変わります。

そこで、本稿ではLMSを導入することによって得られるメリットについて、実際に組織内で行われる学習の流れに沿って解説します。

なお、そもそもLMSがどういうものなのかを詳しく知りたい方はコチラのコラムをご覧ください。

1. LMSとは?

LMSは、Learning Mnagement Systemの略で、日本語では学習管理システムと呼ばれます。最も一般的な役割はeラーニングの配信を行うことで、そのため「eラーニング配信システム」と認識されている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、eラーニング以外にも組織内の学習を管理・促進するための様々な機能が備わっています。

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2. LMSを使うメリット ~LMSがある時とない時でeラーニングは何が違う?~

LMSのメリットについて、まずは最も主要な役割である「eラーニングの配信」に絞って説明していきます。そもそも、eラーニングは「ICT技術を活用した教育システム」の総称であるため、動画共有サイトでマニュアル動画を共有したり、WEB会議システムを使って講義を行ったり、LMSを使わずとも実施することが可能です。しかし、LMSを使わなければ、eラーニングの真価を発揮することはできないのです。

ここから、「LMSを使わないで行うeラーニング」と「LMSを使って行うeラーニング」の違いについて、時系列に添って見ていきましょう。

2-1. 案内をするとき

LMSがなかったら 受講案内がとても面倒・・・

eラーニングを実施するうえでは、受講方法や受講期間などを対象者に案内する必要がありますが、その案内業務は煩雑になりがちです。社内に存在するメーリングリストなどをうまく活用できれば「全社員」「●●支店の社員」などわかりやすいカテゴリーに対しては案内しやすいかもしれませんが、「全部署の課長職以上」「入社3年目の総合職」「営業部とマーケティング部の中で、まだコンプライアンス研修を受けていない社員」など、要件が細かくなればなるほど面倒になります。特に、従業員の多い大手企業では、案内業務だけで相当の時間を要してしまいます。

また、人事異動や入退社など、人の入れ替わりがあるたびに、新しい部署で受けなければならない学習に関する案内をしなくてはなりません。

LMSがあったら 受講案内がとっても楽!

LMSは、システムの中に受講者一人一人の基本情報を持っています。そのため、「このeラーニング教材を、この属性の人に、この日時に配信する」といった設定が簡単にでき、対象者へのメール案内をスケジュール化することができます。

ただし、ここで注意しなくてはならないのは、どのくらい自由度高く配信の設定ができるかは、LMSの性能に左右されるということです。簡単な区分けのみを想定したシンプルなシステムもあれば、ライトワークスのLMS「CAREERSHIP®」のように、部署や入社年次、役職でのグルーピングは当然のこと、所有するスキルや各社で設定した独自のステータス、受講前提となる学習の受講が完了していることなど、様々なくくり方が可能なシステムもあります。eラーニングを展開する組織の規模や施策の複雑さなどを考慮したうえで、システム選定時には配信設定の柔軟性を確認することをお勧めします。

さらに、LMSを使うと、例えば「入社して1週間後にビジネスマナーのeラーニング教材を配信する」といった教育運用の自動化をすることができ、どんどん教育のDX推進ができます。また、学習内容はこのLMSに全て入っている旨の案内さえしておけば、時間のある時に新人が勝手に学習を進めておくことも可能になります。

 

LMSがなかったら 受講させる人とさせない人の区分けが面倒(または不可)・・・

例えば、管理職研修などについて、取り扱うテーマ次第では部下に見られてしまうのは都合が悪い教材もあるかもしれません。そういった場合、使用するツールや運用ルールなどを含め、様々な配慮をしなくてはならないのも余計な手間になります。

LMSがあったら 受講者にのみ配信されるので心配なし!

上記のような懸念は、LMSがある場合には不要です。「受講案内」のところでも紹介したように、LMSは特定の対象者にのみeラーニングを配信するので、それ以外の人はアクセスすることができません

2-2. 学習中

LMSがなかったら 学習の進捗状況がわからない・・・

これが、LMSを使用しないことによる最大の問題点と言えるかもしれません。集合研修の場合、参加の有無は一目瞭然ですが、eラーニングの場合は基本的には個々人が任意のタイミングで受講するケースが多いため、誰が、どこまで進捗しているかを把握・管理することができません。これでは、せっかく教育施策を打ったとしても、その浸透度合いや効果は不透明になってしまいます。

LMSがあったら 学習の進捗状況がリアルタイムで可視化!

LMSは「学習管理システム」という名の通り、学習をさせられるだけでなく、学習を管理できることが最大の強みです。誰が学習を完了しているかということだけでなく、いつ着手したか、eラーニングコンテンツのどこまで進行しているか、テストの点数は何点だったかなど、細かく状況を把握することができるのです。
また、進捗状況をシステム上で把握できることによって、例えば「受講期限の1週間前に未完了の人に向けてリマインドメールを自動配信する」等の設定も可能です。

 

LMSがなかったら 社外秘の情報がどこでも見られてしまう懸念がある・・・

学習させる内容として、「自社独自のノウハウ」や「発売前の製品情報」など、社外に知られてはいけない情報を展開することも多いと思います。そういった情報を例えば一般的な動画共有サイト等で展開すると、細やかな閲覧制限の設定などは難しく、様々なリスクが考えられます。

LMSがあったら IPアドレスをつかった閲覧制限など様々なセキュリティ対応が可能!

LMSによっては、本人認証にあたって二段階認証や顔認証などの技術を採用していたり、特定のネットワーク下でなければ教材を受講できなかったりと、高度なセキュリティ対策が可能なものもあります。LMSの選定時には、その辺りのセキュリティ要件もしっかりと確認することをお勧めします。

 

LMSがなかったら 学習コンテンツによって使用するツールがバラバラになりわかりづらい・・・

これは受講者にとっての問題点ですが、この教材は共有フォルダに見に行って、この教材はYouTubeで見て、といった形になると、毎度勝手が違って学習意欲に関わってくることもあり得ます。また、案内方法も煩雑になってしまい、学習を提供する側、受講する側、双方にとって非効率です。

LMSがあったら 全てのeラーニングが集約するプラットフォームにできる!

LMSは、動画形式であってもスライド形式であっても、あらゆるeラーニングは同一システム上で展開することができます。つまり、配信する側も受講する側も、毎回同じ手順でストレスなく実施できるのです。

また、詳しくは次章で述べますが、最近のLMSはeラーニングだけでなく集合研修の管理や研修後にレポートを提出することなども全てLMS上で完結することができます。これによって、育成担当者の利便性が増すだけでなく、受講者にとっても「学習に関することは全てLMSで行う」という共通理解のもと、学習へのハードルを下げることができます。

なお、一つ注意が必要なのは、特に大規模な企業において「部署によって異なるLMSを導入している」というケースがよく見受けられるのですが、その状態では人事異動などが発生するたびに使用方法を覚えなくてはならなかったり、受講履歴や教材データの移行ができなかったりなど、せっかくのLMSの利便性が損なわれてしまう可能性があります。ライトワークスでも、「バラバラのLMSを統合したい」というお客様の要望をよくお伺いしますので、導入の際にはそういった点も考慮していただければと思います。

 

LMSがなかったら 受講者のモチベーションを維持するのが難しい・・・

eラーニングは受講者が受けたいときに受けられるというメリットがある一方、個人の自主性に委ねられてしまうという懸念もあります。集合研修のように同僚や講師の目がある中であれば一生懸命やらざるを得ないとしても、eラーニングだとつい怠けてしまうことが往々にしてあります。

LMSがあったら モチベーションを喚起する仕掛けを講じられる!

正直なところ、LMSがあったとしても、受講者のモチベーションを維持させることは決して簡単ではありません。そこがeラーニングの最大の課題でもあるのですが、近年のLMSはその課題を克服すべく、様々な工夫を凝らしています。

例えば、「システムの使い勝手が悪い」「画面の案内がわかりにくい」というだけで、それが学習することの障害の一つになってしまうことがあります。そのため、ライトワークスの「CAREERSHIP®」は、数年前に受講者画面のデザインを一新し、学習したいときにストレスなく教材にたどりつけるようにしました。もちろん、スマホやタブレットでの使い勝手にもこだわっています。それ以外にも、学習を終えた後、その受講者に適したその他の教材をレコメンドする機能など、受講を促進する機能の拡充を進めています。

さらに、少し違った観点では、「CAREERSHIP®」では社内の様々な職種のスキルを可視化して、そのスキルを身につけるために必要な学習教材をそこに紐づけることができます。このように、「学ぶ意味」を明確にすることによって、異動したい部署があるときや、なりたい役職があった場合に、それに向けた自発的な学習を促すことができます。

また、企業によっては学習を評価に反映するなど、制度に組み込む例も見られ、そういった企業側の取り組みによって受講率が向上した例も多くありますが、これはLMSに学習履歴が残るからこそ実現できる施策だといえます。

2-3. 学習後

LMSがなかったら 学習履歴が残らない

これは「進捗状況がわからない」の延長線上の問題なのですが、いつ、だれが、どの教育を受けたかという履歴を残そうと思うと、担当者がエクセル等で管理する必要があります。実際、かなり規模の大きい企業であっても手作業で管理しているケースはあり、それは非効率かつ不正確であるといわざるを得ません。

LMSがあったら 全ての学習履歴を確実に残せる!

前述したように、LMSは学習を「管理」できるシステムであるため、誰がいつどんな学習をしたかは、当然システム上にしっかりと記録されます。もちろん、修了状況だけではなく、テストがあった場合にはテストの点数なども履歴が残りますので、定期的に実施する試験などでは推移を確認することができます。

 

以上のような問題点は、単発のeラーニング研修を一度行うだけであればそれほど気にする必要はないかもしれません。しかし、人材育成計画に基づいて中長期的に実施していく場合や、研修のPDCAを回したい場合、あるいは学習状況を人事評価などの制度と結び付けたい場合など、人材育成を戦略的、効率的に実施しようと思うと、かなりクリティカルな問題になり得ます。

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3. eラーニングだけじゃないLMSのメリット~企業の人材開発を加速させる~

ここからは、LMSを導入することで得られる、eラーニング以外のメリットについてご説明します。

そのためには、まず、LMSの進化について知っておいていただく必要があります。2章でも触れましたが、近年のLMSは、単なるeラーニングの配信にとどまらず、あらゆる学習を統合的に管理する組織内の学習プラットフォームへと進化しています。

具体的には、対面式の研修もLMS上で出欠管理や申請フローを管理できたり、アンケートやレポートの提出をシステム内で完結できたり、研修後にチャット形式でディスカッションや情報共有をできたりなど、組織内で実施されるおよそすべての学習について、LMSを軸に集約、展開が可能です。

この統合化によって得られるメリットは大きく3つに分けることができます。

  1. 集められる
  2. 組み合わせられる
  3. 見える

これらのメリットについて、1つずつ解説していきます。

3-1. LMSは、あらゆる学習を「集められる」

組織には様々な人がいます。職種や年次、習得しているスキルの状況などはまちまちで、それ故に、それぞれの人に求められる学習はいろいろな種類があり得ます。その多様な学習を、それぞれ異なるツールを使って行っていると、教育を実施する方も受講する方も管理が煩雑で、非効率になってしまう恐れがあります。

LMSがあれば、そのように多様な学習をすべて一つのシステム上に集約することができます。eラーニングや集合研修など、手段は違っていたとしても、全ての情報がLMSの中にまとめられていれば、管理者は一元管理が容易になり、学習者は自身が何を学習するかがわかりやすくなるため、学習のさらなる促進が可能になります。

3-2. LMSは、多様な学習を「組み合わせられる」

LMSは、学習を集めるだけではありません。集めた学習を自由に「組み合わせる」ことで、バラバラに行っていた時よりも学習効率を上げることができます。

たとえば、近年教育界で注目されている教育手法に「ブレンディッドラーニング」というものがあります。これは簡単に言うと「eラーニングと対面研修を合わせて(ブレンドして)実施する教育」ということなのですが、事前にeラーニングで知識習得をしたうえで、対面研修でディスカッションや実地訓練を行うといった運用によって、双方の良い点を相乗的に利用できます。このような手法についても、LMSでeラーニングと集合研修を組み合わせたコースを作成し、受講者に案内することで簡単に実現することができるのです。

関連 ▶ ブレンディッド・ラーニングとは 研修とeラーニングのうまい組合せ方

 

他にも、「テストで一定の点数を取るまでは次の研修に進めない」や、「研修の後にレポートを提出しないと完了にならない」といったコース設計も可能です。

学習を個別のツールでバラバラに運用している場合には、これらを組み合わせる施策には骨が折れますが、LMSであれば作成も管理も展開もスムーズに実施できます。

3-3. LMSによって、全ての学習が「見える」

2章でも記載しましたが、LMSには学習履歴がしっかりと記録されます。そして、それはeラーニングだけの話ではありません。集合研修への参加履歴やレポートの提出履歴なども全て同じシステム内に記録しておくことができます。

これによって、LMSはある意味「学習に特化した人材データベース」と考えることもでき、それらのデータは、近年、人材の能力を可視化して効率的に活用する「タレントマネジメント」に活用されるケースも多くなっています。

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4. まとめ

いかがでしたでしょうか。
本稿では、LMSのメリットをeラーニングに関するものとそれ以外とに分けて解説しました。

eラーニングに関するメリット

  • 受講案内が楽
    「このeラーニング教材を、この属性の人に、この日時に配信する」といった設定が簡単にでき、対象者へのメール案内をスケジュール化することができる。
  • 受講させる人とさせない人の区分けが簡単
    LMSは特定の対象者にのみeラーニングを配信するため、それ以外の人はアクセスすることができない。
  • 学習の進捗状況がリアルタイムで可視化できる
    誰が学習を完了しているかということだけでなく、いつ着手したか、eラーニングコンテンツのどこまで進行しているか、テストの点数は何点だったかなど、細かく状況を把握することができる。
  • 様々なセキュリティ対応が可能
    LMSによっては、本人認証にあたって二段階認証や顔認証などの技術を採用していたり、特定のネットワーク下でなければ教材を受講できなかったりと、高度なセキュリティ対策が可能なものもある。
  • 素材によらずすべてのeラーニングを集約できる
    動画形式であってもスライド形式であっても、あらゆるeラーニングは同一システム上で展開することができる。
  • モチベーションを喚起する仕掛けを講じられる
    LMSによって、UI(ユーザーインターフェース)の工夫やレコメンド機能、スキルと学習の紐づけなどを実装している
  • 全ての学習履歴を確実に残せる
    誰がいつどんな学習をしたかは、システム上にしっかりと記録される。

eラーニング以外のメリット

  • あらゆる学習を「集められる」
    集合研修やレポートの提出、チャット形式でのディスカッションなど、多様な学習をすべて一つのシステム上に集約することができる。
  • 多様な学習を「組み合わせられる」
    集めた学習を自由に「組み合わせる」ことで、バラバラに行っていた時よりも学習効率を上げることができる。
  • 全ての学習が「見える」
    eラーニングだけでなく、集合研修への参加履歴やレポートの提出履歴なども全て同じシステム内に記録しておくことができる。

これらのメリットをうまく活かすことができれば、組織内の人材開発は大きく変わり、まさしく、人材開発のDXへと繋がっていくと思われます。

ぜひ、LMSの導入検討にこの記事をご活用ください。

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