タイムマネジメント研修を通じて組織の生産性を向上させる方法

「タイムマネジメントは全てのビジネスパーソンに必要な基本スキルだ」

このことに異論のある方はいらっしゃらないと思います。タイムマネジメントは新入社員研修の常連科目ですし、配属後、実際の業務でできることが増えるにつれ、その必要性を実感するものでしょう。

しかし、新入社員はさておき、組織全体を見渡したとき、自社の従業員は本当にタイムマネジメントができている、といえるでしょうか。新人時代に教育を受けても、業務に追われる中で形骸化してしまい、忘れ去られてはいないでしょうか。

いま一度、新入社員研修の一科目としてだけでなく、全ての従業員に必要なスキルとして、タイムマネジメントというものを見直してみませんか。

本稿では、タイムマネジメントとは何かというところから、これからの時代に必要な理由、学習の仕方などについて丁寧に解説します。

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AIで要約

  • タイムマネジメントは時間の質を高め、個人と企業が限られた時間を最大限に活用することです。
  • 長時間労働の是正や、個人と組織のパフォーマンス向上のために重要です。
  • 個人のやりがいや従業員のエンゲージメント向上にもつながります。

タイムマネジメントとは何か

タイムマネジメントとは、直訳すると「時間管理」ですが、時間を管理するとは一体どのような意味なのでしょうか。

時間とは扱いにくいものです。量に関していえば、誰もが1日に24時間持っており、何をしていても誰でも平等に時間は流れていきます。

しかし、時間の「質」は向上させることができます。短くても大変充実した時間を過ごしたという体験はありませんか。それは、内容の濃い、質の良い時間ではなかったでしょうか。

例えば、スポーツなどの趣味の時間、仲間との語らいの時間、エッセンスの詰まった学びの時間など、もちろん仕事も例外ではありません。

仕事において時間の「質」を向上させるには、まず、集中できる環境をつくることが大切です。

この場合、環境とは、音・光・匂い・温度・湿度など物理的なものや、周りにいる従業員のスマイルや上司からのプレッシャーなどの人的なもの、他社からのメール、取引先からの催促など社会的なものの全てを指します。

また、業務に関する行動を組み合わせたり手戻りを減らしたりすることでも、有効な時間は増やすことができます。ただし、一定時間の中に行動をぎゅうぎゅうと詰め込めばよいわけではありません。

これらのことを実現するためには、タイムマネジメントのスキルを身に付けておくことが大切です。

個人の時間管理の仕方を改善することは、組織としての生産性向上につながります。時間は有限です。タイムマネジメントは、個人と企業が限られた時間を最大限に活用する方法を追求するものであるといえるでしょう。

タイムマネジメントを身に付ける目的

ここでは、仕事をする上でなぜタイムマネジメントが重要なのか、また、タイムマネジメントを身に付けるとどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

長時間労働是正のために

2018年7月6日、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布されました。

具体的な内容としては、時間外労働の上限規制、有給休暇の確実な取得、勤務間インターバルやフレックスタイム制などの導入促進、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)などが挙げられます1

企業は、生産性向上を目指しつつ従業員のワークライフバランスについて考える岐路に立たされています。

「残業時間を減らさなくてはならない、けれど仕事が終わらない」という声をよく耳にしませんか。この難題を解決するために、多くの企業が制度改革職場環境の改善に取り組んでいます。

同時に、個人のパフォーマンスを上げる努力も必須です。このとき、個人が自分自身の仕事と生活のバランスを取るためのカギとなるのが、時間の質を向上させるタイムマネジメントの考え方なのです。

個人と組織のパフォーマンス向上のために

パフォーマンスの向上は、長時間労働を是正するための手段であると同時に、人材不足が進んでいくこれからの時代を生き抜く企業にとって大変重要な課題です。

タイムマネジメントを追求・実践することで得られるメリットは、個人にとっても組織にとっても、パフォーマンス向上につながります。以下で、個人・組織、それぞれのメリットを確認してみましょう。

個人にとってのメリット

  • オンとオフの切り替えがうまくなる
  • 残業時間を減らすことができる
  • 時間に追われているというストレスが減る

「残業を減らす」というある意味物理的な効果とともに、「ストレスが減る」という心理的な効果もあるといえます。

組織にとってのメリット

  • 従業員パフォーマンスをボトムアップすることができる
  • 組織全体の生産性を上げることできる
  • 業務の標準化を進めることができる

なお、3点目は副次的な効果ともいえますが、個々の従業員がより良いタイムマネジメントを実現するためには、業務を効率化する必要があります。

それには、今まで人によってバラバラだった業務の進め方を改めて統一し、マニュアルを作成する、ツールを導入するといった工夫が求められるでしょう。結果、組織としての業務の質が高まることが期待できます。

個々の従業員のタイムマネジメントスキルを向上させることができれば、一人一人のパフォーマンスがアップし、企業の生産性向上につながります。このように、タイムマネジメントは個人にとっても組織にとっても、ますます重要な意味を持つようになってきているのです。

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タイムマネジメント実践の先にあるもの

前述の通り、タイムマネジメントは個人と組織のパフォーマンス向上に役立ちます。しかし、タイムマネジメントを身に付け、習慣化することは、長い目で見るとより大きな福音を日本社会にもたらします。

元来、日本人は諸外国人と比較してワークライフバランスを実現するのが下手だと考えられています。それは、仕事と人生が不可分のものだと考える傾向にあるためです。つまり、仕事でやりがい・生きがいを感じることが人生の幸せにつながると考えているビジネスパーソンが多いということです。

タイムマネジメントがもたらすパフォーマンス向上や充実感は、個人のやりがいに寄与するでしょう。

一方で、企業は個人がより良いタイムマネジメントを実現できるよう、必要な教育・指導を行うこと、また、それを阻む要因を探して解消する必要があります。なぜタイムマネジメントができていないのか、業務状況や従業員の意識調査を行うことも有効でしょう。

その上で、業務の標準化、個人の能力や意向、キャリアを考慮した仕事の割り振り、互いに協力したりコミュニケーションを取ったりしやすい環境の提供といった施策を行うことが考えられます。

仕事でやりがい・生きがいを感じると、従業員はより充実したワーキングライフを送ることができます。

1日のうちで長い時間を過ごす職場は、単に報酬をもらうための「拘束の場」や「労役の場」ではなく、自ら考えて戦略的に行動し、成果を上げて褒賞を得るための「活動の場」「挑戦の場」となるでしょう。

これは、エンゲージメントの向上につながっていきます。

このように、タイムマネジメントの習慣化は、個人のワークライフバランスの追求やキャリア指導の在り方に影響を及ぼし、モチベーションやエンゲージメントの向上にもつながっていく要素を持っているのです。

タイムマネジメントは、個人の業務の効率化を通じて、組織の最適化に貢献する力を持っているといえるでしょう。

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タイムマネジメントを身に付ける方法

それでは、タイムマネジメントを身に付けるにはどのような方法があるかを見てみましょう。

集合研修

まず挙げられるのは集合研修です。

タイムマネジメントの集合研修はたくさんの企業が提供していますが、大体の流れは共通しているようです。例えば以下のようなものが典型例といえるでしょう。

集合研修の典型例

まず、これまでのタイムマネジメントを振り返り、自己分析するところから始まります。

次に、仕事を種類によって分け、同じ種類の仕事をまとめて処理します。こなす仕事には資料の整理や請求書作成など、考える仕事には企画立案などが挙げられるでしょう。拘束されてしまう時間とは会議や商談など、少しなら自由に使える時間とは出張や外出の移動時間などを指します。

そして、タイムマネジメントの実践方法を学びます。PDCAサイクルを用いて仕事を行うこと、優先順位をどのようにして付けるかといった重要な課題に取り組みます。同時に、「処理できる仕事の量」と「処理すべき仕事の量」をコントロールする方法を学びます。

続いて、実践においてよくある課題点を取り上げます。仕事を断る、中断や妨害への対策を講じる、他者に依頼するなど、自分が取り得る選択肢をあらかじめ把握しておけば、実務における戸惑いを減らすことができます。

このような実践課題に取り組むには、対人スキルや日頃の情報共有の仕方などが重要になってきますので、コミュニケーションや情報共有の工夫などについても学びます。

そして最後に実際の計画を立ててみることによって、学びの定着と実践へのイメージづくりを行います。

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eラーニング

eラーニングは、パソコンやタブレット・スマートフォンなどを用いて教材に接続し、学習する方法です。

実は、上掲の集合研修の内容は、ほぼそのままeラーニングで学ぶことができます。以下は実際にeラーニングで提供されているタイムマネジメント教材の目次情報ですが、学習内容としては遜色ないことがお分かりいただけるかと思います。

eラーニングの典型例

eラーニングではグループワークや成果発表といったことはできませんが、タイムマネジメントのように、基礎知識を学び、個人で実践していくテーマにおいてはむしろ効率の良い面があります。

最近はeラーニング教材も知識偏重にならぬよう、実践性を考慮した作りになっています。例えば、具体的なケースを提示したり、TODOリストの作成方法を紹介したり、最後に確認のためのテストを実施したりする教材などがあります。ゲーム的な要素を楽しみながら学習することができるでしょう。

eラーニング「タイムマネジメント」の画面イメージ
参考)eラーニング「タイムマネジメント」の画面イメージ

また、学習を終えた後に何度でも再受講ができる点も、eラーニングのメリットといえるでしょう。新入社員だけでなく、振り返って学習したい全ての従業員が、任意の時間に必要な項目を閲覧することができます。

eラーニングでできるものはeラーニングで、ワークや実践トレーニングが必要なものは集合研修で、と考えると、タイムマネジメントについてはeラーニングで十分学習可能といえそうです。

「学んだ内容を業務の中で実践し、自分なりに工夫していく」という学習後に必要なステップも、集合研修と同じです。

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まとめ

タイムマネジメントの定義・目的、今注目されている背景、タイムマネジメントの狙い、個人レベル・組織レベルでのタイムマネジメントのメリットを説明しました。

タイムマネジメントは、働き方改革ワークライフバランスとも大きな関わりがあり、人生や社会を豊かにするものであるといっても過言ではありません。

また、タイムマネジメントの習得が、モチベーションやエンゲージメントの向上に強く結び付いていることも見えてきました。タイムマネジメントは、企業の生産性を握る1つのカギといえます。

タイムマネジメントの学習方法としては、集合研修eラーニングをご紹介しました。効率性を重視するならば、タイムマネジメントのように、基礎知識を学び、個人で実践していくテーマについてはeラーニングの方が向いているといえるでしょう。

タイムマネジメントは新入社員だけでなく、全てのビジネスパーソンにとってますます重要性を増しています。これを機に、タイムマネジメントを見直し、実践・強化を図ってみてはいかがでしょうか。

  1. 厚生労働省「『働き方改革』の実現に向けて」 ↩︎

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