ソーシャルラーニングとは 個人の成長とナレッジの共有化を実現する新手法

ソーシャルラーニングとはソーシャルメディアを通じて行う学習形態です。教える側と学習する側の役割が固定されておらず、参加者がソーシャルメディア上で教え合い、学び合うという相互性が特徴です。

ソーシャルメディアというと、例えばX(旧:Twitter)やFacebook、ブログ、YouTube、Wikipediaなどが挙げられます。本ブログもソーシャルメディアの一種ですので、この記事を読んでいる方も、ソーシャルメディアを利用していることになります。

ソーシャルメディアはいまや日本中、世界中の人々を何らかの共通点で結ぶ壮大なネットワークをつくり上げています。このネットワークを学習に活用しようという動きが、ソーシャルラーニングです。

本稿では、特に企業の人材育成、ナレッジマネジメントへの活用という視点で、ソーシャルラーニングの特徴、メリット、デメリットの他、導入や運用に当たっての注意点を説明します。ぜひ参考にしてみてください。

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AIで要約

  • ソーシャルメディアを使い、参加者が教え合い、学び合う学習形態です。
  • 個人の経験やノウハウを共有し、企業全体の財産とします。
  • 参加者の主体性に任せず、企業が学習促進を工夫する必要があります。

ソーシャルラーニングとは

ソーシャルラーニングとは、主にX(旧:Twitter)やFacebook、ブログ、YouTube、Wikipediaなどのソーシャルメディアを利用する学習形態を指します。従来の学習形態である「教える側」と「学習する側」といった役割が固定化された学習方法ではなく、参加者が相互に教え・学ぶことができます

例えば、ある参加者が疑問や分からないことをソーシャルメディアを通じて質問し、他の参加者がそれに答えていくという形態です。これを企業に導入すれば職場の同僚、他部門の従業員だけでなく、関連企業の従業員や取引先などとも相互学習ができ、参加者間のナレッジ共有が可能です。

ソーシャルラーニングでナレッジの共有に成功した例として、Intel Corporation(以下、Intel)のIntelpediaがあります。

IntelpediaはWikipediaのIntel版で、2005年にIntelの1人の技術者によって開発されました。初めは、同僚が企業や製品の情報を簡単に調べられるように作られただけでしたが、利用者は社内で徐々に増え、2008年には8700人以上が利用するサイトに成長し、利用者が作成したページはおよそ2万5千に上りました。

その後、IntelpediaはIntelの巨大データベースとなりました。ソーシャルラーニングが拡大・浸透した好例といえるでしょう1

この例のように、ソーシャルラーニングは個々の従業員が保有する業務上の経験・ノウハウなどの暗黙知を見える化し、企業としてのナレッジに昇華させる可能性を持っています。そのため、企業の中にはソーシャルラーニングをナレッジマネジメントに活用し、競争優位の源泉にしようという動きも見られます。

こうした動きは、従業員の世代の移り変わりとも連動しています。今後中堅となっていく従業員は、SNSなどで他者とコミュニケーションを取ることに慣れています。こうしたことからも、ソーシャルラーニングは今後さらに普及していくと考えられます。

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ソーシャルラーニングのメリット

ここでは、ソーシャルラーニングの導入によるメリットを確認しましょう。

  • 実践的な知識の習得
  • 企業におけるナレッジの蓄積
  • 個別対応の学習

実践的な知識の習得

ソーシャルラーニングで先輩や上司などから実務でのさまざま知識・ノウハウの提供や助言が受けられるため、参加者は実践的な知識が得られます。初めての業務の進め方、問題への対処法、失敗後の再発防止策など、他の経験者から情報は大いに役立つでしょう。

企業におけるナレッジの蓄積

優れた知見も、個人が保有しているだけでは効果は限定的です。しかし、ソーシャルラーニングを通じて全社的に共有され、企業のナレッジとなれば、大きな成果につながります。

個別対応の学習

全員が同じ内容を学習する従来の研修や授業と異なり、ソーシャルラーニングは個人が知りたい内容、困っていることを随時学べる個別対応が可能な学習形態です。

個人の成長を実現しつつ、実践を通じて得られた真に有効なナレッジを抽出し、企業の財産とできることが、企業におけるソーシャルラーニング導入のメリットといえるでしょう

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ソーシャルラーニングのデメリット

次に、デメリットを確認しましょう。

  • 計画的な能力開発には向かない
  • 参加者任せにすると学習が停滞する可能性がある

計画的な能力開発には向かない

ソーシャルラーニングは個々の参加者が任意のタイミングで任意のテーマを学習する、自由度の高い学習形態です。よって、一定の目標を掲げ、計画的に行われる能力開発プログラムのメインツールとして活用することは難しいでしょう。

通常の研修に導入するのであれば、質疑応答や希望者による自由なディスカッションなど、補助的に取り入れることをおすすめします。

参加者任せにすると学習が停滞する可能性がある

ソーシャルラーニングは参加者主体で行われるのが基本ですが、かといって放置された状態では、利用者が増えず、形骸化してしまう可能性があります。参加者間での質問や相談、回答などが活発になるよう、ときには企業側からの働きかけも必要でしょう。

ソーシャルラーニングの導入・運用での注意点

前述のデメリットも踏まえつつ、ソーシャルラーニングの導入や運用には次の点に注意しましょう。

  • 運用ルールをしっかり定める
  • 学習を活性化するための工夫をする
  • 効果の確認と改善を行う

運用ルールをしっかり定める

どのソーシャルメディアを使うかどのような情報を提供しあうかといった導入・運用上のルール作りが必要です。

例えば、重要な社内情報を扱うなら、SNSなどではなく社内ネットワークの利用が求められます。また、SNSなどを利用する場合は、外部に提供できる情報について規定しておかねばなりません。

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学習を活性化するための工夫をする

参加者の自発性に任せるだけでは学習活動が低調になりかねないため、活性化させる仕掛けが必要です。ソーシャルラーニングの運営担当やチームを設置して、学習活動について一定のコントロールを行うとよいでしょう。

例えば参加を促すために、定期的に有識者のコメントを掲載したり、話題になっているテーマを一斉メールなどで通知したりするといった工夫が考えられます。

効果の確認と改善を行う

仕組みが形骸化しないよう、施策としての質を高めていく姿勢が重要です。

ソーシャルラーニングが従業員の知識・能力の向上や社内のナレッジの蓄積にどのように役立ったか、そこから革新的なアイデアにつながるような発見があったか、といった内容を定期的に確認し、必要に応じて運営方法を見直していきましょう。

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まとめ

ソーシャルラーニングとは、X(旧:Twitter)やFacebook、ブログ、YouTube、Wikipediaなどのソーシャルメディアを利用する学習形態を指します。参加者が相互に教え・学ぶという相互学習が特徴です。

ソーシャルラーニングでは、以下のようなメリットが期待できます。

  • 実践的な知識の習得
  • 企業でのナレッジの蓄積
  • 個々人の知りたい内容、困っていることを随時学べる

一方、以下のようなデメリットもあります。

  • 計画的な能力開発には不向き
  • 参加者任せでは学習の促進が困難

そのためソーシャルラーニングの導入・運用では、以下のような点を注意しなければなりません。

  • 運用に関するルール作り
  • 学習を活性化する仕組み
  • 効果の確認と改善

ソーシャルラーニングは個々の従業員の能力向上に役立つだけでなく、経験やノウハウの見える化を通じて、組織としての成長も促します。業績に直接的に影響するようなイノベーションも起こり得るかもしれません。

また、OJTや研修など従来の教育と併せて行うことで、意見交換や疑問を解消するための場として活用することができるでしょう。

従業員に学ぶ習慣を身に付けてもらいたい、ナレッジマネジメントを始めたいと考えている方は、この機会にソーシャルラーニングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

  1. Wendell, Appel. THE STORY OF INTELPEDIA: A MODEL CORPORATE WIKI, SOCIAL MEDIA.biz, June 6. 2018.https://www.socialmedia.biz/the-story-of-intelpedia-a-model-corporate-wiki/ (閲覧日:2021年3月11日) ↩︎

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