自己啓発とは?メリットとデメリット、手段化して仕事に活用する方法

「企業から自己啓発費用が支給されていることもあり、なんとなく自己啓発本を読んではいるけれど、いまいち効果が得られていない気がする。きちんと仕事に生かせる形にしたいが、どうしたらよいだろうか?」

多くの企業は、従業員のスキルアップや能力開発を「自己啓発」という形で支援しています。実際、正社員の自己啓発に対して支援を行っている企業は、82.5%と8割を超えています1

しかし、書籍を読んだりセミナーに参加したりするだけで満足してしまうという展開はありがちです。企業からの支援を受けても、仕事にうまく取り入れることができないと、「自己啓発には意味がない」ということになってしまいます。

では、自己啓発をきちんと意味のあるものにするにはどうしたらよいのでしょうか?

本稿では、自己啓発を「やったつもり」で終わらせずに、仕事に取り入れる工夫をご紹介します。自己啓発を効果的に行い、ワンランク上のビジネスパーソンを目指す方のヒントとなれば幸いです。

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AIで要約

  • 仕事に役立つ能力や意識を自分で高める訓練です。
  • 読書やセミナー、eラーニングなど多様な方法があります。
  • 目標を明確にし、できることから習慣化することが鍵です。

自己啓発とは

自己啓発とは、己の能力や意識をより成長させるため、主体的に訓練を行うことを指します。自己研さん、自己開発などとも呼ばれます。

しかし、実はどのような行為が自己啓発と呼ばれるかは、明確には定義されていません。

一般的には、ビジネスシーンに役立つスキルや能力を身に付ける行為を自己啓発とすることが多いですが、料理がうまくなりたい、釣りでもっと大物を釣りたいと努力することも自己啓発といえます。

本稿では、一般的なビジネスシーンにおける自己啓発としてご紹介していきたいと思います。

自己啓発の方法

自己啓発には、さまざまな方法があります。代表的なものとして、以下が挙げられます。

  • 書籍を読む
  • セミナーや研修・交流会に参加する
  • 通信教育を受ける
  • eラーニングを受ける
  • 大学・大学院に通う
  • 副業や非営利活動を行う

書籍を読む

手軽に始められる方法として、読書が挙げられます。しかし、膨大な数の自己啓発本が次々と出版されているため、自分に合った書籍を選ぶことが重要です。

セミナーや研修・交流会に参加する

社内で展開されている挙手制のセミナー・研修を受講したり、自主的に外部のセミナーや研修・交流会に参加したりする方法です。社内外問わず、同じ志を持つ仲間に出会えるというメリットもあります。

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通信教育を受ける

特に資格取得を目的とする場合、通信教育は有効です。

学校法人大原学園(資格の大原)、株式会社ユーキャン(ユーキャン)、株式会社学文社(がくぶん)など、通信教育を専門として展開している法人は多数あります。プログラミングや日商簿記、英会話、ファイナンシャルプランナーなど、ビジネスに直結する資格もラインナップされています。

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eラーニングを受ける

社内で導入されているeラーニング研修や、社外のeラーニング講座を受ける方法です。自社に自己啓発に関するeラーニングが用意されていないか、確認してみましょう。eラーニングにはBtoCサービスもありますので、自分で探してみるのも手です。

また、最近はオンライン上でコミュニティ運営者の話や意見を聞いたり、交流したりすることができるオンラインサロンの人気も高まっています。西野亮廣氏や堀江貴文氏、本田圭佑氏など、多くの著名人がオンラインサロンを運営しているので、そうしたサイトをのぞいてみるのもよいかもしれません。

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大学・大学院に通う

特定の分野を本格的に学ぶ方法としては、大学や大学院に進学することも有効です。企業に勤めながらでも、卒業に必要な単位が4年で履修できるようにカリキュラムが組まれている大学もあります。

また、大学レベルの授業が基本的に無料で受けられるオンライン講座プラットホーム「MOOC」もあるので、まずはこちらをチェックしてみるのもよいでしょう。

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副業や非営利活動を行う

ピーター・ドラッカーが提唱しているこれからの社会における生き方の一つである、パラレルキャリアという考え方が注目を浴びています。これは、副業や非営利活動など、本業以外の活動に取り組むことにより、知見を広げ、人生を豊かにするという考え方です。

2018年に厚労省が提示したモデル就業規則が副業を認める文言に改正されたこともあり、急速に副業解禁の動きが広まっています。アイシン精機株式会社や花王株式会社、パナソニック株式会社などのいわゆるレガシー産業と呼ばれる大手企業も副業を解禁しています。

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上記に加えて、近年では、隙間時間を有効活用するための自己啓発アプリ動画コンテンツなども増えているようです。

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企業の導入事例

自己啓発を重要視し、企業の教育プログラムの一環として組み込んでいる事例も数多くあります。いくつか事例をご紹介します。

カルビー株式会社

「人財はバリューチェーンを支える重要な基盤であり、継続的な成長のためのイノベーションの源泉である」という考え方に基づき、チャレンジングマインドを有する人財の育成と、その能力を十分に発揮し、活躍するための環境づくりに取り組んでいます。

キャリア形成プログラムの中に「自己啓発のサポートプログラム」が組み込まれており、eラーニングスクーリング型のメニューなど、従業員自身で選択したカリキュラムについて費用の一部補填を行っています。

サントリーホールディングス株式会社

全従業員が自立したプロフェッショナルとして、自らのキャリアをデザインし、新たな価値を生み出し続けるグローバルカンパニーを目指しています。サントリーグループの従業員は全世界約4万人、そのおよそ半数が日本で働いています。

新入社員から部長などの役職者におけるまで、一貫してキャリア開発体系の中に自己啓発が組み込まれており、「応募型研修」「通信教育」「eラーニング」などを選択できるようになっています。また、育成体系のさらなる進化を目指し、「サントリー大学」も設立されました。

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自己啓発のメリット・ベネフィット

前章では、自己啓発の意味と方法、企業の導入事例をご紹介しました。では、自己啓発を行うことによって、具体的に自分自身にはどのようなメリット・ベネフィットがあるのでしょうか。

ビジネススキルが身に付く

読書や学習を行い、セミナーや研修に参加することによって、新しい知識や自分一人ではたどり着けなかった考え方を学び、身に付けることができます。

例えば、コミュニケーションスキルが身に付くと、職場での意思疎通がスムーズとなり、信頼関係が構築しやすくなることで、業績につながったり、OJT指導が成功したりするなどの効果が期待できます。

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精神的に成長できる

自発的に自己啓発を行うことによって、自分自身に自信が持て、ポジティブになることができるでしょう。結果、うまくいかないことがあっても前向きに捉えられるなど、精神的な成長が見込めます。

自己啓発のデメリット・リスク

冒頭でも少しご紹介しましたが、自己啓発のデメリット・リスクは以下の通りです。

自己啓発が目的になってしまう

「自己啓発に意味はない」といわれる原因の多くがこちらです。もともと自分自身の成長のために読書をしたり、セミナー、交流会などに通い始めたりしたのに、いつの間にかその行為自体で満足してしまい、本来の目的を見失ってしまうのです。

視野が狭くなり自信を失ってしまう

いわゆる自己啓発本では、筆者が正しい前提で進みます。セミナーや研修も同様です。しかし、どれほど偉い先生でも、100%正しい人は存在しません。

自己啓発にのめり込み過ぎると、習得した知識や考え方でしか物事を見られなくなってしまい、視野が狭くなる可能性があります。また、狭くなった視野では現実に対処できず、自信を失ってしまう結果にもつながりかねません。

このように、自己啓発のデメリット・リスクは、自己啓発が手段ではなく目的化してしまったがために起こるといえます。

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自己啓発を手段化するには

では、自己啓発を目的ではなく手段として正しく取り入れるには、どのようにしたらよいのでしょうか。本日からでもできる具体例をご紹介します。

目的を明確にする

突然ですが、一度自己啓発のことは忘れ、なりたい自分をイメージしてください。最終的には5年後になりたい自分がイメージできればベストですが、まずは今、どのようになりたいかを考えます。例えば、以下のようにできる限り具体的にイメージしてみてください。

「プレゼンがうまくなりたい」
「営業成績で1番になりたい」
「月末の経理業務をあと1時間早く終わらせたい」
「昇進したい」
「残業を減らして早く帰りたい」

イメージができたら、どうすればなりたい自分になれるのかを考えてみましょう。「プレゼンがうまくなりたい」なら、「人前での緊張を和らげる方法を見つける」や、「業界についてもっと詳しくなる」などが考えられます。

上司や同僚など、身近に客観的な意見をくれる人がいるなら、その人に聞いてみるとより正確に把握できます。

「月末の経理業務をあと1時間早く終わらせたい」なら、もう少し具体的に、経理業務のどの部分が1番手間取っているかを考えてみましょう。

それが「営業部への戻しが多い」ならコミュニケーションが足りていないのかもしれないし、「入力作業」だったら仕事の仕方を工夫すればもっと早くできるかもしれません。

前者の場合、なりたい自分は「円滑にコミュニケーションを取れるようになる」、後者の場合は「効率良くタスクが片付けられるようになる」ですね。

その答えが、自己啓発の目的となります。後は、その目的を達成できる自己啓発の方法を調べ、学んでいけばよいのです。「人生で成功を収める」や「FXで〇千万円稼ぐ」といったスケールの大きなことよりも、まずは今、イメージができることを目的にしてみましょう。

自己啓発の方法を調べる

自己啓発の目的が決まったら、その方法を調べます。

自己啓発の代表的な方法としては第1章で挙げた6つが考えられますが、まずはインターネットなどでその目的を検索すると、関連する情報がたくさん出てくるのでおすすめです。

膨大な情報の中から自分に合った方法を選ぶのは至難の業のように感じるかもしれませんが、書籍やセミナー、オンライン・オフラインプログラムなど、どの方法にも共通する自分にとって有効かを知るポイントを以下にまとめましたので参考にしてみてください。

  • 知りたい分野の専門家かどうか
  • 目次や内容に知りたい情報があるかどうか
  • レビューが具体的かどうか

知りたい分野の専門家かどうか

注目した書籍やプログラムの提供者が、自分が知りたい分野の専門家かどうかをチェックします。

大学教授や国家資格保有者など、専門家であることが分かりやすい場合はよいのですが、自己啓発のジャンルでは自称専門家も少なくないようです。聞きなれないワードがあったらそのワードで検索するなどして、有効な情報なのかを確認した方がよいでしょう。

目次や内容に知りたい情報があるかどうか

書籍やプログラムのタイトルに自分の目的が記載されていたら、ぜひ目次や内容をチェックしてみましょう。

同じような目的に見えても、確認すると対象層が違っていたり、内容が微妙に異なっていたりするということはよくあります。内容をチェックする機会を増やすことで、より自分に合った方法を選択することが可能になります。

レビューが具体的かどうか

読者や受講者のレビューが公開されている場合は、評価点だけでなく内容もしっかりチェックしましょう。

高評価でも、「良かったです」「やる気がでました」など、抽象的な場合は注意が必要です。どのような部分が有効だったのか、そしてそれをどのように生かせているのかが具体的に記載されているものを参考にしましょう。

いきなり費用をかけることに抵抗がある場合は、社会人に必要な情報を発信しているサイトを定期的に訪れ、より興味を引かれたコンテンツの書籍やプログラムなどを購入・受講するなど、ワンクッションおいてもよいでしょう。

できることから始める

目的が明確になり、自己啓発の方法を調べたら、その中からできることを1つ選んでください。

先ほどに引き続き、「プレゼンがうまくなりたい」を例に挙げます。「人前での緊張を和らげる」ための方法の中に「大きな声を出す」があったとします。

いきなりクライアントの前で大きな声を出すのは難しいと感じたら、朝出社したときのあいさつを少しだけ大きくしてみればよいのです。もし、あなたが現在テレワークで出社をしないのなら、オンライン会議のあいさつを大きくしてみましょう。

まずは「できることから」がキーワードです。

習慣化する

できることから始めたら、それを毎日続けましょう。その際、必ずチェックをすることがポイントです。手帳に丸を付ける、カレンダーアプリの色を変える、などでもよいでしょう。

チェックに時間がかかると毎日続けるのが苦痛になってしまうため、数秒で終わる方法がベストです。朝起きたら歯を磨くくらい当たり前になるまで、意識して続けてみてください。

自己啓発とキャリアデザイン

自己啓発を手段として取り入れる工夫は、実は意外とシンプルです。今なりたい自分のイメージに慣れてきたら、ぜひ、1年後、3年後、5年後と中長期的な目標を立ててみてください。

市場の変化やライフイベントなどで状況は変わっていくものですから、20年後、30年後など、あまり長すぎると現実的ではなくなってしまいます。5年後、長くても10年後を目途に取り組みましょう。

また、中長期の目的を立てる場合は、キャリアデザインを行うことがとても重要になってきます。キャリアデザインとは、自分自身の職業人生で実現したいことを主体的に考え、そのための方法を具体化するという概念です。

キャリアデザインについて、詳細は以下の記事をご参照ください。

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キャリアデザインを行うと、自己啓発は自身のキャリア上の目標を達成するための手段ということになります。目標を見据えて自己啓発の計画を立てることで、自己啓発自体を目的化することなく、しっかりと仕事に活用していく視点が生まれます。

関連eラーニング教材 ▶ 管理職研修

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まとめ

本稿では、自己啓発の意味やメリット、そして自己啓発が目的化してしまうリスクについてお伝えしました。また、自分に合った自己啓発の方法を選ぶポイントや、自己啓発を手段として取り入れ仕事に生かす工夫を具体例とともにご紹介しました。

自己啓発とは、己の能力や意識をより成長させるため、主体的に訓練を行うことです。

自己啓発の方法として代表的なものは、以下が挙げられます。

  • 書籍を読む
  • セミナーや研修・交流会に参加する
  • 通信教育を受ける
  • eラーニングを受ける
  • 大学・大学院に通う
  • 副業や非営利活動を行う

カルビー株式会社やサントリーホールディングス株式会社など多くの大手企業が、自己啓発を重要視し、企業の教育プログラムの一環として組み込んでいます。

自己啓発のメリット・ベネフィットは、以下が挙げられます。

  • ビジネススキルが身に付く
  • 精神的に成長できる

また、自己啓発のデメリット・リスクは、以下が挙げられます。

  • 自己啓発が目的になってしまう
  • 視野が狭くなり自信を失ってしまう

自己啓発を手段化する工夫は、以下の通りです。

  • 目的を明確にする
  • 自己啓発の方法を調べる
  • できることから始める
  • 習慣化する

また、キャリアデザインを行うと、自己啓発は自身のキャリア上の目標を達成するための手段ということになります。目標を見据えて自己啓発の計画を立てることで、自己啓発自体を目的化することなく、しっかりと仕事に活用していく視点が生まれます。

終身雇用制度が崩壊しつつある現代、より主体的な人材が求められるようになりました。自分自身の人生を一層充実させるためにも、ぜひ今一度キャリアについて考え、自己啓発に取り組んでみてはいかがでしょうか。

  1. 厚生労働省実施 令和4年度「能力開発基本調査」 ↩︎

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