【事例あり】内省の意味とは?ビジネス&人材育成の重要スキルを解説

「振り返りと改善を習慣づけ、従業員の内省力を高めたい」

近年、自分の考えや行動を振り返る「内省」が注目されています。

経済産業省が2018年に発表した「人生100年時代の社会人基礎力について」1では、個人と企業の成長において、リフレクション、つまり内省は重要スキルに位置づけられています。

ZaPASS JAPAN株式会社の調査レポート2によると、日本企業に勤める会社員208人に、仕事や業務軸での内省・振り返りを定期的に行う習慣があるか尋ねたところ、64.9%の人が「はい」と回答しました。

一方で、「いいえ」と回答した35.1%の人は、内省・振り返りをしていない理由について「面倒に感じる」、「方法がわからない」、「1人だと継続できない」など振り返りの難しさを挙げています。

従業員の内省力を高めると、個人の主体性や応用力の強化だけでなく、企業全体の生産性アップにも役立ちます。

自分の内省力を高めてスキルアップしたい方、部下の内省力を高めて強いチームを作りたいという管理職の方も多いのではないでしょうか。

本稿では、内省の意味や個人・複数人で行う内省の方法、内省を継続するコツなどを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

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AIで要約

  • 内省とは、自身の考えや行動を深く省み、気づきを得ることです。
  • 変化が激しい現代において、内省は成長や自律型人材育成に不可欠です。
  • 内省を高めると、企業と従業員の双方に業務改善や自己成長などの利点があります。

内省とは?意味や類語を解説

まずは、内省の意味や類語を確認していきましょう。

内省の意味

内省とは「自分の心と向き合い、考えや行動を深く省みる」という意味です。

ビジネスの場面では、日々の業務について「なぜその行動をしたか」、「どのように感じたか」、「どうなりたいのか」というように、自分の行動や気持ちを客観的に振り返り分析することを指します。

その分析結果から新たな気付きを得ることが内省の目的です。

内省的な人は自分自身を客観的に見つめ直せるため、自分の心理状況を的確に理解し、自己分析を行えます。そのため、次の機会には分析の結果を生かし、最善の行動が取れるのです。

ビジネスにおける内省の重要性

内省は、なぜビジネスにおいて重要なのでしょうか。

現代はビジネス環境が目まぐるしく変化し、先の予測が困難なVUCAの時代です。世の中は劇的なスピードで変化しており、その変化に対応していくために、ビジネスパーソンは常に業務の振り返りと改善を繰り返す必要があるのです。

VUCA時代において成長し続けられるのは、改善のための振り返り、つまり内省ができる人だと言えるでしょう。

内省によって自分の考えや行動から得た気付きを生かし、次の機会でより大きな成果につなげる、または同じ失敗をしないようにすると、仕事の質は向上します。

また、内省は人材育成の面でも注目されています。

変化の激しい環境の中、自ら考え、判断して能動的に行動して結果を出せる人材、つまり自律型人材の育成のために、自身の意志決定を振り返る内省のスキルが大変重要なのです。

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反省との違い

内省と似た言葉に「反省」があります。反省とは「間違った考えや行動を振り返る」ことを指し、誤りを正す際などに用いる言葉です。

一方、内省はネガティブな状況だけでなく、成果が上がった、事態が好転したといったポジティブな状況でも行うので、そこが大きな違いと言えるでしょう。

内観との違い

内省と似た言葉には「内観」もあります。内観とは「自分の意識や感情を観察する」ことです。

内観は主に心理学や宗教などで用いられ、特に自分の精神や心理状態などの内面を観察し、自分にフォーカスすること自体が目的です。

一方、内省はそれに加えて気付きを得ることを目的とし、ビジネスの場面でも広く使用される言葉です。

内省力を高めるメリット

前章では、ビジネスにおいて内省が大変重要であるとご紹介しました。内省力を高めると企業にも従業員にもメリットをもたらします。それぞれのメリットを確認してみましょう。

企業側のメリット

企業側のメリットは四つあります。それぞれを確認してみましょう。

  • 業務改善により生産性がアップする
  • 自律型人材の育成に役立つ
  • 管理職のマネジメント能力が向上する
  • マネジメントコストを削減できる

業務改善により生産性がアップする

内省をして自分自身の業務を振り返ると、改善点に気付くことが可能です。

例えば、業務がスムーズに進んでいる際は、じっくりと振り返りを行う機会は少ないものです。特に中堅の従業員は業務に慣れていることから、問題点に気付きにくい場合があります。

このような従業員は、自身のスキルに限界を感じると離職に至るケースもあるようです。しかし内省によって、より優れた方法を見つけ状況を改善できる可能性があります。

内省を習慣化して業務改善することで離職を防ぎ、チームや企業全体の生産性向上が期待できるでしょう。

自律型人材の育成に役立つ

ビジネス環境の変化が激しい時代に対応するためには、自ら考え、判断をして能動的に行動できる自律型人材の育成が急務です。

内省は、自身の改善点や優れた点を見つけて行動に生かすプロセスを経て、自身の意思決定に責任を持てるようになるため、自律型人材の育成に役立ちます。

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管理職のマネジメント能力が向上する

リクルートワークス研究所が2017年に行った調査によると、部下の動機づけがうまいマネジャーとそうでないマネジャーの間で、最も実施状況に差があったマネジメント行動は、部下への職務のアサインについての「内省」でした3

この結果から、部下への動機づけがうまいマネジャーは、時間を確保して部下の職務へのアサインとその結果について振り返りを行っていると考えられています。

企業側が管理職に定期的に内省を促すことで、組織全体のマネジメントレベルの向上が期待できます。

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マネジメントコストを削減できる

管理職がマネジメントにおける自身の取り組みを内省すると、よりよい指導ができます。

また、チームで内省の内容を共有すれば、メンバーが今どの業務を、どのような気持ちで、どのように遂行しているのかを可視化でき、適切なフォローをしやすくなります

テレワークと出社のハイブリッド勤務が広まった昨今は、コミュニケーションを取りにくい場面も多くなっています。定期的な内省の共有によって効果的・効率的なマネジメントを行いましょう。

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以上が企業側のメリットです。

従業員側のメリット

従業員側にも内省力を高める四つのメリットがあります。

  • 精神面を鍛えて自己成長できる
  • さまざまな業務への対応力が向上する
  • 常に「なぜ」という思考を持てる
  • 物事を多角的に見られる

精神面を鍛えて自己成長できる

内省をすると精神面が鍛えられ、感情をコントロールできるようになります。

仕事でミスをして落ち込んでも、内省によって客観的に事実のみを振り返ることで冷静になり、メンタルが安定した状態で次の仕事に取り組めるようになるでしょう。

このような内省を繰り返し、自分自身と向き合って将来像を明確にすれば、キャリア形成にもつながります。

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さまざまな業務への対応力が向上する

内省で得た気付きを基に業務改善を繰り返していくと、成功しやすい方法やコツなどを他の業務にも応用できるようになります。

内省によって業務のコツやノウハウが蓄積され、変化に柔軟に対応できるスキルが身に付くのです。

常に「なぜ」という思考を持てる

内省をすることで、なぜうまくことが運んだのか、なぜ失敗したのか、なぜ成約したのかなどの「なぜ」に注目できるようになります。

良し悪しに関わらず結果に疑問を持ち、理由を追求することが大切です。

そうすれば深く思考する力が高まり、現代の複雑なビジネス環境にも対応できるようになるでしょう。

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物事を多角的に見られる

内省をすると、物事をさまざまな角度から見る力がつき、隠れた事実や本質にも気づけるようになります。

日常の業務においても、柔軟な思考や斬新な発想によってパフォーマンスが向上するでしょう。

以上が従業員側のメリットです。

内省力を高める方法

効果の高い内省は、どのような方法で行えばよいのでしょうか。

ここでは、内省力を高める方法を五つご紹介します。ぜひ実践できそうなものから試してみてください。

行動を記録する

一人で内省をする場合は、自身がどう考えてその行動をしたか、書き出すことが大切です。業務日報や日記などで記録する習慣をつけるとよいでしょう。

文字にして可視化すると改善すべき点を整理しやすく、次はどう行動するべきか明確になります。

さらに、より深く内省をするために、必ず書いたものを見返すようにしましょう。

他の人と話す

行動を記録することに加え、他者と話すことで、より深い内省を行えます。

一人で行う内省に行き詰まってしまった場合は特に有効です。お互いの考えや行動についての話し合いが、自分が気づけなかった視点からの改善点の発見を促してくれます。

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フレームワークを活用する

内省力を高めるために、フレームワークを活用してみましょう。三つのフレームワークをご紹介します。

  • KPT法
  • KDA法
  • YWT法
  • KPT法

KPT法はKeep、Problem、Tryの頭文字を取ったフレームワークです。

自身やチームの行動のうち、成果が出ており継続すること(Keep)を抽出し、解決すべき問題点を見つけ(Problem)今後取り組むこと(Try)を決定します。

成功と失敗の両方に注目するやり方は、内省の本質を捉えていると言えるでしょう。

KDA法

KDA法はKeep、Discard、Addの頭文字を取ったフレームワークです。

自身やチームの行動のうち、成果が出ており継続すること(Keep)を抽出し、失敗につながったこと、今後はやめた方がよさそうなこと(Discard)を振り返り、成功や失敗を踏まえて今後新しく挑戦すること(Add)を決定します。

失敗の原因となった行動を排除して、新しい一手を決める手法です。

YWT法

YWT法はやったこと、わかったこと、つぎにやるべきことの頭文字を取ったフレームワークです。日本能率協会コンサルティング(JMAC)4が提唱しました。

挑戦や改善などのやったこと(Y)、気づきや学びなどのわかったこと(W)、次にやるべきこと(T)を検討する手法です。

過去の経験から気づきを深め、次にやることを決定します。

コルブの「経験学習モデル」を活用する

米国の組織行動学者デービッド・コルブの提唱する「経験学習モデル」は以下の4ステップのサイクルを繰り返し、学習者が経験した事象から学びを獲得していくプロセスを体系化した学習モデルです。

  1. :具体的経験
  2. :内省的観察
  3. :概念化・抽象化
  4. :実践

実際に体験した出来事(1:具体的体験)を客観的に振り返り(2:内省的観察)、その結果となった要因を踏まえて改善点を検討し(3:概念化・抽象化)行動に移す(4:実践)プロセスを繰り返します。

マクスウェルの「アイデンティティーの法則」を活用する

米国第44代大統領バラク・オバマ氏もメンターとして仰ぐリーダーシップ論の権威、ジョン・C・マクスウェルが唱える「アイデンティティーの法則」では、自分の経験を見識(役立つもの)に変え、正しい道をたどっているかを確認できます。

具体的には、「達成」、「効率」、「チームワーク」といった38の項目から最終的に一つの項目を選び、価値観の優先順位を決定します。内省で大切な「なりたい自分」の姿が導き出される手法です。

内省を行う具体的な手順

前章では内省の方法をいくつかご紹介しましたが、ここでは実際に内省を行う際の具体的な手順をご紹介します。

内省は個人で行う場合と複数人で行う場合があるので、それぞれの手法を理解しておきましょう。

個人で行う方法

個人で内省をする際には、三つのステップで実践します。

Step.1事実の振り返り

Step.2プロセスごとの事実の整理・精査

Step.3今後のアクションプランの構築

Step1. 事実の振り返り

まずは実際に起きたことの振り返りを行います。

失敗があったとしても後悔などは抜きにして、何が起こったのか、事実のみを確認することが重要です。

Step2. プロセスごとの事実の整理・精査

次に、経験から結果を出すまでに起こった事実をプロセスごとに整理します。

Step1.と同様、事実の整理では感情は切り離すのがポイントです。推測も入れないように注意しましょう。

その結果を導いた要因や理由、それに対する自分の行動の意味について精査していきます。

時間と労力がかかりますが、プロセスごとに丁寧に精査を行うことで内省の効果が高まります

Step3. 今後のアクションプランの構築

最後に、振り返りを踏まえて、変えたりやめたりするアクションを決定します。

内省して得られた気付きを今後の業務に生かすにはどのように行動するか、その計画まで策定しましょう。

以上が個人で行う内省の手順です。

複数人で行う方法:対話型ワークショップ

内省は基本的には個人で行いますが、一人だと視野が狭くなりがちだったり、同じ考えに回帰してしまったりと、行き詰ってしまう場合があります。

このような場合、他人と内省を行えば、自分とは異なる視点から気付きを得られる可能性があります。複数人だとより効果的です。

その際はファシリテーターを配置すると、ワークショップが円滑に進みます。対話型のワークショップを用いて、次の四つのステップで行いましょう。

Step.1質問と対話
Step.2テーマの発表と話し合い
Step.3議論を深める
Step.4振り返りと今後のアクションプランの構築

Step1. 質問と対話

話し手と聞き手でルールを確認し、最近の出来事について質問と対話による内省をします。一人3分程度が目安です。

質問する側は、前向きに状況を改善するような、建設的な問いかけになるよう意識してみましょう。

Step2. テーマの発表と話し合い

ファシリテーターがテーマを発表し、メンバー同士で意見や経験、悩みなどを話し合います。

テーマの例としては「業務効率化の方法」、「部下との会話で気をつけている点」などがあります。

ファシリテーターはメンバーの意見を引き出しつつ、自分の思いを話しましょう。

Step3. 議論を深める

話し合いからさらに議論を深めていきます。ファシリテーターがテーマに関する議題を提案し、メンバーで議論します。

ファシリテーターは答えを出さず、議論が深まるようガイドをする役目です。経験談や意見の集約整理を行い、議論を導いていきましょう。

Step4. 振り返りと今後のアクションプランの構築

今回のワークショップで学んだことや気付きをまとめ、今後の計画を策定します。最後に、次回までにやっておく課題があればメンバーに伝えます。

以上が、複数人で行う対話型ワークショップの手順です。

自分一人での内省が難しい場合は、ぜひ対話型ワークショップを行ってみましょう。1on1ミーティングで内省の時間を取るのもおすすめです。

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効果的な内省をするポイント

ここまで、内省の重要性や方法についてお伝えしてきましたが、やみくもに行っても効果は十分に得られません。

内省をより効果的なものにするために、次の五つのポイントを意識してみましょう。

完成度より習慣化を重視する

内省は一度だけで終わりにすることなく、定期的に行い改善を積み重ねていくことが大切です。

内省を習慣化するには、毎週末に行う、上司との面談のタイミングで行うなど、決まりを作ると無理なくできるでしょう。

また、完成度にこだわるよりも、継続が重要です。最初のうちは簡単な内容や手順で構いません。継続することで自分なりの内省のやり方を掴み、より質の高い内省ができるようになります。

事実と感情を分ける

内省をする際は感情的にならず、事実のみを振り返る必要があります。

成功した時のうれしさや失敗した時の悲しみが、結果の要因分析に影響すると正しい内省を行えなくなってしまいます。

内省は事実と感情を分けて考えることが大切です。 

意義や喜びを感じる事柄を認識する

自分が何に意義を感じて、何をするとワクワクするのか理解すると、内省をしやすくなります。

ワクワクすること、つまり自分のやりたいことに気付くと自分の理想の姿が明確になり、内省の効果がより高まります。

自分の理想の姿に近づくための努力がパフォーマンスアップへとつながり、気持ちも前向きになるためより早く成長できるでしょう。

組織のミッションとすり合わせる

自分が何に意義を感じるのかを理解できたら、それが業務や組織のミッションにどうつながるのかを考えましょう。

理想の姿に近づくための行動が組織での役割を果たすことにつながれば、内省をしやすくなりモチベーションや生産性が向上します。

内省の結果に固執しない

自分がやりたいことと組織のミッションが合致するのは理想的です。しかしそこに固執する必要はありません

内省によって確固たる軸や指針を持つことは重要ですが、それにこだわりすぎると日々変化する社会情勢や自分の気持ちに対応できなくなってしまいます。

その時々で変化を受け入れられる柔軟性を持てるとよいでしょう。

以上が、内省を効果的に行うポイントです。

内省をするときの注意点

内省の際は、以下の二つの点に注意しましょう。

反省会にしない

先述した通り、内省と反省は別物です。

振り返りを行うと自分や他人を責めたくなる気持ちが出てきてしまう場合があります。しかし、内省の目的は、後悔でも非難でもなく気付きを得て成長することです。

客観的に事実を捉え、今後の改善に重きを置いて内省をしましょう。

広い視野を持つ

初めのうちは、自分の知識や経験の枠内で内省をしてしまいがちです。視野が狭くなりやすいため、上司や先輩、チームのメンバーから助言をもらうとよいでしょう。

自分以外の人の視点を持つと視野が広くなり、より効果的な内省ができるようになります。

以上のような点に注意して内省を行いましょう。

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内省を重視する企業の事例

ここでは、実際に内省を重視している企業の事例を見てみましょう。

NEC(日本電気株式会社)

電機メーカーのNECでは「社会課題の現場へ越境する機会」の提供として、主任からマネージャークラスの従業員に対して越境学習の研修プログラムが実施されています。

研修プログラムのアフターフォローでは内省や振り返りの時間を確保し、得られた学びを言語化できるようにしています。これにより本人の学びや気付きが明確になり、他者へも発信できるようになります。

同社は、研修プログラムの体験を内省して消化し業務に生かす、あるいは上司や周囲の従業員に生かしてもらい、経験を風化させないことが従業員の成長のために重要だとしています。

株式会社WFS

ゲーム制作会社のWFSでは三つの要素から成り立つバリューを大切にしています。その三つの要素は「RESPECT」、「RETRY」、そして「REFLECT」つまり内省です。

同社では、これまでのプロジェクトの反省点を見過ごさず、次に生かす意識が浸透しています。

失敗を振り返る際は個人を非難せず、同じことを繰り返さないために何ができるかを大切にして、そのために建設的な議論を行います。

また、プロジェクトがうまくいった場合であっても内省を欠かしません。気付きを次に生かす「REFLECT」ありきの業務進行で、ノウハウの蓄積を実感する従業員も少なくありません。

以上のように、組織ぐるみで人材育成や業務進行に内省を取り入れ、良い効果を得ている企業があります。

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まとめ

内省とは「自分の心と向き合い、考えや行動を深く省みる」と言う意味です。

ビジネスの場面では、日々の業務について「なぜその行動をしたか」、「どのように感じたか」、「どうなりたいのか」というように、自分の行動や気持ちを分析し客観的に振り返り分析することを指します。その分析結果から新たな気付きを得るのが目的です。

現代はVUCAの時代です。世の中は劇的なスピードで変化しており、その変化に対応していくためには、業務の振り返りと改善を繰り返す必要があります。

変化の時代に成長し続けられるのは、改善のための振り返り、つまり内省ができる人だと言えるでしょう。

また、変化の激しい環境の中、自ら考え、判断して能動的に行動できる人材、つまり自律型人材の育成のためにも、内省のスキルは大変重要です。

内省による企業側のメリットは以下の四つです。 

  • 業務改善により生産性がアップする
  • 自律型人材の育成に役立つ
  • 管理職のマネジメント能力が向上する
  • マネジメントコストを削減できる

従業員側のメリットは以下の四つです。

  • 精神面を鍛えて自己成長できる
  • さまざまな業務への対応力が向上する
  • 常に「なぜ」という思考を持てる
  • 物事を多角的に見られる

内省力を高める方法には、以下の五つの方法があります。

  • 行動を記録する
  • 他の人と話す
  • フレームワークを活用する(KPT法、KDA法、YWT法)
  • コルブの「経験学習モデル」を活用する
  • マクスウェルの「アイデンティティーの法則」を活用する

内省を行う具体的な手順は以下の通りです。 

  • 個人で行う方法
    Step1. 事実の振り返り
    Step2. プロセスごとの事実の整理・精査
    Step3. 今後のアクションプランの構築
  • 複数人で行う方法:対話型ワークショップ
    Step1. 質問と対話
    Step2. テーマの発表と話し合い
    Step3. 議論を深める
    Step4. 振り返りと今後のアクションプランの構築

効果的な内省をするポイントは以下の五つです。 

  • 完成度より習慣化を重視する
  • 事実と感情を分ける
  • 意義や喜びを感じる事柄を認識する
  • 組織のミッションとすり合わせる
  • 内省の結果に固執しない

内省をするときの注意点は以下の二つです。 

  • 反省会にしない
  • 広い視野を持つ

内省を重視する企業を2社ご紹介しました。

  • NEC(日本電気株式会社)
  • 株式会社WFS

貴社の従業員に内省を促し、全社的な業務の改善やパフォーマンスアップを目指してみてはいかがでしょうか。

内省するとはどういう意味ですか?

内省するとは「自分の心と向き合い、考えや行動を深く省みる」という意味です。ビジネスの場面では、日々の業務について「なぜその行動をしたか」、「どのように感じたか」、「どうなりたいのか」というように、自分の行動や気持ちを分析し客観的に振り返り分析することを指します。

内省と反省の違いは何ですか?

反省とは「間違った考えや行動を振り返る」ことを指し、誤りを正す際に用いる言葉です。一方、内省は成果が上がった、事態が好転したといったポジティブな状況でも行います。

内省的な人とは?

内省的な人とは、自分自身を客観的に見つめて心理状況を的確に理解し、自己分析を行える人のことを言います。内省的な人はその分析結果を生かし、次の機会には最善の行動が取れるようになります。

  1. 経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力について」(閲覧日:2023年7月24日) ↩︎
  2. ZaPASS「“やりたいこととずれていることに気づき、転職した”“自分のやりたかったことの原点を思い出すことができた” 5割のビジネスパーソンが、自分の人生やキャリア軸での内省・振り返りの習慣あり」(閲覧日:2023年7月17日) ↩︎
  3. Recruit Works Institute「動機づけの上手いマネジャーになるためには、何をすべきか」(閲覧日:2023年7月17日) ↩︎
  4. 日本能率協会コンサルティング「YWT(やったこと・わかったこと・次やること)」 (閲覧日:2023年7月27日) ↩︎

参考)
JMAN「経験学習とは?経験学習モデルや経験学習のための具体的手法などについて解説」, https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0046-experiential-learning.html(閲覧日:2023年7月17日)
日経woman「4ステップで自分と向き合う「アイデンティティーの法則」
バラク・オバマ前米大統領のメンターだったジョン・C・マクスウェルの教えとは 」, https://woman.nikkei.com/atcl/doors/column/19/111300139/010700005/(閲覧日:2023年7月17日)
経産省「越境学習によるVUCA時代の企業人材育成(NECの事例)」, https://www.learning-innovation.go.jp/recurrent/case-study-01/(閲覧日:2023年7月17日)
ピポラボ「これを読めばあなたも内省的な人に!内省の具体的な方法・注意点までまとめ」, https://www.cydas.com/peoplelabo/naisei/ (閲覧日:2023年8月21日)
ストレッチクラウド「内省とは?反省との違いや内省力の育成方法と注意点を解説」, https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0032 (閲覧日:2023年8月21日)
GLOBIS CAREER NOTE「リフレクション(内省)とは?人材育成で注目される理由と実践方法」, https://mba.globis.ac.jp/careernote/1323.html (閲覧日:2023年8月21日)
あしたの人事「内省とは?自発的に成長する人材育成の具体的な方法を解説」, https://www.ashita-team.com/jinji-online/development/8381 (閲覧日:2023年8月21日)
NEC「マテリアリティについての意見交換会」, https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/181005/181005_01.pdf(閲覧日:2023年7月17日)
WFS.INC 「3Rの「REFLECT」を体現する社内のリアル」, https://www.wfs.games/blog/company/03/(閲覧日:2023年7月17日)

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