人的資本投資で企業価値向上へ 「三位一体」戦略が鍵

企業の人的資本投資が企業価値向上にどう影響するかを分析したコラムが、MRIエコノミックレビュー(三菱総合研究所)に発表されました。従業員育成や働きがい重視の人的資本への取り組みは不可欠ですが、その効果は単独では持続しにくいことが、日本の上場企業を対象とした実証分析で示されています。

分析によると、研修制度や報酬体系、女性役員の登用状況などから算出される「人的資本スコア」が、企業の市場価値(株価純資産倍率:PBR)にプラスの影響を与えるのは約3年間にとどまり、その後は減退します。

また、全要素生産性(TFP)の向上には約2年のタイムラグがあり、その効果も持続しないことが指摘されています。これは、初期の期待の過大評価、具体的な効果の可視化不足、組織の吸収能力の限界、他社との差別化の喪失などが背景にあるとされます。

コラムは、人的資本投資の効果を持続させるため、「人的資本投資」「ガバナンス強化」「組織対応(人材活用の制度設計・現場実装)」を組み合わせた「三位一体」のアプローチを経営に組み込むことが鍵だと提唱しています。ガバナンスが整備された企業では、人的資本への取り組みが経営戦略と結びつき、信頼性や継続性が高まるとのことです。

戦略的な人的資本投資とガバナンス強化、組織対応を一体的に進めている企業の取り組みとして、サイバーエージェントの「あした会議」、ダイキン工業のタレントマネジメント体制や社内大学制度、すかいらーくHDの店舗マネージャーへの権限移譲やDX人材育成などの事例が挙げられています。

本コラムは、人的資本投資の成果を一過性で終わらせず、企業の中長期的な競争力へと結びつけるための複眼的な取り組みの重要性を示しています。

 

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資料の詳細は、以下をご覧ください。
三菱総合研究所, MRIエコノミックレビュー2025年6月26日「人的資本への取り組みを企業価値向上につなげるには ガバナンス強化・組織対応と組み合わせた戦略的な人的資本投資を」
https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20250626.html

 

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