能力モデルとは フレームワークを活用して人材育成や配置を最適化

能力モデルとは、人の能力を定義・分析するためのフレームワークです。

昨今のビジネスの状況に鑑みてとらえると、「少ない資源で最大の成果を生むために、個々の従業員の能力を最大限に引き出し、最もフィットする業務に当たってもらうために活用されるフレームワーク」と言えるでしょう。

人事業務に携わったことがある方であれば誰もが「従業員の能力の可視化」に頭を悩ませたことがあるはずです。

人が持つ能力はどのような項目で、どのように定義されるのか。
組織は求める人材をどう定義し、育てていけばよいのか。

「ヒト、モノ、カネ、情報」は企業が事業活動を展開するための資源ですが、少子高齢化が進む昨今、効率的な人材の育成と最適な配置は、企業にとってこれまで以上に重要性を増しています。

本稿では主要な能力モデルをご紹介しつつ、活用目的やメリットについて解説します。ぜひ参考にしてください。

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AIで要約

  • 能力モデルは、人の能力を定義・分析するための枠組みです。
  • 目的に合わせ、様々な能力モデルを使い分けて活用します。
  • 人材育成や最適な人材配置の実現に役立ちます。

能力モデルとは

能力モデルとは、人の能力を定義・分析するためのフレームワークを指す言葉であり、それ自体が一つのモデルというわけではありません。

組織は様々なレベル・分野の人材で構成されていますので、これをモデル化するのは一筋縄ではいきません。そこで、目的に合わせて切り口の異なるフレームワークを活用し、人材の能力を分析する必要が生じます。

代表的なモデルを以下に挙げます。1

  • 社会人基礎力:社会人として身に付けるべき基礎的な能力。2006年に経済産業省が提唱
  • KSA・KSAOs:企業で求められる能力(Knowledge、Skill、Ability、Others)
  • カッツモデル:管理職に求められる能力
  • 氷山モデル:人の特性を水面上・水面下の二軸で分類する考え方
  • ビッグファイブ:人の性格を分類したもの
  • PM理論:リーダーシップ行動を分類したもの
  • 21世紀型スキル:グローバル時代に必要とされる汎用的な能力。国際団体「ATC21s」が提唱

それぞれのモデルには能力や能力をとらえる考え方が定義されています。詳細は以下の図表をご参照ください。

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図表)主要な能力モデル一覧

(トーマツイノベーション編著(2017)『人材育成ハンドブック』眞崎大輔,ダイヤモンド社、pp.75-79.を元に作成)

新人時代に培っておくべき社会人としての基礎的な能力から、管理職という高いポジションの人材の能力、また、知識やスキルといった業務遂行に必要な能力から、行動性や思考など人の性格に関する能力まで、実に様々な能力が含まれていることが分かります。

また、時代のニーズに合わせてモデルが増えていることも分かります。「カッツモデル」などは古典ですのでご存知の方も多いと思いますが、「21世紀型スキル」のように、社会のIT化やビジネスのグローバル化を踏まえ、これからの時代にマッチする人材の能力を追求したものもあります。

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カッツモデルとは 今こそ活用したい戦略的人材育成のフレームワーク

従業員の能力を分析する際には、いずれか一つのモデルを採用するのではなく、「どんな集団を対象とするか」「何を分析するか」「どんな目的で分析するか」といった要素を踏まえて、最適なモデルを使い分けていく必要があるでしょう。

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能力モデルを活用する目的とメリット

能力モデルをフレームワークとして活用する目的としては、人材育成への活用と、配置の最適化が挙げられます。

人材育成への活用

人材の育成はその人材の「現在地」と「目標」のギャップを把握することから始まります。能力モデルを使って従業員の能力を分析し、習熟レベルを把握していくことで、個々の従業員の「現在地」が明らかになります。

次に、その従業員が長期的に目指すべき「目標」地点を明確にします。これにより、両者の間のギャップ、すなわちその従業員にとっての課題が見えてきます。

育成プランでは、その課題に取り組むためのステップを決め、一つ一つクリアしていけるよう、教育機会を提供したり、指導を行っていくことになります。

また、能力モデルを活用して自社独自のスキル体系を整備することも、大変有意義です。会社としてのスキル体系があれば、評価やキャリア指導を標準化することができ、上司による評価のブレや偏りリスクを減らすことが可能となりますし、共通の指標があることで上司と部下のコミュニケーションもしやすくなるでしょう。

配置の最適化

能力モデルに照らして個々の従業員が今現在保有する能力を確認することで、その能力に見合うポジションや担当業務を検討することができます。 

個々の従業員に能力に見合う仕事を任せることができれば、組織全体の業務効率の向上が期待できます。政府主導の「働き方改革」を進めていくためには業務効率の向上が必須となりますが、そのためには個人の成長はもちろんのこと、組織としてのパフォーマンス改善も重要です。

「適材適所」が成っているかどうか、今一度組織全体を見直してみる視点も必要でしょう。

また、前項でスキル体系に言及しましたが、従業員のスキル保有状況をスキル体系に照らす形で一元管理できれば、配置の最適化にも役立ちます。例えば、ある専門スキルを保有する人材がどこに何人程度いるか調べたり、ある問題プロジェクトを立て直すために必要なリーダーシップを発揮できる人材を探すといった具合です。

冒頭で触れたように、効率的な人材育成と最適な配置は企業の事業運営にとって大変重要です。能力モデルは、企業が人材や組織作りを戦略的に進めるための指標となるでしょう。

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まとめ

能力モデルとは、人の能力を定義・分析するためのフレームワークです。
能力モデルは一つではなく、人材のレベルや専門分野に合わせてさまざまなものが存在します。

代表的なものとしては以下が挙げられます。

  • 社会人基礎力
  • KSA・KSAOs
  • カッツモデル
  • 氷山モデル
  • ビッグファイブ
  • PM理論
  • 21世紀型スキル

目的に応じてこれらをフレームワークとして活用することで、従業員の能力の把握や評価、育成プランの検討などに役立てることができます。

人材の効率的な育成や組織内の配置の最適化は、業務効率を改善するための重要なファクターです。自社のスキル体系を整備し、従業員のスキル保有状況を当てはめていくことで、合理的なキャリア指導や、適材適所の実現が可能になるでしょう。

人と組織の持続的な成長を効率的に進めるために、あなたの会社でも能力モデルを活用してみてはいかがでしょうか。

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  1. トーマツイノベーション編著(2017)『人材育成ハンドブック』眞崎大輔,ダイヤモンド社,pp.75-79. ↩︎

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