キャリアマネジメントとは?効果的な実施手順や企業事例を解説
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「従業員にうちで長く活躍してもらえるよう、長期的なキャリア構築を支援したい」
テレワークや時短勤務、副業など、多様な働き方やキャリア形成の方法が選択できる今、人材の確保や育成のために、多くの企業がキャリア支援に力を入れています。
しかし、野村総合研究所と早稲田大学の共同研究[1]によると、日本の大企業勤務者(大学卒業以上・ホワイトカラー職)で「5年後のキャリアイメージが明確な人」「スキル習得のために時間を取っている人」の割合は双方とも5割程度でした。これは、同調査で比較対象とされている英国と比べても低い割合です。
企業によるキャリア支援は重要ですが、十分な効果を得るには、従業員自身がキャリア形成に主体性を持ち、積極的に取り組む必要があります。今回解説する「キャリアマネジメント」は、従業員が自らのキャリア目標を設定し、達成のために計画的に行動することです。
企業が従業員のキャリアマネジメントを支援することは、従業員の「キャリアオーナーシップ」(自らのキャリアを主体的に考えること)の推進につながります。さらに、人材確保や育成、離職防止においても大変重要な施策といえます。
本稿では、キャリアマネジメントの必要性やメリット、実施ステップとその注意点などを解説します。
最後に、従業員のキャリアマネジメント支援を行う企業の事例もご紹介していますので、導入や施策見直しの参考にしてください。
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目次
1. キャリアマネジメントとは
キャリアマネジメントとは、キャリア目標を従業員自身で決定し、達成に向けて計画的に行動していくことです。働き方の変化や人材の多様化といった背景から、近年注目されています。
ここでは、キャリアマネジメントよく似た意味を持つ「キャリアデザイン」との違いも解説します。
1-1. キャリアマネジメントの概要
キャリアマネジメントでは、従業員は理想とする姿や働き方をイメージし、それを実現するために計画的に行動します。
これまで、従業員のキャリアマネジメントは「企業が行うもの」という位置付けでした。しかし、与えられた仕事や研修をこなすだけでは、変化の激しい現代のビジネスパーソンのスキル・キャリアアップには不十分といえます。近年は、従業員が自身のキャリアマネジメントを行い、企業は目標達成に向けた支援をする方法が主流です。
また組織に属する以上、想定外の業務や部署異動なども起こり得ますが、都度軌道修正して新たなキャリアパス(キャリアを得るための道筋)を描くことも、キャリアマネジメントに含まれます。
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1-2. キャリアマネジメントが重視される背景
今、特にキャリアマネジメントが重視されている背景には、次の2つの変化があります。
- 働き方の変化
- 人材の多様化
働き方の変化
これまでの日本の働き方を見てみると、「新卒から定年まで同じ企業に勤める」という終身雇用・年功序列制度が主流でした。
企業は従業員の給与や仕事を保証することで優秀な人材を確保してきましたが、1990年代始めのバブル崩壊や2008年のリーマンショックで多くの企業が打撃を受け、このような制度は維持できなくなっていきました。
また、DXやテレワークの導入をはじめとした働き方の変化で、組織に所属しながらも自宅で働く人、隙間時間を使って副業をする人、さらに企業から離れて独立・開業する人も増加しています。
働き方の選択肢が増える中で、優秀な人材に選ばれる企業になるためには、個々が働きやすい環境づくりや、希望するキャリア形成が可能なキャリアパスを提示できることが重要です。
これからの時代は、企業が雇用や給与を保証することは現実的ではありません。その代わり、社内外問わず高く評価されるスキルの獲得を促すなど、従業員のキャリア形成を支援することで人材の確保や育成を行う必要があるでしょう。
人材の多様化
企業で働く人材は多様化しています。性別や年齢、価値観、国籍、能力など、それぞれ異なった特性を持つ従業員に、従来の「日本人・男性・30代を想定した管理職研修」といった画一的な教育を行うのは効率的とはいえず、また教育効果の面でも疑問が残ります。
そこで、従業員一人一人が自分に合った目標を設定し、達成のために計画を立てて取り組むキャリアマネジメントの実践と、企業による教育などの支援が重視されているのです。
キャリアマネジメントを通して獲得したスキルや経験は、従業員自身のキャリアアップだけでなく、多様な人材を擁する企業の競争力強化にもつながるでしょう。
1-3. キャリアマネジメントとキャリアデザインの違い
キャリアマネジメントとよく似た考え方に、「キャリアデザイン」があります。キャリアデザインとは、自分の理想の姿や働き方の実現に向けて具体的な計画を立てることです。
一方、キャリアマネジメントは、キャリアデザインで立てた計画の実行や、状況に合わせた目標・行動の見直しを指します。
これらのことから、キャリアデザインはキャリアマネジメントのプロセスの1つであると考えられています。
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2. キャリアマネジメントの必要性
キャリアマネジメントは、企業・従業員双方にとって重要な役割を果たします。それぞれの立場から見てみましょう。
2-1. 企業側:人材育成や離職防止
企業にとってキャリアマネジメントは、以下の4点において大変重要です。
- 人材育成
- リーダーの育成
- エンゲージメントやモチベーションの向上
- 離職防止
人材育成
従業員の特性を考慮しない型通りの教育では、企業は変化の激しい時代の競争に勝ち残れません。そのため、個々がキャリアを積み上げ、その能力を最大化するための支援が必要です。
キャリアマネジメントは従業員が主体となって行いますが、企業がキャリア形成をサポートすることで、従業員の効率的なスキルアップにつながり、人材育成が促進されます。
リーダーの育成
ビジネス環境や働き方が変化する中で企業が競争力を高めるには、組織の運営・管理のためのマネジメント機能よりも、組織を変革するリーダーシップ機能のウエイトを大きくすることが重視されます。
企業の事業戦略に合致したリーダーを育成するには、周囲を巻き込み事を成していくという「良質な経験」を積ませることが有効です。
そのために、企業は「どのような特性を持つ人材を、どのようなリーダーに育成するか」を明確にした上で、従業員のキャリアマネジメントをサポートすることが重要になります。
エンゲージメントやモチベーションの向上
積極的にキャリア支援を行う企業に対して、従業員は感謝や愛着の気持ちを持つようになり、エンゲージメントが向上します。
また、希望のキャリアを踏まえた人材配置の検討や教育機会の提供などの施策により、従業員は高いモチベーションで日々の業務に取り組めるでしょう。
離職防止
優秀な人材は働き方や業務内容、給与などの条件が良い企業に転職が可能なため、自社に魅力を感じてもらい「選ばれる企業」になる努力が必要です。
自社でキャリアを積み長く活躍してもらうためには、個々の希望するキャリアや経験に合ったサポートが求められます。
2-2. 従業員側:キャリア自律が必須に
働き方が変化する中、従業員には自身のキャリア形成に向けた計画や取り組みを自律的に考える「キャリア自律」が求められています。キャリア自律を促すキャリアマネジメントの必要性について、次の2点を確認しましょう。
- キャリアは自分でつくる時代
- キャリアオーナーシップが重要
キャリアは自分でつくる時代
終身雇用制度が機能していたこれまでは、日本企業ではキャリアは企業側が用意するものという認識が強く、従業員はキャリア形成を企業に依存する傾向にありました。
しかし、ビジネス環境や働き方の変化により、企業が個々のキャリア形成の主導を長期的に握ることは、現実的とはいえなくなっています。
キャリア形成を企業に頼れない今は、従業員自身がキャリアをつくらなければなりません。キャリアマネジメントは、企業のサポートを受けながらも、従業員が主体となって取り組むキャリア形成の手段として重要な役割を持っています。
キャリアオーナーシップが重要
キャリアオーナーシップとは、主体的に自身のキャリアと向き合い、行動することです。
昨今は雇用の流動化により、労働者が転職などで柔軟に所属する企業や業務内容を変えたり、成果や成績に応じて処遇を決定する成果主義が浸透したりするなど、ビジネス環境が変化しています。
従業員にとっては、企業の枠を越えて活躍できるスキルや経験の獲得が重要になっているのです。キャリアオーナーシップは、従業員がキャリア目標を立てて達成のために行動する、つまりキャリアマネジメントを行うために欠かせないものといえます。
企業には、従業員が現在持っているスキルやキャリアを仕事に生かす方法のアドバイスや、目指すキャリアを従業員自身に把握させ主体的な行動を促すといった支援が求められています。
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3. キャリアマネジメントがもたらすメリット
キャリアマネジメントが企業と従業員にもたらすメリットは、大きく次の3点です。
3-1. 組織的な能力の底上げ
キャリアマネジメントは従業員が主体的に行うものです。
それを企業が積極的に支援することで、従業員一人一人の能力開発が促進され、組織的な能力の底上げとパフォーマンスアップにつながります。
3-2. ロイヤリティ・エンゲージメントの向上
企業が個々のキャリア形成へのサポートを手厚くすることで、従業員は「会社は自分のことをよく考えてくれている」「自分の将来がより良くなるよう協力してくれている」と感じるでしょう。
企業にポジティブな印象を抱き、ロイヤリティ(忠誠心)やエンゲージメント向上が期待できます。
ロイヤリティやエンゲージメントが向上すれば「企業に貢献し、高い価値を提供したい」といった思いが高まり、業務に対するモチベーションがアップします。将来的には、キャリアマネジメントを通して優秀な人材へと成長した従業員の離職防止にもつながり、組織に安定性をもたらします。
3-3. 企業と従業員の希望の擦り合わせができる
キャリアマネジメントでは、従業員が将来の理想像を描くために、現在のスキルや状況を把握する自己分析が欠かせません。従業員はキャリアマネジメントを通して自分をより深く理解すると同時に「自分のスキルや経験をどう生かせるか」を考え、組織のニーズも見えるようになります。
企業も従業員をサポートする中で、個々の目標や「研修の機会をもっと増やしてほしい」「この業務を経験してみたい」といった企業への要望の把握が可能です。
このように、キャリアマネジメントを通して企業と従業員双方の希望の擦り合わせができ、ミスマッチを防ぎます。
4. キャリアマネジメントの実施ステップと注意点
キャリアマネジメントは従業員が主体的に行います。企業の人事・育成担当の方は、ぜひ以下の実施手順と注意点を参考にしてください。
4-1. プランニング
まずは、従業員が「将来どうなりたいか」「そのためにはどのようなスキルを習得すればよいか」を明確にするプランニングを行います。従業員が主体となって理想とする将来像をイメージし、そこに到達するための行動を計画しましょう。
プランニングで重要なのは、現実的に考え過ぎないことです。現在の状況は一旦置いておき、理想を重視して目指したい姿を描きます。
また、プランニングでは、まず最終的な大きな目標を具体的にイメージし、その達成に向けて小さな目標や行動を検討するとよいでしょう。最終的な目標が同じ従業員がいたとしても、達成のための最適なプロセスは一人一人異なります。
4-2. 能力開発
プランニングができたら、従業員は計画を行動に移し、目標達成のための能力開発を行います。獲得したい能力によって取るべき行動は異なるため、さまざまな手段から最適なものを選択しましょう。
例えば、資格取得のための勉強や社内外の研修への参加、実務経験を積むための異動願いの提出など、能力開発の方法はさまざまです。ボランティアや副業など、社外での活動が有効な場合もあります。
能力開発のポイントは、目標達成のために足りないスキルや経験を明らかにし、それらを得ることです。得ようとするスキルや経験の選択を間違うと、目標達成の遠回りとなる恐れがあります。
4-3. 内省と行動の継続
「内省」とは、自分の心と向き合い、考えや行動を深く省みることです。キャリアマネジメントは短期間では終わりません。理想のキャリアの実現には、行動の振り返りや定期的な達成度の確認が必要です。
それを基に、さらなる研さんや計画の見直し、新たなスキル獲得など、状況に合った行動を取っていきます。
内省を行えば、これからどう行動するべきかが明確になり、理想のキャリアを実現するための近道となります。
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5. 組織内キャリアマネジメントの効果的な施策
キャリアマネジメントは従業員個人で行うだけでなく、企業が人材開発・育成のため、積極的に従業員に働きかけるケースもあります。これを「組織内キャリアマネジメント」といいます。
組織内キャリアマネジメントには、さまざまな施策があります。中でも効果的な4つの施策について、詳しく見てみましょう。
5-1. 異動・配置転換
キャリア実現のために、異動や配置転換を希望する従業員もいます。また、特に従業員側の希望がない場合も、異なる職種やチームに就くことで、自身が気付かなかった能力や適性に気付くケースがあります。
現在のチームやポジションが必ずしも最適とは限りません。適度な異動・配置転換は従業員の能力開発、キャリア形成に役立ちます。
5-2. 集合研修・eラーニング
集合研修やeラーニングは、特定のスキルを獲得する手段として有効です。企業が人材育成のために獲得させたいスキルと、従業員がキャリア実現のために獲得したいスキルの両方を学べることが理想です。
集合研修では、グループワークを取り入れることでメンバーの意見を聞き視野を広げることができます。特に役職や年代に応じた階層別研修は、自身の役割や今後のキャリアについて改めて考えるきっかけにもなります。
PCやスマートフォン、タブレットで学習するeラーニングは、時間や場所にとらわれず学ぶことができ、通勤中など隙間時間を活用した学習も可能な点がメリットです。eラーニングを導入することで、企業は比較的低コストで従業員に充実した学習環境を提供できます。
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5-3. 面談
従業員との面談を通して、企業が従業員に求める役割と、従業員が目指すキャリアの擦り合わせができます。
面談は、企業の都合に合わせて従業員のキャリアを操作する場ではありません。企業の要望を押し付ければ、従業員は自らの希望を主張しにくくなってしまいます。対話を大切に、企業と従業員の双方が納得できる理想像を模索する場として活用しましょう。
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5-4. 能力開発のための支援
従業員が理想の姿に近づくために必要な能力の獲得を支援することも、組織内キャリアマネジメントの重要な要素です。個々の能力アップ、キャリアプラン実現に向けたサポートには、以下のようなものがあります。
- 社内外のセミナー情報の提供
- 参考書などの購入費用補助
- 別部署での仕事体験
- 副業、ボランティアの推進
自社での能力開発が難しい場合は、組織外で経験を積むよう促すことも1つの方法です。
従業員にとって組織外の活動は、組織内では得にくい知識・スキルの獲得、ネットワークの構築などのメリットがあります。それにより、自社での業務の質向上や効率化、今までにないアイデアの創出など、組織内に良い影響をもたらすでしょう。
6. 組織内キャリアマネジメントを実施している企業事例
最後に、組織内キャリアマネジメントを実施している企業の事例を2つご紹介します。
6-1. 双日株式会社
航空関連事業などを展開する総合商社の双日株式会社は、2021年3月に「双日プロフェッショナルシェア(SPS)」を新設しました。
SPS は、35歳以上の従業員の「やりたいこと」を支援するキャリアプラットフォームとして設立されたジョブ型雇用の新企業です。SPSに転籍する従業員が、これまで培ったスキルや経験を双日グループ内外で生かし、社会へ価値を提供することを目指します。
SPSのポイントは以下の4つです。
副業や兼業により、広い視野を持って働く
これまでの経験を生かし、双日グループ内外の仕事ができる。双日株式会社で勤務しながらの副業・兼業が可能で、起業の準備期間としても活用できる。
特定領域の知見を深め、専門性の向上につなげる
双日株式会社で得たスキルや経験に外部の業務経験をプラスし、新たな着想やアイデアをもたらす存在として個性を発揮する。
年齢や体調に合わせた仕事量で充実の人生設計ができる
定年を70歳とし、業務を通じた社会貢献を続けながら、やりがいを持って業務に取り組める。
多様な働き方ができ、介護や家族との時間とバランスが取りやすい
週2~3日相当の業務で自分のペースで働くことができる。フルリモートなど、家庭事情に応じた働き方も実現しやすい。
同社はSPSの設立によって、キャリア形成支援において優れた企業を表彰する「プラチナキャリア・アワード」で2022年の最優秀賞を受賞しました。
6-2. NECネッツエスアイ株式会社
NECグループでICTインフラの構築・運用などのサービスを展開する株式会社NECネッツエスアイは「プラチナキャリア・アワード」で、2023年最優秀賞を受賞した企業です。
同社は自ら学び成長する高度人材の育成を経営目標とし、従業員の成長のためにさまざまな教育や支援を実施しています。キャリア形成支援の具体的な施策については、次の4つが挙げられます。
キャリアの可視化
従業員自身の振り返りや上司との1on1などにより一人一人の行動特性や強み、強化ポイントを可視化。従業員自身の気付きによる自律的なキャリア形成を支援する。
オンライン学習サービスの全社導入で学びを支援
階層や人事評価項目の強化ポイントを意識した「パーソナライズ化」可能な学習システムで能力開発を支援する。
人材公募やジョブ・チャレンジ(希望部署への異動)でキャリア自律を支援
自律的なキャリア開発を支援する制度の導入に加え、各種制度の違いを含めた広報も実施。
「新規事業ピッチコンテスト【出る杭】」の実施による成長支援
審査を通過したビジネスアイデアには実証実験の機会や検証費用の提供など、事業化に向けた活動支援を行う。
他にも、Well-being推進、心理的安全性の実践と浸透、従業員と経営陣との対話、健康経営の推進など、さまざまな施策を積極的に講じており、企業全体で従業員のキャリア形成支援に取り組んでいます。
7. まとめ
キャリアマネジメントとは、キャリア目標を決定し、達成に向けて計画的に行動していくことです。目標設定や達成に向けた計画立案は、従業員が主体となって行います。
近年、キャリアマネジメントが重視される背景には以下の2点があります。
- 働き方の変化
- 人材の多様化
キャリアマネジメントと混同しやすいワードとしてキャリアデザインがあり、違いは次の通りです。
キャリアデザイン:自分が理想とする姿や働き方の実現に向けて、具体的な計画を立てること
キャリアマネジメント:キャリアデザインで立てた計画を実行し、状況に合わせて目標や行動を見直すこと
企業が従業員のキャリアマネジメントを支援することは、以下の4点において大変重要です。
- 人材育成
- リーダーの育成
- エンゲージメントやモチベーションの向上
- 離職防止
従業員にキャリアマネジメントが必要な理由は以下の2点です。
- キャリアは自分でつくる時代
- キャリアオーナーシップが重要
キャリアマネジメントは企業と従業員に、大きく3つのメリットをもたらします。
- 組織的な能力の底上げ
- ロイヤリティ・エンゲージメントの向上
- 企業と従業員の希望の擦り合わせができる
キャリアマネジメントの実施ステップは、以下の通りです。
1.プランニング
2.能力開発
3.内省と行動の継続
キャリアマネジメントは個々が行うだけでなく、企業が積極的に従業員に働きかけるケースがあります。これを組織内キャリアマネジメントといい、その効果的な施策には以下のようなものがあります。
- 異動・配置転換
- 集合研修・eラーニング
- 面談
- 能力開発のための支援
最後に、組織内キャリアマネジメントを実施している企業事例を2つご紹介しました。
- 双日株式会社
- NECネッツエスアイ株式会社
質の高いキャリアマネジメントの実現には、企業と従業員の希望の擦り合わせが不可欠です。自社で長く活躍する従業員が増えるよう、キャリア支援のための施策を積極的に行っていきましょう。
[1] 株式会社野村総合研究所・早稲田大学「人的資本経営の未来-日本企業と人材の関係性を変える-」,2024年2月13日公表,P15.20.25,(閲覧日:2024年6月12日)
参考)
株式会社ライフワークス「キャリアマネジメントとは?進め方や具体的施策などを解説」,『C・D LABO』,https://www.lifeworks.co.jp/cdlabo/column/entry002126.html(閲覧日:2024年6月12日)
株式会社識学「キャリアマネジメントは人材育成に役立つ?企業・社員双方にとってのメリットを解説」,『識学総研』,https://souken.shikigaku.jp/29477/(閲覧日:2024年6月12日)
株式会社パーソル総合研究所「なぜ、キャリアマネジメントは必要なのか」,https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/column/201509022052.html(閲覧日:2024年6月12日)
株式会社Schoo「キャリアマネジメントの必要性と実現するための施策」,『Schoo for Business』,https://schoo.jp/biz/column/1498(閲覧日:2024年6月12日)
ピーシーフェーズ株式会社「キャリアマネジメントとは?事例を交えて簡単に解説!」,『shouin+ブログ』,https://media.shouin.io/what-is-career-management(閲覧日:2024年6月13日)
双日株式会社「双日プロフェッショナルシェア」,https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/challenge/sps/(閲覧日:2024年6月13日)
株式会社三菱総合研究所 プラチナキャリア・アワード事務局「事例紹介「双日プロフェッショナルシェア(SPS)」設立」,『Platinum Career Award』,https://platinumcareer.mri.co.jp/case/sojitz.html(閲覧日:2024年6月13日)
NECネッツエスアイ株式会社「第五回「プラチナキャリア・アワード」で「最優秀賞」を受賞」,https://www.nesic.co.jp/news/2023/20230620.html#anc-Col2(閲覧日:2024年6月13日)
株式会社三菱総合研究所「第5回プラチナキャリア・アワード 記念シンポジウム(パネルディスカッション)」,『未来共創イニシアティブ ~プラチナ社会を実現~』,https://icf.mri.co.jp/note/pca5_p5/(閲覧日:2024年6月13日)