タレントマネジメントシステムとは?メリットや人的資本経営に必要な理由

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タレントマネジメントシステムとは?メリットや人的資本経営に必要な理由

「タレントマネジメントはExcelで運用できる。専用のシステムは不要では?」

このようにお考えの人事担当者もいらっしゃるかもしれません。しかし、企業がタレントマネジメントを成功させる上で重要なポイントの一つは、システムの導入です。

タレントマネジメントとは、従業員のタレント(talent:才能)、つまりスキルや経歴などを一元管理し、適材適所の配置や人材育成に活用するマネジメントの手法です。

タレントマネジメントは従業員データを管理するため、最初はExcelなどを活用する企業が多いでしょう。しかし、データの転記ミスや多重管理、管理の属人化といった課題は避けられません。企業の規模が大きくなるにつれて従業員データは増大していくため、大企業ほど、ミスなく効率的にデータ管理を行うためのシステムが必要になります。

さらに、従業員を企業の資本と捉え、その価値を引き出す「人的資本経営」の推進においても、従業員のデータをスピーディーに収集・ピックアップするタレントマネジメントシステムは不可欠なものとなっています。

本稿では、タレントマネジメントシステムの目的や機能、メリット・デメリット、選定ポイントなどの他、タレントマネジメントシステムが人的資本経営に不可欠な理由も解説します。タレントマネジメントに関心のある方はぜひ参考にしてください。

1. タレントマネジメントシステムの基本

タレントマネジメントとは、従業員のスキルや経験といったタレントtalent=才能・能力)をデータ化して一元管理し、人材配置や育成に活用するマネジメントの手法です。

このタレントマネジメントを効率的に実現するためのシステムが「タレントマネジメントシステム」です。タレントマネジメントシステムを導入すれば、必要なときに必要な情報をデータベースから取り出し、さまざまな人事施策を効率的に行うことが可能になります。データを基にした戦略的な人事管理によって、経営目標の達成をサポートします。

1-1. タレントマネジメントシステムの目的と機能

タレントマネジメントシステムの目的は、戦略的な人材育成や人材配置によって経営目標の達成をサポートすることです。

この目的を達成するためにタレントマネジメントシステムでは何ができるのか、主な機能を五つご紹介します。

  • 従業員情報のデータベース化・検索
  • 人材配置・人材育成プランの設計
  • 目標管理・人事評価の効率化
  • アンケート・サーベイ
  • 後継者管理

従業員情報のデータベース化・検索

従業員のプロフィールやスキル、経験などのデータを一つのデータベースに集約して一元管理します。

企業によってはExcelや紙で従業員の情報を管理しているケースもありますが、情報をまとめて管理することにより、工数削減や作業の効率化などのメリットを得られます。

人材配置・人材育成プランの設計

従業員の経歴やスキル、将来的なキャリアの希望などのデータを参照し、最適な人材配置のシミュレーション、人材育成や教育プランの設計が可能です。

適材適所の人材配置によるパフォーマンスアップの他、企業に必要なスキルを持つ人材の早期育成を実現できます。

目標管理・人事評価の効率化

目標達成までの進捗や成果の管理、それを基にした人事評価が一つのシステム上で可能です。多くのシステムでMBO(目標管理制度)やコンピテンシー評価、360度評価(多面評価)などのさまざまな評価方法に対応しており、運用を効率化します。

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アンケート・サーベイ

従業員に対するアンケートやサーベイがシステム上で実施できます。システムによってはテンプレートを利用した質問項目の作成や結果の集計・分析も可能です。

アンケート・サーベイ機能の活用により、従業員の実態把握から組織課題の発見・解決までのプロセスをスピーディーにこなせます。

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後継者管理

リーダーや重要なポジションを担う人材について、以下のような問題を抱える企業は少なくありません。

  • リーダーが不足している、あるいは重複している
  • リーダーは充足しているもののうまく機能していない
  • 重要なポジションの後継者育成が進んでいない

タレントマネジメントシステムでは、リーダーや特定のポジションに必要なスキルや資質を明確化し、最適な人材をピックアップします。後継者候補の選出や育成プランの作成も可能です。

自社に必要な人材像が明確になるため、外部からの新規採用やヘッドハンティングも行いやすくなります。

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1-2. タレントマネジメントシステムの三つのタイプ

タレントマネジメントシステムには、大きく分けて三つのタイプがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。

  • タレントマネジメントに特化した「単独型」
  • 人事プラットフォームとして活用できる「統合型」
  • シリーズ製品の「連携型」

タレントマネジメントに特化した「単独型」

タレントマネジメントに特化しており、その他の機能は持たないタイプです。

給与計算・勤怠管理、採用、評価などの業務を行う人事管理システムについてはすでに別のもの利用しており、タレントマネジメントの機能だけが必要という場合は単独型を選ぶと良いでしょう。

人事プラットフォームとして活用できる「統合型」

タレントマネジメントと人事管理システムの機能が統合された、人事プラットフォームとして活用できるタイプです。

タレントマネジメントと、給与計算・勤怠管理、採用、評価などの人事業務を一つのシステムでまとめて行いたいという場合は統合型を選びましょう。

シリーズ製品の「連携型」

同じシリーズの製品を連携させて利用できるタイプです。タレントマネジメントと給与計算・勤怠管理、採用、評価などの人事業務を必要に応じて連携させられるため、効率化が可能です。

統合型を導入する必要性は感じていないが、ある程度の効率性は求めたい、シリーズ製品の一部をすでに使用中といった場合は連携型を選ぶと良いでしょう。

1-3. タレントマネジメントシステムと他の人事システムとの違い

人事業務を行うシステムは、タレントマネジメントシステムを含め、以下のようなものがあります。それぞれの役割や目的の違いを確認しておきましょう。

  • 人事管理システム
  • 人事評価システム
  • タレントマネジメントシステム
  • LMSLearning Management System:学習管理システム)

人事管理システム

従業員の氏名・住所や異動・昇進の履歴といった基本情報や、給与計算・勤怠管理、人事評価など一連の人事業務に必要な情報を管理するシステムを指します。

人事業務の効率化と自動化が主な目的です。

人事評価システム

人事評価に特化したシステムで、多くのシステムで人事評価シートの作成が可能です。

目標とその達成度、実績、保持するスキルに加え、上長の評価や自己評価、フィードバックの内容など評価に関する情報の管理が主な目的です。

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タレントマネジメントシステム

人事管理システムや人事評価システムで扱う情報に加え、個性や性格、キャリアの希望など、従業員に関するあらゆるデータを集約します。

戦略的な人材配置や人材育成による、経営目標の達成サポートが目的です。

LMS(Learning Management System:学習管理システム)

eラーニングやオンライン研修などを実施する際のプラットフォームになるシステムで、主に以下のような施策の実施が目的です。

  • 教育のオートメーション化
  • 学習状況の可視化
  • 学習履歴(データ)の蓄積と活用
  • あらゆる学習施策の統合管理

LMSは、スキルや学習管理の面でタレントマネジメントシステムと相性が良く、併用すればさまざまなメリットを得られます。

例えば、タレントマネジメントの観点から「このポジションの人にはこの研修を受けさせたい」「このスキルを獲得してから、次のステージに進んでほしい」といったスキル管理を行いたい場合、スキル管理機能を持つLMSとの併用が便利です。

従業員に獲得させたいスキルと研修やOJTを連動させれば、人材育成の効率化につながります。また、タレントマネジメントシステムが持つ、導入・運用に関する課題や、コスト面でのデメリットを軽減することができます。

LMSには、機能や運用方法がタレントマネジメントシステムと似た製品もあります。まずはLMS単体で簡易的なタレントマネジメントを試してみることも可能です。

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2. タレントマネジメントシステムは人的資本経営に不可欠

人的資本経営とは、従業員を企業の資本と捉えて投資し、その価値を最大限に引き出して中長期的な企業価値向上を目指す経営手法です。人的資本を中心とした無形資産への投資の強化、人的資本の情報開示の義務化などさまざまな背景から、近年、注目を集めています。

ここでは、タレントマネジメントシステムが人的資本経営においてどのような役割を果たすのか確認しましょう。

2-1. 動的な人材ポートフォリオの構築

経済産業省が公表した、人的資本経営の重要性を解説する「人材版伊藤レポート」[1]には、人的資本経営における重要ポイントが挙げられています。その中で最初に行うべきこととして示されているのが、「動的な人材ポートフォリオ」の構築です。

「動的な人材ポートフォリオ」は、経営戦略に基づき人材ポートフォリオを適時最適な状態に保ち続けるものです。これには、必要となる人材の要件を定義し、既存人材とのギャップを埋めるために人材の獲得・育成を行う必要があります。

タレントマネジメントシステムを活用すれば、従業員データの収集、可視化、分析をスムーズに行い、目指す人材ポートフォリオとのギャップを適時に把握できます。

人的資本経営の要となる動的な人材ポートフォリオの構築に、タレントマネジメントシステムは大変有用なツールであるといえるでしょう。

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2-2. 人的資本の情報開示

人的資本の情報開示は、20233月期から有価証券報告書を発行する上場企業などに義務付けられています。

パソナグループのキャプラン株式会社が行った調査[2]によると、人的資本の情報開示に取り組んでいる(取り組み準備中、検討中含む)上場企業において、人的資本の情報開示に際してネックになっている点や課題で最も多かったのは「可視化データの定量把握・分析」49.1%)でした。また、自由記述の回答には以下のような課題も挙げられています。

  • どのような情報を開示するのか検討が進んでいない
  • 開示する数値の算出方法が明確でない
  • 対応に伴う人的リソース不足
  • どのようなシステムを導入すれば良いのか分からない

このような課題を解決するには、タレントマネジメントシステムを活用した、開示に必要な従業員データの抽出・分析が欠かせません。情報開示に関する作業の多くの部分をシステムがこなしてくれるため、人的リソースも削減できます。

この調査では、人的資本の情報開示に取り組んでいる(取り組み準備中、検討中含む)上場企業のうち、すでに54.5%の上場企業が情報開示にタレントマネジメントシステムを活用していますが、Excelやその他の分析ツールを使用している上場企業も少なからず存在しています。

Excelによる管理は、転記ミスや多重管理、管理の属人化などの問題が発生しがちです。特に膨大な従業員データを扱う大企業では人手も手間も多くかかってしまいます。

人的資本の情報開示の義務化を機に、情報開示を効率的に進められるタレントマネジメントシステムの導入を検討する価値は大いにあるといえます。

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3. タレントマネジメントシステムのメリット・デメリット

人的資本経営の推進に伴い重要性が高まるタレントマネジメントシステムですが、改めてメリットとデメリットを確認しておきましょう。

3-1. タレントマネジメントシステムのメリット

タレントマネジメントシステムの導入によって、以下のようなメリットが得られます。

  • 最適な人材配置・人材育成
  • 人材のスピーディーなピックアップ
  • モチベーションの向上や離職防止
  • 人事評価の効率化・公平化

最適な人材配置・人材育成

タレントマネジメントシステムでは、「組織内にどのようなスキルを持った従業員がどのくらいいるのか」を可視化できるため、適材適所の配置が可能です。メンバーそれぞれの強みを生かし、弱みを補い合うチーム構成によって、パフォーマンスの向上、ひいては企業の競争力強化につながります。

現時点で組織に不足しているスキルも明確になるため、そのスキル獲得に適性や関心のある従業員の育成や、新規採用に力を入れることも可能です。

人材のスピーディーなピックアップ

新規プロジェクトにアサインする候補者を選出する際、必要なスキルや経験を持った人材を、データベースからスピーディーにピックアップします。

候補者の選出にかかる時間や手間を削減し、新たな業務をスムーズに開始できます。

モチベーションの向上や離職防止

システム上で現状のスキルや目標達成の状況が確認できるため、従業員は自分の強み・弱みや、目標までの距離を明確に把握できます。おのおのの強みやキャリア志向、興味・関心などを反映した適材適所の人材配置も、モチベーションアップを促します。

さらにアンケート機能を活用して簡易的なストレスチェックや満足度調査を実施し、その結果を生かして離職防止につなげることもできます。

人事評価の効率化・公平化

従業員に必要なスキルを可視化できるため、評価基準が明確になります。データを基にしたスピーディーで透明性の高い評価が可能です。

評価者の主観が入りにくい公平な評価システムによって、エンゲージメントが向上するメリットもあります。

3-2. タレントマネジメントシステムのデメリット

メリットの大きいタレントマネジメントシステムですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 導入時の課題が大きい
  • 多大なコストがかかる
  • 従業員に浸透しにくい
  • 人材の管理しかできずうまく運用できない

導入時の課題としては、きちんと使いこなせるのかという不安や、メンテナンス負担などのハードルが高く、導入に至らないケースが多いようです。

コストについては、特にオンプレミス型(自社サーバーにソフトウエアをインストールするタイプ)の場合、数百万〜数千万円と高額な費用がかかることもあります。クラウド型であれば比較的低コストで済みますが、それでも小さくない金額がかかってきます。

その他、タレントマネジメントシステムを導入する意図や効果が従業員に伝わりにくかったり、従業員データを収集したものの、分析や人事戦略への活用が難しかったりという問題があります。

このようなデメリットを鑑みて、現状では「タレントマネジメントシステムは十分な費用対効果を得られない」と考える企業もあります。しかし、LMSを併用すれば、タレントマネジメントシステムの効果を大きく伸ばし、デメリットを軽減できるのです。

タレントマネジメントとLMSの関係については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

4. タレントマネジメントシステムの選定ポイント

タレントマネジメントシステムを選定する際は、以下のようなポイントをクリアしているか確認しましょう。

  • 人材データベースの機能性が良いか
  • 自社の人事評価制度に対応しているか
  • 自社の課題解決が可能か
  • 自社に合った運用形態か
  • セキュリティー対策は万全か
  • 運用サポートを受けられるか

人材データベースの機能性が良いか

機能性の良さについては、以下のような点がポイントになります。

  • スキルや経歴のほか、キャリア志向、興味・関心、趣味、性格など管理できる項目はどのようなものがあるか
  • 管理項目は分かりやすく表示されるか
  • 管理項目はカスタマイズが可能か
  • 操作や検索がしやすいか

製品やサービスによっては、顔写真の表示やフリーワード検索など便利な機能があるものもあります。自社にとって必要・不要な機能をよく検討し、コストとのバランスを考えて導入しましょう。

自社の人事評価制度に対応しているか

人事評価制度には、MBO(目標管理制度)やコンピテンシー評価、360度評価(多面評価)などさまざまな方法があります。

自社の人事評価制度に対応するフォーマットや機能が備わっているか、カスタマイズが可能かを確認し、再現性をチェックしましょう。

自社の課題解決が可能か

製品やサービスによっては、自社の課題解決に必要な機能がない、あってもオプション購入が必要という場合があるため、よく確認しておきましょう。

例えば、「今の組織の状態から、将来的にどのような人材を育成するべきか調査・分析したい」という場合、分析・診断の機能が必要です。さらにレポート作成機能もあれば、担当者の手間を大幅に軽減できます。

自社に合った運用形態か

タレントマネジメントシステムには、以下の二つの導入形態があります。初期費用や管理にかけられるリソースなどを考慮し、自社に適した方を採用しましょう。

  • クラウド型

製品・サービス提供企業が構築したシステムに、インターネット経由でアクセスするタイプです。

自社でサーバーを用意する必要がないため導入までの期間が短く、初期費用も安価です。サーバーの保守・メンテナンスは提供企業側が行うため、管理にかかる手間やコストも抑えることができます。

オンプレミス型と比較して導入のハードルが低く、近年はクラウド型が主流といわれています。

  • オンプレミス型

自社のサーバーにソフトウエアをインストールし、社内ネットワーク上で利用するタイプです。

導入時にサーバーの準備とシステムの構築を行う必要があり導入まで時間がかかる上、初期費用も数百万円以上と高額です。サーバーのメンテナンスも自社で行う必要があるため、管理に手間がかかり、コストも高くなります。これらの理由から、オンプレミス型は大企業向きといわれています。

一方で、拡張性はクラウド型よりも高く、必要に応じた機能の追加やカスタマイズなどが簡単に行えます。セキュリティー面でも、自社のサーバー内でシステムが完結するオンプレミス型の方が優れています。

セキュリティー対策は万全か

タレントマネジメントシステムに登録される従業員のスキルや経歴、人事評価の結果などは、全てが重要な個人情報です。社内・社外に流出しないよう、強力なセキュリティー対策を施せる製品・サービスを選びましょう。

例えば、以下のような機能があると良いでしょう。

  • 部署や役職ごとのアクセス制限
  • 不正アクセスを防ぐIPアドレス制限
  • なりすましを防ぐ二段階認証
  • パスワードを複数回間違えた場合のアカウントロック

運用サポートを受けられるか

タレントマネジメントシステムは、あくまでも従業員のデータを収集・管理するためのものです。企業はそのデータを分析し、人事戦略の策定・実践に生かす必要があります。

これには専門的な知識が必要なため、コンサルタントによる運用サポートを受けられるものを選びましょう。製品・サービスを熟知し、自社の状況に合わせてアドバイスをくれるコンサルタントの存在は、システム導入の効果を高めます。

5. まとめ

タレントマネジメントとは、従業員のタレント(talent:才能)、つまりスキルや経験をデータ化して一元管理し、人材配置や人材育成に活用するマネジメントの手法です。

タレントマネジメントシステムの導入によって、必要なときに必要な情報をデータベースから取り出し、さまざまな人事施策を効率的に行うことができます。

タレントマネジメントシステムを導入する目的は、戦略的な人材育成や人材配置によって経営目標の達成をサポートすることです。タレントマネジメントシステムには、以下のような機能があります。

  • 従業員情報のデータベース化・検索
  • 人材配置・人材育成プランの設計
  • 目標管理・人事評価の効率化
  • アンケート・サーベイ
  • 後継者管理

タレントマネジメントシステムには、大きく分けて三つのタイプがあります。

  • タレントマネジメントに特化した「単独型」
  • 人事プラットフォームとして活用できる「統合型」
  • シリーズ製品の「連携型」

人事業務を行うシステムには以下のようなものがあり、それぞれ役割や目的が異なります。

  • 人事管理システム
  • 人事評価システム
  • タレントマネジメントシステム
  • LMSLearning Management System:学習管理システム)

タレントマネジメントシステムは、人的資本経営に欠かせないツールです。特に人的資本経営の要となる動的な人材ポートフォリオの構築や、人的資本の情報開示のための情報収集・分析を効率的に進めるために、大いに役立ちます。

タレントマネジメントシステムの導入によって、以下のようなメリットが得られます。

  • 最適な人材配置・人材育成
  • 人材のスピーディーなピックアップ
  • モチベーションの向上や離職防止
  • 人事評価の効率化・公平化

タレントマネジメントシステムには以下のようなデメリットがありますが、LMSLearning Management System:学習管理システム)を併用すれば、タレントマネジメントシステムの効果を大きく伸ばし、デメリットを軽減できます。

  • 導入時の課題が大きい
  • 多大なコストがかかる
  • 従業員に浸透しにくい
  • 人材の管理しかできずうまく運用できない

タレントマネジメントシステムを選定する際のチェックポイントは以下の通りです。

  • 人材データベースの機能性が良いか
  • 自社の人事評価制度に対応しているか
  • 自社の課題解決が可能か
  • 自社に合った運用形態か
  • セキュリティー対策は万全か
  • 運用サポートを受けられるか

タレントマネジメントシステムを導入すると、採用、人事配置、評価など、幅広い人事施策を戦略的に実施することができます。人的資本経営の実践においても、スピーディーに結果を出すためには欠かせないツールといえるでしょう。

この記事が、貴社におけるタレントマネジメントシステム導入の参考になれば幸いです。

よくある質問と回答

Q.タレントマネジメントシステムとは?

A. 従業員のスキルや経験等をデータ化して一元管理し、戦略的な人事管理を行うためのシステムのことです。必要なときに必要な情報をデータベースから取り出し、さまざまな人事施策を効率的に行うことができます。

Q.タレントマネジメントシステムは必要ですか?

A. 戦略的な人材育成や人材配置によって経営目標の達成をサポートするため、さらに人的資本経営の推進のためにも必要不可欠です。

Q.タレントマネジメントシステムにはどのような分類がありますか?

A. 以下の三つのタイプがあります。

  • タレントマネジメントに特化した「単独型」
  • 人事プラットフォームとして活用できる「統合型」
  • シリーズ製品の「連携型」

 

[1] 経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」, 2020年9月公表, P4, https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/pdf/20200930_1.pdf(閲覧日:2024年4月15日)
[2] PASONA「キャプラン『人的資本開示に関する実態調査』 2023年「人的資本経営」が本格始動!249社を対象に実施」,  https://www.pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=4561&dispmid=798(閲覧日:2024年4月15日)

参考)
ASPIC公式サービス アスピック「タレントマネジメントシステム比較14選。目的別選び方(図解)」, https://www.aspicjapan.org/asu/article/371(閲覧日:2024年4月11日)
ITトレンド「【2024年版】タレントマネジメントシステム比較16選!目的や機能、選び方も紹介」, https://it-trend.jp/talent-management/article/choice#d0e9d87eb78fa54e47cd213ca7606442(閲覧日:2024年4月11日)
PERSOL「タレントマネジメントシステムを徹底解説|選定・導入のポイント」, https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/4645/(閲覧日:2024年4月11日)
ITreview「【2024年】タレントマネジメントシステムのおすすめ10製品(全30製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも」, https://www.itreview.jp/categories/talent-management(閲覧日:2024年4月11日)
株式会社アクティブアンドカンパニー「人的資本経営の5つの構成要素に見る、これからのタレントマネジメントシステムに求められるものとは」,『経営人。』, https://keieijin.jp/jintekishihon_tm/(閲覧日:2024年4月11日)
株式会社ビジネスコンサルタント「人的資本経営×タレントマネジメントシステム 活用の3ステップ」,『マナバン』, https://trend.bcon.jp/humancapital_talentmanagement/(閲覧日:2024年4月11日)

 

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