第1回 新入社員研修座談会レポート【2023年11月 CAREERSHIP User Meet Up】

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第1回 新入社員研修座談会レポート【2023年11月 CAREERSHIP User Meet Up】

2023年1116日に開催した「第4CAREERSHIP User Meet Up」に先立ち、Meet Up参加企業の有志の皆様にお集まりいただき、新入社員研修座談会を開催しました。

参加者

 

ライトワークス櫻井:

「本日はお集まりいただきありがとうございます。第一回目の新入社員研修座談会を開催させていただきます。

今回はリリースしたばかりの『新入社員研修に関するアンケート調査結果』を皆様にご紹介しつつ、各社様の新入社員研修の状況や、業界ごとの特色、研修内容の工夫などを共有し、今後の研修のヒントとして持ち帰っていただければと思います」

新入社員研修に関するアンケート調査結果トピック

ライトワークス櫻井:

「はじめに、弊社の『新入社員研修に関するアンケート調査結果』をご紹介します。こちらは、2023年10月末に新入社員と人事担当者の両方に対して実施した調査です。いくつか気になるトピックをご紹介します。

まず、研修の受講者である新入社員へのアンケート結果です。

新入社員研修に関する調査結果/近年の研修受講者への調査(2023年10月 株式会社ライトワークス)※調査概要

新入社員研修への満足度は、「オンラインでの講義型研修」は「対面での講義型研修」に比べて低い満足度の回答が多くなっています。オンラインは便利ではありますが、双方向コミュニケーションのしやすさは対面には劣る部分が反映されているのかもしれません。

一方で、「eラーニング」は他の実施形式と比べて高い満足度の回答が多くなっています。実施割合による回答数の違いはありますが、好意的な所感が多いようです。

次に、新入社員が現場で働き始めてから「研修で学べて良かったと感じたこと」「もっと学びたかったと感じたこと」をそれぞれ集計し、その2つを比較したグラフがこちらです。

新入社員研修に関する調査結果/近年の研修受講者への調査(2023年10月 株式会社ライトワークス)※調査概要

基本の「ビジネスマナー」や「協調性」「コミュニケーション能力」といった部分は、「学べて良かった」という回答が「もっと学びたかった」を大きく上回っています。こちらは新入社員でも取り上げられやすい学習内容のため、ある程度教育が行き届いている部分であると考えられます。

一方で、「学べて良かった」よりも「もっと学びたかった」という回答の割合が多かったのは「パソコンスキル」「プレゼンテーション能力」「セルフマネジメント能力」「語学、グローバル教育」などです。自社の研修でこいうった学習内容をカバーできているかを振り返ってみてもいいかもしれません。


続いて、研修の企画実施側である人事担当者へのアンケート結果です。

新入社員研修に関する調査結果/人事担当者への調査(2023年10月 株式会社ライトワークス)※調査概要

新入社員研修の実施期間を伺ったところ、最も多かったのが「1カ月以上2カ月未満」(18.8%)での実施です。半数以上が~3カ月未満程度の期間で新入社員研修を実施していると回答しています。一方で、6カ月以上実施しているという回答も約7%ありました。


最後に、人事担当者が新入社員研修で課題に感じていることを、複数回答式で集計した結果がこちらです。

新入社員研修に関する調査結果/人事担当者への調査(2023年10月 株式会社ライトワークス)※調査概要

最も多かったのは「実施や準備が煩雑で時間や工数がかかる」(39.9%)という回答です。内定者研修の調査でも課題として多く挙がっており、研修実施全体の課題となっているようです。

また、新入社員研修で最も重視する目標を「ビジネスパーソンとして必要な知識・ソフトスキルの習得」と回答していた企業に限ると、45.3%が「配属部署より研修内容を改善してほしいと意見が出ている」という課題を挙げていました。実務で活用するハードスキルの教育が不足している可能性も考えられます」

新入社員研修、期間はどれくらい?

ライトワークス横山:

「ただいまご紹介した『新入社員研修に関するアンケート調査結果』でも可視化されましたが、企業によって新入社員研修の状況は様々です。ご参加いただいた皆様の会社では、新入社員研修の規模や期間などはどのように設定されていますか?」

 

帝人ファーマ高橋様:

「当社の場合は、帝人グループの一員としてまず4月に1カ月間の新入社員導入研修があり、ビジネスパーソンとして必要な知識やソフトスキル、マインドセットをメインに学びます。その後は各事業部に移動して、現場で必要な研修を行います。

ヘルスケア営業担当者は医薬品と在宅医療機器を扱います。その為、5月から導入研修を開始し、大体9月の中旬まで続けますので、合計で半年近くの研修期間となります」

 

帝人ファーマ森脇様:

「現場の研修内容としては、業務に必要なハードスキルの習得と、医療業界で働く上でのマインドセットやエンゲージメントが中心です。研修形式は、現在は対面とオンラインのハイブリッドで、オンライン研修を軸に対面研修と実地研修を組み合わせています。

オンラインの研修についてはライトワークスさんの「CAREERSHIP」に掲載した動画教材での自己学習が中心です。自己学習後にオンライン講義とグループワークで学んだ内容の確認とポイントをまとめる反転学習の形式で進めています」

 

ミライト・ワン吹田様:

「私たちの場合は、新入社員全体を人材育成部で3カ月間管理し、その後の3カ月は各事業部でOJT形式の研修を受けてもらっています。

人材育成部では主に外部の専門家に依頼して、基本的なビジネスマナーやマインドセット、コミュニケーションスキルの研修を行なっています。

今年は新入社員が100人以上いたため、全員を一箇所に集めることができず、オンラインと対面のハイブリッド形式を採用し、2箇所で分散して研修を行いました。来年度は一箇所に集めて行う予定で、今まさに研修メニューを検討中です。配属先とのマッチングの観点から、もう少し改善の余地があるのではと思っています」

 

ライトワークス横山:

「弊社の新入社員研修の期間は4週間です。対面研修と、LMSCAREERSHIP」を使ったeラーニングを行なっています。

対面研修では、基本的に社内講師が仕事の内容を解説します。今年は障害を持つ新入社員のために、オフライン形式とのハイブリッドで行いました。

eラーニング研修は動画視聴とテスト、アンケート回答が中心で、研修の受講者からは「忙しい」とよく言われます(笑)。ソフトスキルは研修前半に、ハードスキルや製品知識、業界知識は後半に集中して行い、5月には仮配属先の現場でOJTを進める流れです。

ちなみに中途採用者の研修については、4月の新入社員研修の動画をCAREERSHIPに格納して、中途採用がある度に動画研修として使い回すエコシステムを確立しています。ただ、今後は現場からの要望を踏まえて、より適切な研修内容にするための調整が必要と感じています」

 

ライトワークス櫻井:

「参考までに、私の前職会社の新入社員研修についてお話しいたします。前職会社では、グループ全体の新入社員研修が入社後1週間〜10日間程度実施されます。

研修では、社会人としての基本的なビジネスマナーに加え、社が重視する人材像の育成と、お客様にとっての価値を考えるワークショップが含まれています。その後、事業別に分かれて研修を進め、5月に現場に配属されてOJTが始まるという流れです」

意外に難しい!? 研修時間の確保

ライトワークス横山:

「もう少し具体的にお伺いしたいです。ミライト・ワン様は、新入社員の数が非常に多い印象ですが、研修会場の用意や宿泊の手配などはどうされているのですか?」

 

ミライト・ワン吹田様:

「昨年は、グループ3社の合併により新入社員が104名となったため、関東と関西の二箇所の拠点を使って研修を行いました。宿泊施設は使わず、関東は寮、関西は借り上げ社宅で対応しました。

加えて、当社は通信インフラなどを扱う建設業のため、実証機器や電柱登りなどの安全面も含めたテクニカルな研修を自前の研修設備を使って行っています」

 

ライトワークス櫻井:

「電柱登りとはすごいですね! まったく違う業界の私から見ると、とてもユニークな研修です。帝人ファーマ様には、業界特有の研修はありますか?」

 

帝人ファーマ森脇様:

「当社では、現在はオンラインでの実施が軸になっています。

ただし、対面での営業スキル研修や、在宅医療機器の操作研修など集合研修でないと実施できないものは、外部会場を借りて集合研修で実施しています。

また、医薬品の情報提供活動には、MR(医薬情報担当者)認定試験の合格が必要になります。当社ではCAREERSHIPを使って毎週模擬試験を配信し、結果を分析するなどの工夫をしています。

12月の試験には会社としても必ず合格してほしいのですが、勤務時間外に試験勉強を強要することはできないので、勉強時間をどう確保させるかは悩みどころですね」

 

ライトワークス横山:

MR認定試験は医薬業界ならではですね。勉強時間の確保については、弊社でも『勤務時間中に自己学習の時間をとって良いか』という質問を受けたことがあります。自己学習自体は自由に取り組んでもらって構わないのですが、『会社ではなく自宅で取り組んでください』と答えました」

グループワークが効果的!理系と文系の教え合い

ミライト・ワン吹田様:

「皆さんの会社では、高卒、専門卒、大卒の間で、研修内容の違いはありますか? 当社の新入社員の傾向としては、学歴のバックグラウンドより、理系と文系の違いが大きいなと感じています」

 

帝人ファーマ森脇様:

「私たちの業界では、ほとんどが大卒または院卒ですので、学歴のバックグラウンドで研修内容を変えることは多くないと思います。ですが、吹田さんがおっしゃるように、バックグラウンドが異なると、学習のアプローチに影響してくると思います。

特に理系と文系の違いは大きく、医薬品などは化学系の知識に触れてきた理系の新入社員の方が飲み込みの早い面があります。そこで、研修では理系の新入社員を中心にグループ分けを行い、その中に文系を分散配置する形をとっています」

 

ミライト・ワン吹田様:

「なるほど、グループ内で教え合いの体制を整えているんですね」

 

帝人ファーマ森脇様:

「はい。当社では、グループワークの時間を設けて教え合いを促しています。まずは理系の新入社員を中心にグループ分けをしますが、確認テストの成績を考慮し、グループを定期的に変更しています。

ただ、同期としての絆も大切にしたいので、同期全員と少なくとも一度は同じグループになるように調整しています」

 

ミライト・ワン吹田様:

「私たちの業界でも、高卒・大卒の違いよりも理系・文系のバックグラウンドの違いの方が大きいなと感じます。当社は電気通信系の仕事をするためITパスポートやエコ検定などの資格取得を推奨しているのですが、やはり得手不得手に差があるなと思いますね」

 

ライトワークス横山:

「新入社員同士の「教え合い」という観点で、参考までに弊社の事例をお話しします。ライトワークスでは研修に「ペアラーニング」という、受講者同士が互いに研修内容を教え合うプログラムを採用しました。

研修ではタイムマネジメントやリーダーシップなどのビジネススキルに関する教材を選び、ペアは前半と後半のパートに分かれて学びます。その後、互いに知らないパートを教え合うことで、理解を深める手法です。

研修の時間は2倍必要になってしまうのですが、「ものすごく理解が深まる」という結果が出ています。これは2年目の社員から提案されたアイデアだったのですが、実際に試してみると非常に効果がありました」

 

ミライト・ワン吹田様:

2年目の社員の方のアイデアなんですね。アンケートで意見を集めたのですか?」

 

ライトワークス横山:

「このアイデアは、前年の新入社員研修で「学びが楽しくなる仕組みを考えてください」という課題に取り組んだ際に出てきたものです。

互いの教え方についてもフィードバックし合うため、マネジメント研修の一環としても有効です。お客様の理解を得るためのスタンスを練習するのにも役立ちますので、教材としても販売できる可能性があると考えています」

 

帝人ファーマ森脇様:

「当社では以前「ポスターツアー」という手法を使ったことがあります。例えば受講者を4つのグループに分けて課題を与え、その内容をポスターにして学会発表風に紹介する方法です。異なるポスターを作った者同士でグループを再構成し、それぞれ自分が作成したポスターについて他のグループメンバーに説明していく方式です」

 

ミライト・ワン吹田様:

「どちらもとても参考になります。当社の研修のアイデアにさせていただきます!」

時代に即した研修企画のブラッシュアップが必要

ライトワークス櫻井:

「皆さんのお話を伺って、同じ「新入社員研修」でも業界・企業ごとに違いがあることがわかり、興味深かったです。また、自社にない新しいアイデアなど、大変濃い内容を共有できました。ありがとうございます。

多くの人事部では、新入社員研修の準備に数カ月をかけています。一般的に研修内容の変更や新しい取り組みにはコミュニケーションコストがかかりますが、新入社員は研修を受けたことがないため、いろいろなことを試すのに最適な対象者です。

今のように変化の激しい時代、新たに入社してくる世代に合わせて、研修内容のブラッシュアップは欠かせません。またこのように皆様とアイデアを膨らませていければと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします」

 

※文中でご紹介した調査結果の概要

■新入社員研修に関する調査結果/近年の研修受講者への調査

・調査対象:高等学校・専門学校・短期大学・大学・大学院を卒業し、新入社員研修が実施されている民間企業へ就職した本年22歳~24歳の男女

  • 調査期間:20231023日~1024
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:442件(男性:221件、女性:221件)
  • 実施機関:株式会社ライトワークス

 

■新入社員研修に関する調査結果/人事担当者への調査

  • 調査対象:・調査対象:現在「人事・採用・人材開発」職種としてお勤めの男女
  • 調査期間:20231026日~1029
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:223件(男性:92件、女性:131件)
  • 実施機関:株式会社ライトワークス

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