ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキングとは、物事を論理的に考える思考法のことです。論理的思考力とも呼ばれ、与えられた情報を客観的に分析し、論理的に整理する能力を指します。

ロジカルシンキング研修では、思い込みや感情に左右されず、事実をもとに判断することを学びます。また、相手の立場から物事について考えたり、自分の意見を適切に伝える力を磨きます。

ロジカルシンキングでは、以下のような手法を活用して情報の整理・主張の組み立てを行います。

MECE

Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略称で、漏れなく、ダブりなく情報を集めることをいいます。

ビジネスフレームワーク

考える際の手がかりとなる「型」のことで、戦略や意思決定などの場面によって適したフレームワークがあります。代表的なフレームワークとして3C、4M、5W1Hなどが挙げられます。

ピラミッドストラクチャー

いくつかの事実をもとに推論を積み重ね、最終的な主張を導き出す手法です。

上記のようなロジカルシンキングの手法を活用することで、物事を論理的に分析して課題の本質を捉えたり、主張の説得力が増すといった効果が期待できます。
ロジカルシンキングを身につけるには、手法を学ぶだけでなく、普段から意識して論理的な思考を実践し、上記のような手法を使いこなせるようになることが必要です。繰り返しトレーニングを行うことにより、ロジカルシンキングのスキルが身についていきます。

ロジカルシンキングは、ビジネスシーンでも重視されるスキルです。特に、これから訪れるSociety 5.0において重要なスキルだといわれています。Society 5.0（ソサエティ5.0）とは内閣府が提唱する、目指すべき未来社会の姿です。

経団連は、2022年に発表した提言でSociety 5.0において企業が求める能力・資質を以下のように記載しています。

• リテラシー（数理的推論、データ分析力など）
• 論理的思考力と規範的判断力
• 課題発見・解決能力、未来社会を構想・設計する力
• 高度専門職に必要な知識・能力

上記の多くは、ロジカルシンキングを学ぶことによって身につけられる能力です。

また、企業がSociety5.0人材に特に期待する能力では、1位に課題設定・解決能力（80.1％）、2位に論理的思考力（72.1％）が挙げられています。

これからの社会では、ロジカルシンキングは「スキルアップのために学ぶ能力」ではなく、「すべてのビジネスパーソンが持つべき能力」として、さらに重視されていくと推察されます。

今後の人材育成において、ロジカルシンキングはぜひ押さえておきたいスキルの一つといえるでしょう。

参考：
内閣府「Society 5.0」
文部科学省「大学改革実行プラン～社会の変革のエンジンとなる大学づくり～」

従業員がロジカルシンキング研修を受講すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。研修受講で得られるメリットは、主に以下の2つです。

• コミュニケーション能力の向上
• 分析力・課題解決力の向上

コミュニケーション能力の向上

ロジカルシンキングを学ぶことで、相手の主張したいことを正確に捉え自身の考えを適切に伝えられるようになります。また、論理立てて考えることで、筋道の通った主張ができるようになります。

その結果、円滑なコミュニケーションが取れるようになったり、会議やプレゼンなどの場面で説得力のある提案が行えるようになります。

分析力・課題解決力の向上

ロジカルシンキングでは、さまざまな手法やフレームワークを用いて物事を分析したり、事実や論理的な根拠をもとにして考えることを基本としています。そのため、物事を多面的かつ網羅的に分析するスキルが身につきます。

また、こうした分析力が高まることで問題の本質をとらえ、課題解決をスムーズに行えるようになります。
ロジカルシンキング研修の受講は、円滑な人間関係の構築、課題解決力の向上など、多面的なスキルアップに役立ちます。若手からマネージャー層まで、受講によるメリットは大きいといえるでしょう。