集合研修をeラーニングにする方法 動画と専用ツールで簡単リユース

集合研修をeラーニングにする方法 動画と専用ツールで簡単リユース

「コストと手間をかけずに集合研修をeラーニングに置き換えたい」

このようにお考えの教育管理者の方は多いのではないでしょうか。
これまで集合研修で実施してきた教育をeラーニングに置き換えれば、大幅なコストダウンにつながります。しかし、置き換えるといってもどうすればよいのか、一つ一つ新しいeラーニングを探して検討していくのも大変だし、かといっていい加減に業者任せにするわけにもいかないしー。

昔から人材育成に力を注ぎ、豊富な集合研修プログラムを用意してきた企業ほど、eラーニングへの移行作業は難航しがちです。各研修の目的を見失わず、質を落とさず、かつコストと手間を極力かけずに集合研修をeラーニングに置き換えていくには、どうすればよいのでしょうか?

本稿の提示する回答は、ずばり集合研修の「リユース」です。

「リユース」は資源管理の基本的な考え方です。研修についても同じことが言えます。評価の高い集合研修をまるごとお蔵入りさせるのはあまりにもったいない。捨てずに有効活用する方法を考えましょう。過去に実施した集合研修を、eラーニングに加工するのです。

というわけで、本稿では、今ある集合研修をなるべく低コストかつ簡単に「リユース」する方法をご紹介します。映像化のポイント解説では、映像教育で知られる東進ハイスクールの講義映像を分析します。ぜひ参考にしてください。

1. リユース前にクリアしておくべき2つのこと

集合研修のリユースにあたりハードルになり得るのは、権利の問題と、研修資料のデータファイルの問題です。集合研修は普通、講師がテキストを配布または投影して行います。内製の集合研修の場合、講師の権利を考慮する必要はありませんし、テキストや関連資料の著作権も会社に所属することがほとんどです。

しかし、外部講師に委託している集合研修の場合、テキストをはじめとする資料全般に著作権が発生します。よって、勝手にリユースすると法律違反です。リユースの方針を委託先企業または講師に伝え、テキストを買い取るか、ロイヤリティを支払って使わせてもらう、またはパートナーシップを結んで共同開発とする、といった事前契約が必要になります。

また、資料については、「編集可能な元ファイルの最新版」の所在を確認しておきましょう。多くの場合PowerPointになると思います。管理しているファイルがいつのまにかPDFだけになっていて、元データが見つからない、というトラブルはありがちです。情報はあるのに加工できない!という状況に陥らないために、早めに捜索しておくことをおすすめします。

それでは、集合研修をeラーニングにする具体的な方法を見ていきましょう。

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2. 集合研修をeラーニングにする方法

集合研修をeラーニングに作り変える主な方法としては、以下の2つが挙げられます。

(1) 映像化
(2) スライドをベースとしたコンテンツ化

どちらも特別な知識や技術がなくても実現可能です。それぞれについて見ていきましょう。

2-1. 映像化

集合研修を撮影し、動画として配信する方法です。研修自体の加工が必要ないという点で、これは一番手っ取り早い手段と言えます。動画の配信にはeラーニングで使っているLMS(Learning Management System;学習管理システム)を利用すると良いでしょう。

しかし、講義の様子をビデオに撮ってただ配信するだけでは、あまりに冗長で、コンテンツとしての魅力に欠けます。「エンターテインメントではないので面白さはいらない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまり単調だと学習者が集中できず、学習効果が落ちるリスクがあります。

ではどんな工夫が必要でしょう。ここで、「IT授業」を提唱し、東進ハイスクールに代表される数々の学習塾を運営している株式会社ナガセの例を見てみましょう。ナガセは映像教育に成功し、少子化の中にあって売上を伸ばしています。

・株式会社ナガセ 業績推移(単位:百万円)


株式会社ナガセ 業績推移(単位:百万円)

ナガセの講義映像の特長を知ることは、集合研修を映像化する際の成功ポイントの把握につながるはずです。

その内容は、以下の3点に集約できます。

(1) 講師の高いタレント性
(2) 更新頻度の高さ
(3) 2倍速再生

この3点を押さえれば、学習者の集中力とモチベーションを維持し、学習効果を損なわない研修動画を作れるということになります。

一つずつみていきましょう。

(1) 講師の高いタレント性

林修先生をはじめ、東進ハイスクールが抱える講師陣は個性が強く、話がとても上手です。単に講義内容を話しているのではなく、周辺の知識も伝えています。これはマニュアルがあるわけではなく、講師自身が受講者を飽きさせないための工夫・努力としてやっているようです。

企業の集合研修でも、アイスブレイクやオモシロエピソードをまじえて進められるものも少なくありません。映像化する際は、プロの講師を呼ぶにしても、社内講師が行うにしても、何らかのオリジナリティを出していく、単調な展開にしない、話し方に抑揚をつける、などの工夫があると良いでしょう。

(2) 更新頻度の高さ

東進ハイスクールの講師陣は時事ネタを織り交ぜて講義しますので、すぐに内容が古くなります。そのため、同じ内容の講義でも、最低四半期に1回は撮影を実施しているようです。学生は同じ内容を復習するにしても新しい時事ネタが聞けるのでより楽しく学習ができます。

企業の教育施策の場合、対象者はビジネスパーソンですから、学生と同等の工夫まではいらないと思いますが、経営の考え方や業務内容の変化、法律対応などの面で情報が劣化する可能性はあります。情報の鮮度を保つため、定期的に教材の内容を見直す仕組みを作っておくのが理想的です。

(3) 2倍速再生

東進ハイスクールの映像授業は、2倍速再生が可能です。特に珍しい機能ではないようい思えますが、実は受講環境に関してはこれが一番評価されているそうです。ダラダラと話されるよりも、知っているところは2倍速で、重要な部分は等速で講義を聞く。このメリハリが必要なのでしょう。
これは、忙しいビジネスパーソンが相手の研修でもまったく同じことが言えると思います。

映像の長さについては、1本を10分から20分程度に抑えておかないと、集中力が続かないようです。Jストリームの調査によれば、「長くても10分未満が適切」という結果が出ています[1] 。講義内容にもよりますが、あまり長くならないよう、単元を区切るなどの工夫をするとよいでしょう。

このように、集合研修を動画コンテンツという形のeラーニングに置き換える際は、撮影の仕方の他に、講師の話し方や再生時間などに工夫する必要があります。

[1]JストリームBlog「社内向け動画コンテンツ企画のヒント」<https://www.stream.co.jp/resources/blog/2017/02/23/1341/>

2-2. スライドをベースとしたコンテンツ化

集合研修の講義内容をベースにeラーニング教材を作成するという方法です。一定量の作業が必要ですが、いったん作ってしまえば動画に比べて運用とメンテナンスは楽です。

最も効率が良いのは、集合研修のテキストやスライド資料を改編するやり方でしょう。これらの資料は大抵の場合PowerPointで作成されています。スライド内のイラストやチャートに、講師のトークスクリプトを原稿として当て込んで、一つの教材として編集し直すのです。

これをeラーニングコンテンツにするわけですが、その作業は教材作成支援ツールを使えば簡単にできます。最近は自社でeラーニングを制作したいというニーズが高まっており、eラーニングベンダー各社がこうしたツールを提供していますので、確認してみましょう。大抵の場合、PowerPointとExcelがあればOKです。

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集合研修の全てをスライドで表現するのが難しい場合は、動画と組み合わせることも可能です。例を見てみましょう。

こちらは講師と講義スライドを一緒に表示するタイプの教材です。「映像化」と組み合わせた例といえるでしょう。

また、スライドで学習した後、関連する動画を見せるという形も考えられます。

このパターンを採用すれば、座学の集合研修だけでなく、実地研修に近い内容もeラーニングで配信することができます。

元々の集合研修の再現性という観点では、研修動画に比べると劣ります。ただ、学習目的に沿って情報をコンパクトに整理できること、音声なしでも学習できるように工夫ができること、PowerPointやエクセルがベースなので内容のメンテナンスがしやすいことは、コンテンツ化のメリットといえるでしょう。

それぞれのメリットを確認し、教育施策ごとに最適な方法をとることが理想的です。

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3. まとめ

「集合研修をリユースする」という考え方の下、集合研修をeラーニングに作り変える方法をご紹介しました。

1. 映像化
2. スライドをベースとしたコンテンツ化

映像化する際は、受講者が飽きないよう、撮影の仕方や講師の話し方、再生時間などに工夫を施すことが望まれます。

スライドをベースとしたコンテンツ化は、教材作成支援ツールを使う方法です。PowerPointやExcelを使って教材資料を用意し、これを教材作成支援ツールでeラーニングコンテンツにします。動画を組み合わせることも可能です。

集合研修のeラーニングへの置き換えにあたっては、動画の活用と再設計がポイントと言えるでしょう。ぜひあなたの会社の教育施策の参考にしてください。

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